食に対して並々ならぬこだわりを持つ方が多い印象のある都市、大阪。しかし、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんによると、そんな食い倒れの街でにわかに信じがたい「あるもの」が売れ続けているのだとか。佐藤さんは今回、自身の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、「詐欺やで、これ!」と突っ込みが入るようなその代物が売れる理由を分析・紹介しています。
なぜ売れる? 衣ばかりのエビ天
大阪のとある路地裏に、2坪ほどの小さな天ぷら屋さんがあります。非常にユニークなお店で、売っているのは、大中小・3種類のエビ天のみ。
このエビ天が面白いのです。というか、“詐欺やで、これ!”と、大阪人に突っ込まれそうな代物です。
小指の半分ほどの太さのエビに衣をつけ、油の中へ。そして、次々に衣だけをその上からかけていくのです。どんどん大きくなって、最終的には手のひらサイズにまで、大きくなります。
これを「エビ天(小)90円」で販売。(中)と(大)は、中のエビが少しずつ大きくなるだけで、できあがりの大きさは同じです。
こんな商品が、なぜ売れているのでしょうか?
不思議なことですが、大阪という土地柄もあります。うどんにのせるために買っていくのです。おかずとしての天ぷらではなく、あくまでうどんの具です。うどんの具だから、許されるのです。
「なんや、これ!」と言いながらも、面白がって買うのが、大阪人です。
記憶が定かではありませんが、このお店は30数年続いているそうです。
このお店から学ぶべきことは、「天ぷら」ではなく、「うどんの具」を売っているという、商品のポジショニングです。売り方次第で、どんなものでも売れる、という見本です。
いつ買うか
メーカーで廃棄されるはずだった服を買い取り、激安で販売するお店があります。激安なのでファンも多いのですが、その販売システムがユニークであるため、頻繁に通うお客さまもたくさんいます。
そのシステムとは、1つの商品が入荷すると、毎日価格を下げ続け、1週間後には100円になることがあるのです。お客さまは、欲しい商品に目をつけておき、安くなるのを待つのです。
同じ商品を狙う他のお客さまがいると、いつ買うかで駆け引きがあります。
今日買うか、明日まで待つか。
そのギャンブル性がウケているのです。面白い仕掛けですね。
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