見えない敵である新型コロナウイルスのニュースに日々さらされ、大人以上にストレスを感じている子どもたちがいます。親をはじめとする保護者は、子どもが発するSOSを見逃さずに、安心できる環境を整えてあげたいもの。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の柳川由紀さんが、不安を抱えた子どもたちにどう接し、何に注意すべきか、心がけを教えてくれます。
子どもと新型コロナウイルスについて話そう
1.子どものSOS
子どものストレスに対する反応は様々です。
- イライラして怒りっぽくなる
- 赤ちゃん返りのような行動退行(おねしょなど)が出る
- 頭痛、腹痛、食欲不振、不眠になる
- 遊びの中で経験の再現をする
などです。
4つ目の「遊びの中で経験の再現をする」とは、例えば、保育園、幼稚園で「咳をして『コロナ、コロナ!』と言って相手から離れるという遊びをする」というものです。こうした遊びの変化はストレスに対する反応です。
2.子どもへの対応
子どもは無意識にSOSを発します。上記で挙げた症状すべてがSOSです。そのため大人は、こうした反応に対し、怒ったり叱ったりするのではなく、子どもに目を向け、子どもの声を聴き、安心できる環境を作ることが大切です。
そのためには、次のことを心がけましょう。
- 子どもにいつも以上に目を向ける
- 子どもの言葉をよく聴く
- 安心できる環境を作る
- 一緒に遊ぶ(トランプ、ゲームなど)
- 一緒に運動する
- スキンシップをいつも以上に図る
3.正しい情報を伝える
年齢に応じて、正しい情報を伝えることが大切です。子どもたちは、一方的に入ってくる情報を間違って捉え、不安や恐怖が増すことがあります。
アメリカの疾病予防管理センターでは、「子どもとコロナウィルスについて話すときの原則」をお知らせしています。
● Talking with children about Coronavirus Disease 2019 | CDC
参考にしてください。
家庭教育アドバイス…「子どものための心理的な処置」
自然災害や、大きな出来事が起きると、様々な噂や情報が広がります。情報の正確さの判断が難しくなるだけではなく、子どもたちは影響を受けやすく心理的ストレスがかかります。そこで…。
・出来事に関連したテレビのニュース映像を繰り返し見聞きすることは避けましょう
認知的、情緒的に発達途中の子どもたちは、映像の出来事を今の状況と捉えたり、自分に起きることとして捉えたりして、不安をますます強くしてしまう可能性があるからです。
・個々の発達や理解に合わせた情報の提供をしましょう
スマホやインターネットを通して、子ども自身で情報を得られるようになり、噂やデマの被害に遭う危険が高くなるからです。正しい情報の取り方について話し合うこと、いつ、誰から発信された情報かを確認すること、これらを大人として支援しましょう。
・差別をやめましょう
新型コロナウィルスに感染し回復した人や、感染した人を診察、介護する立場にある人たち、あるいはその子どもたちに心ない差別が生じないよう、学校と密に連絡を取り他の子どもたちに対して、事前に病気についてわかりやすい言葉で伝えておくことが大切です。大人のストレスが、弱い立場の子どもに向かう可能性も高くなります。すでに米国では、子どもへの虐待が増加しているという報道もあります。大人自身が、不用意な不安を抱かないよう、正しい情報を入手し、子どもと安心して過ごせるよう心がけましょう。
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