基本を忘れるなかれ。テレワークにこそ「報・連・相」が重要な訳

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新型コロナウイルスの影響で、一気に導入が進んだテレワーク。さまざまな企業がその継続を前向きに検討していますが、そこで危惧されるのが「社内のコミュニケーション不足」ではないでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、そんな問題を根本から解決する方法を紹介しています。

社内コミュニケーション

「お宅のところ、教育ちゃんとできてるんですか!?」

突然、電話でのお客様からのクレーム。電話を受けた社長は、「どういったことでしょうか?」と応対するも「どうしたもこうしたもないですよ!とにかく今すぐこっち来てください」と呼び出しをくらう。

大阪で内装業の社長さんのご相談を受けたときにこのようなことが度々あると仰っていました。社長は職人さんを何人も抱えているのですが、どうも報・連・相がきちんと機能出来ていないようでした。このままだとたとえ些細なミスでも、一気にお客様からの信頼を落としかねないと危惧し、改善策を模索していたのです。「現場で何か問題があればスグに連絡するように」ということは、これまで口を酸っぱくして言ってきたようなのですが、それがまるで浸透しないのです。

その原因の1つとして社長は、「職人さんにもプライドがあるのかどうなのか?些細なことなら連絡するまでもなく現場で対応・処理できる。というような意識を持っているのだろう」ということを仰っていました。その結果、何か問題があっても直接施主から連絡があるまでは社長も問題を把握できない、という状態が続いていたのです。

「現場で何か問題があればスグに連絡するように」と口酸っぱくいったところで、それが実行されていなければ全く意味がありません。こうしたことを根本的に解決していくにはまず、「こういうときはこうしなさい」という一方的なマニュアル管理だけでは、相互理解の上で成り立っていないので不十分である。ということをまずは認識することが必要です。

そのうえで「なぜこういうときはこうしないといけないのか?」「そうすることでどのような結果が得れるのか?」「お客様にとって結果的にどんなベネフィットにつながるか?」「対応が疎かになったときの自社の損失は?いくら?」など、きちんと明確に理解してもらう必要があります。

これらを1つ1つ解消しない限り、この社長の悩みは尽きることはありません。逆にいえば、コミュニケーションをしっかり取れ、ホウレンソウが機能出来れば、被害も最小に留めることも出来るし、施主への応対ももっとスムーズに出来るようになります。少々の失敗やミスで信頼を落とす、そんな不安は払拭できるのです。

ではどうやって職人達のプライドを保ちコミュニケーションを活発化させればいいでしょう?これはもう口で言っても駄目なので、プロとして、書面で契約事にするのが一番です。つまり、契約事項の中に、現場に入った時、現場から離れるときは何も問題が無くとも連絡を入れること。「お疲れさん」の一言だけでも連絡を入れること。破れば契約不履行となり、雇主は契約を解除できる。などと明文化しプロとしての仕事の1つであることを示すのです。

毎日の連絡、挨拶といったものは、コミュニケーションの基本です。当たり前に感じると思いますが、それを欠かさず行うことで連帯感は生まれるものです。そんな当たり前のことを徹底することでどんなに些細な問題があってもスグに対応可能な環境を整えることができるのです。

したがって、何か問題があって、お客様から連絡が入るよりも前に、現場からあった報告を基にこちらから先にお客様へ連絡を入れることができ、冒頭のようなやり取りを軽減、あるいは、失くすことができていくのです。これだけでもお客様からの印象は全く違ってきます。

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