MAG2 NEWS MENU

ロックダウンのNYで日本人社長はなぜダイエットに成功したのか?

長期にわたる自粛生活により、生活や内面、外見に変化は起こっていますか?ロックダウンが2ヶ月になろうとしているニューヨークに住む『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんは、この期間に6kgの減量に成功するなど、さまざまなポジティブな変化があったと、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で報告。2度とは来ないであろうこの自宅待機の時間を「人生の棚卸し」に利用しない手はないと、前向きに呼びかけています。

人生の棚卸し

どうしても、今週もロックダウンの話題になってしまいます。すいません(汗)読者のみなさまもウンザリだと思います。僕もです(笑)。でも、やっぱり、いちおう世界の中心と呼ばれる街が、史上最大の都市封鎖をしているその渦中で、他のことをあえて書くのもあまりに不自然かなとも思っています。

毎週のように、日本の方々と、オンラインでのセミナーや飲み会をして、気づかされることも多くあります。たまたま僕がお話しした方々に限ってのことですが、割とのんびり構えている方が多かったのも事実でした(もちろん例外も多くあります)。

語弊を恐れず言えば、今回の外出自粛をそれなりに楽しんで過ごしている方も結構な割合でいらっしゃいました。もちろん、それ以外の方法がないので、せめてもの気持ちのリセットだとは思います。それでも、中には、堂々と「嫌な会社に行かなくて済むので、もう少し(自粛期間)長引いてくれないかなぁ」と堂々とおっしゃられている方がいたのには、少し笑ってしまいました。

確かに、前述の方以外でも、今回のコロナ禍によって、むしろラッキーだったと思う人も少なからずはいるはずです。本音として。もちろん今の世の中的にそんなことは公言できませんが。

僕自身も、日常生活において、今回の件が「よかったかも」と思わないこともないかもしれない。もちろん、冷静に俯瞰で見れば、経営危機、経済危機というとてつもなく大きな壁にぶつかっています。まったく笑えないダメージを人生において受けています。

ただ、日々の生活で常に暗い顔をしているわけにはいかない。なによりこの20年間では、考えられないほどの「自分の時間」ができました。先日のオンライン飲み会。関西の後援会が開いてくれた「高橋克明を励ます会」と、大袈裟に銘打った、ただの飲み会で、参加してくださった数十人と一人ずつ話しました。

その最後、締めの言葉で「ここだけの話。不謹慎な言い方だけど、今日ここにいるメンバーだけでも、“自粛期間があって逆によかったね”、“この時期、いろいろやれなかったことをやれたね”って、次回、オンラインでなく、リアルに再会した際、お互いに言えるようにがんばりましょう」と伝えました。「これだけの歴史的なシャットダウン期間があったわけだから、みんな、その前と後とで何も変わってなかったら、嘘だよね」と。我ながら、いいこというなぁと思ったのでした。

偉そうなことを言いつつ、それはつまりは、自分に言い聞かせているようなものでした。僕自身、このロックダウン期間中も、おかげさまでオンラインセミナーなど多くの依頼を頂いていますが、だとしてもビフォー・ロックダウンに比べれば、考えられないくらいの時間の余裕ができました。それまでの日々、ゆとりは一瞬もなかった。それにより、今まで考えることもなかったことまで、考えるように、いや、考えられるようになりました。

ロックダウンによる生活の変化、意識の変化

まずは生活習慣。この20年、朝も昼も夜も自分には関係がありませんでした。規則正しい生活を送れない仕事を選んだのでそれも仕方がなかった。そして、今回、せめてこの期間中くらいはと、朝起きて、夜寝る、という当たり前の生活に切り替えてみました。ジャンクフードと糖質は避け、なるべく健康にいいものを食べるようにしました。

家族と食事する機会が劇的に増えたので、4歳児のメニューを一緒に食べるようになり、自然とそうなっていきました。すると、あれだけダイエット本を読み漁り、ダイエットサプリメントを飲み、ダイエット器具を使っても、1キロ、2キロしか痩せずすぐにリバウンドした僕が、2ヶ月で6キロ痩せました。しかも、無理なく、意識せず、気づけば、という感じです。

