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日本が感動。都の新型コロナ対策サイトに降臨した台湾天才IT大臣

世界各国が新型コロナウイルスの感染拡大に手を焼く中、今日までウイルスを的確に制御していると言っても過言ではない台湾。その対策のキーマンが、若き天才IT大臣、オードリー・タン氏です。台湾出身の評論家・黄文雄さんは今回、自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、台湾のみならず日本の新型コロナ対策サイトにまで気を配るオードリー氏の活躍を紹介するとともに、それでもなお台湾のWHO加盟を拒否する中国を強く批判しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年3月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】新型コロナ対策で注目される台湾の若きIT大臣が日本に降臨!?

「マジで胸アツ」台湾の天才IT大臣が東京都の新型コロナ対策サイトの修正に自ら参加し話題に

前回の「中国に忖度なし。日本が学ぶべき、台湾の蔡総統『新型肺炎』対応」で、台湾の新型コロナ対策について書きました。その政策のおかげで、台湾は3月7日以降連続3日間感染者を出さなかったと発表しました。3月9日時点での台湾の感染者は45人、そのうち15人は退院しています。

台湾、3日連続で新たな感染者ゼロ 新型コロナウイルス

初動対応が的確だとこれほど効果があるということを台湾は実践して見せてくれました。

日本がなかなか中国からの入国を禁止できなかったのは、中国との経済関係が強いからという評論家もいますが、台湾と中国のほうがよほどビジネスで強く結ばれています。しかし、台湾は中国に遠慮することなく様々な入国制限など様々な決断を早期に下したのです。

今回、その立役者として台湾政界で注目を浴びている人物の一人にIT大臣の唐鳳(オードリー・タン)氏がいます。彼女は台湾政界で3つの史上初を実現した逸材です。

35歳の最年少で大臣就任、台湾では中卒という学歴で大臣就任、男性から女性へと転換したトランスジェンダーの大臣就任、という3つです。彼女は、よくIQ180の天才プログラマーと評されている通り、相当な実力の持ち主です。台湾には、そのような逸材を大臣として迎え入れる度量があります。

今回の新型コロナ対策の柔軟さを見ても、それはよくわかります。オードリー氏はマスク買いだめ防止策として、健康保険証の番号でマスクを買える日を指定しました。購入枚数は1週間で大人は3枚まで、子どもは5枚までと決まっていて、制限以上に買うことはできません。そして、これらの購入履歴も管理することにより、台湾でのマスク購入殺到や中国人による爆買いを防ぎ、品切れを防いだのです。

また、衛生福利部(保健省)と協力して、台湾国内の薬局にある在庫データをインターネット上で公開しました。すると、これを見た民間のITエンジニアが、そのデータを地図上に表示し、在庫状況がすぐにわかるアプリを開発しました。

オードリー氏のテクノロジーを使った危機管理が、高く評価されているのです。

オードリー氏は、新型コロナ対策で忙しいなか、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」にアクセスしました。このサイトは、公式サイトながら「ユーザーから修正提案を受け入れるというオープンソースのプロジェクト」となっており、「ユーザーの声を受け、デザインの改善やデータの追加などが日々おこなわれている」ものです。

「マジで胸アツ」台湾の天才IT大臣が東京都の新型コロナ対策サイトの修正に自ら参加し話題に

そこにオードリー氏が参加して、言語選択欄の漢字の修正を提案してくれたというのです。具体的には、「繁体字」を「繁體字」に修正したとのことです。彼女のやったことはそれだけでしたが、世界が混乱し、皆が自国のことで精一杯のこの時期に、海外の大臣が他国のサイトをチェックして気さくに修正を入れる。この行為に日本側は驚いたようです。

報道によれば、ネット上では「台湾の天才IT大臣からpull request来ててしかもマージされててマジで胸が熱くなるわ」といったコメントが寄せられたそうです。

小池百合子東京都知事も、次のようなツイートをしたそうです。「台湾のIT大臣のオードリータンさんにも翻訳に参加いただきました。謝謝です。多くの人に届くように多言語版の開発を進めていきます」。

オードリー氏はおそらく、世界各国の新型コロナ対策についてリサーチしている際に東京のこのサイトに触れたのではないでしょうか。この努力は台湾の政策に生かされています。

日本のIT担当は、78歳で大臣に就任した竹本直一氏です。台湾の天才オードリー氏と比較されてしまうのは同情の余地がありますが、あまりに実力差が大きい。日本の政界の人材登用はもうちょっと変わらなければならないかもしれませんね。

「レベル感の違いがすごい」78歳のIT担当相が爆誕→台湾の38歳天才プログラマーIT大臣が話題に

今回の件で、台湾は世界にその実力を示す形となりました。世界も台湾の対応を高評しています。しかし、WHOの台湾再加盟については中国が徹底的に拒否し続けているため実現できていません。

オブザーバーとしての参加さえも排除しようと手をつくしています。しかし、皮肉にも新型コロナウイルスの拡散を最も的確に制御しているのは台湾であり、世界もそれを認めています。

この事実を受けて、スイスで行われた専門家会議では、台湾のWHOの参加に各国が同意しました。それでも、多額の寄付を行っている中国はWHOの大切なスポンサーです。今回も、中国の初動対応の悪さをテドロス事務局長が徹底的にかばってくれたお礼として、WHOに21億円の寄付をしたと報道されました。

中国、WHOに21億円寄付 新型コロナ対策で「お返し」?

このことは世界が知っています。中国人も、上っ面を取り繕う中国共産党の統治にノーと言い始めています。封鎖中の武漢を視察した共産党幹部の、支援が行き届いているような演出に住民らが大声で「嘘だ」と訴えかける場面が報道されました。

「嘘だ、全部嘘だ!」共産党幹部の視察に合わせた“演出”に武漢の住民が怒り。窓から声あげる動画が拡散

今回の新型コロナウイルス騒動によって、中国の形式主義と卑怯な手腕が国内外に露呈したといえるでしょう。


 

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image by: Audrey Tang, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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