その感染流行により、多くの「常識」を覆すこととなった新型コロナウイルス。効率最優先で突き詰めてきた私たちの生活様式ですが、ウィズコロナ時代を生き抜くためには再考が必要なようです。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「家事能力」こそがこれからの時代のリスクヘッジになりうるとして、その理由と具体例を記しています。
解除後の家庭
さて、本日はいまだ見通せない世界のお話。
多くの地域で緊急事態宣言が解除されました。大都市圏は、まだ解除されていませんが、いずれも感染者数が減少傾向で5月中にはすべて解除されるのではないでしょうか(編集部注:5月25日、全国で緊急事態宣言が解除となりました)。
…ようやく不要不急の外出もOKになるわけですが、なんだか外出の仕方を忘れちゃった気がします。なんていうか、こう、日常を取り戻す気分ではなく、
- 家にいるのがノーマル
な感じがあるので、外出に何とも言えない抵抗感があるんですよ。StayHomeが徹底されたおかげで、
- 家でやることの価値が見直された
一ヶ月になりました。今後も第二波第三波が到来することが確実視されています。そのとき同じように緊急事態宣言が出されるかどうかは分かりませんが、それでも重症化リスクの高い人やその同居の家族は外出を控えるようになるでしょう。つまり、全面的あるいは部分的に
- 今回と同じことが繰り返される可能性がある
んです。そう、またまた家に閉じ込められることがあるかもしれないんです。
こうなると、
- アウトソースしていた家事が家庭に逆流してくる
でしょう。現在、たくさんの家事が外注されていますが、その大半のサービスが停止してしまい、各家庭に戻ってくるからです。
外国では、富裕層が家政婦さんやメイドさんが感染リスク回避のために出勤できなくなり、
- 自分で家事をせざるを得ない(@@;
状況になったそうです。
同じようなことは、日本でも起こりました。コンビニ飯や外食に頼っていた人は、お店が休業してしまうと食事さえもままならなくなってしまったのです。
しかも、日本の場合、テレワークが実施できた企業は、全国で27.8パーセント。
約60パーセントの企業は、テレワークができなかったことになります。お寒い現実ですよね。
っていうか、ほんとは、文字媒体を介して指示を出したり受けたりすることに慣れていないので、文字を書くのに時間がかかっていて、それをオジさんたちがめんどくさがっているんじゃないかと邪推してますけどね。「ちょっと、コレ、やっといて。アレは、そのうちでいいからさ」とかこういうのを文字で書けないんじゃないの?ヒソヒソ。
閑話休題。で、企業の業績はダダ下がり。家事のアウトソースには当然おカネが掛かりますが、その原資は吹き飛んだわけです。
自宅でやるしかなくなりますよね。こういう点で、今回の新型コロナの感染拡大は、おカネで家事をアウトソースし必要なときに必要なものだけをすぐに購入する生活の
- 脆弱さを見せつけた
と言えるでしょう。おカネがなくなればアウトソースはできないしおカネがあっても店が閉まっていたり欠品していれば、すぐには入手できないわけです。そういうライフスタイルの方は、この自粛生活中さぞかし苦労されただろうと思います。
大げさなことを言うと思われるかもしれませんが、このことは家庭だけではなく
- 国家でも同じことが
起こりました。マスクや防護服という、ウィルスと闘うための基本装備すら手に入らない。しかもそれは数カ所の病院レベルの問題ではなく、各国政府が手を尽くしても入手もできない。素材が入ってこないから自国で生産もできない。使えるのは、備蓄していたものか、自国内で生産できるものだけ。「買えばいい」とは、ソトからという前提が見逃されてきたから成立していたやり方だったのです。