もともとがメタボだったので、6キロでも大したことはないのかもしれませんが、それでも姿見で見る全身のシェイプがあきからに変わりました。ロックダウンが解除され、元の激務の仕事に戻ったとしても、100%とは言わずとも、なんとか今の生活ペースをキープしていこうと誓いました。もう、特定な方法が売りのダイエット本を買い漁り、買っただけで安心していた、そんな悪癖も終わりになる予感がします。

そして、金銭感覚。恥ずかしいことをカミングアウトすると、僕自身今までお金に関して、あまりに無頓着でした。お金に無頓着と言うと、逆に品があるように聞こえますが、そうではありません。決して、執着はなかったわけではないから。執着がなければ上品かもしれないけれど、執着心ギラギラなのに、それでいて、自分が一体どれだけ稼いでいるのか、どうやって運用しているのか、すべて妻任せ。それでいて、稼ぎたい!というむき出しの本能はあるので、それだけにかなり下品です。

「稼ぎたい!」という野心だけは人一倍あるくせに、稼いだお金の運用はめんどうくさくて他人事でした。会社の売り上げグラフを伸ばすゲームに負けたくないだけだった気がします。売り上げや経常利益はおおまかに把握していても、では稼いだお金に対し、どうやって節税をして、どうやって運用をして、どうやって遣い、貯めているのか、この20年間、一瞬たりとも気に留めたこともなく、すべて経理と妻任せでした。

経営者としても、一家の主人としても失格です。とんでもない恥ずかしいことを、メルマガ読者だけにカミングアウトすると、実は僕は今でも小遣い制。足りなくなったら妻が口座に入れる。将来における資産形成から目を瞑っていました。ゴールのないマラソンに社員も家族も付き合わせていたことになります。つまり、社員に対して、もっとボーナスの額を上げてもいい年度があったかもしれない。逆にボーナスが出ないほどの業績でもバカみないに出していたかもしれない。

そこを今回時間ができたことで、把握するようになりました。財布の中身を把握すると今、買えるもの、買えないもの、貯めたい額、投資したい案件、削りたい事業、社員に還元したい額、社員から取り上げたい額(笑)も見えてきます。「なんだ、経営なんてこんなに簡単だったんだ!」そんなバカみたいな結論に至りました。

棒高跳びのハードルもない状態で、やたらめったら高く、高く跳ぶことだけを意識していた。あくまで結果論ですが、今まではゴールが見えないそんな状態でよかったのかもしれません。ブレーキが壊れたノンストップ状態だったことが幸いしていたのかもしれません。でも、もう40代後半。グッと地に足つけた経営にシフトチェンジする必要性が出てきた頃でした。これから、そうできるようになるであろうことも、今回のロックダウンで出来た時間のおかげだと思います。

そして、なにより、家族との時間が増えました。4歳の娘に「パパ…おしごといかなくていいの?」と聞かれ、「きょうはおうちにいるよ」と答えると、娘が満面の笑顔になった時、逆に父は泣きそうになりました。そこだけはロックダウン解除後も、意識して作っていきたいと思っています。満面の笑顔の直後、リビングで開業した、娘がオーナーであろう「びよういん」の「おきゃくさま」として、半日、付き合わされたけど。顔を直にペンでメイクされそうになり「油性はヤメて!」と叫んだけど。

コロナ特需と言えば、あまりに不謹慎なので、せめてロックダウン特需と表現します。この封鎖された時間は神様が与えてくれた自分を見つめ直す期間。この機会に「人生の棚卸し」をしないと、あまりにもったいない。おそらく、僕たちが生きている間、ここまで社会がストップする時期はもうやってこない。先日のオンライン飲み会で伝えた言葉を、ここメルマガの読者にも改めて。

なんでもいい。ビフォー・ロックダウンと、アフター・ロックダウンで、変わっている自分でいよう。次のステージに向けて、今やれることをやって、やりきって、やり終わらせよう。世界を混乱させたコロナとやらを、逆に個人では利用してやろう。決して、それは不謹慎な考えではないと、僕は思っています。

image by: shutterstock.com

高橋克明この著者の記事一覧

全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明 』

【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け