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インドはすでに禁止。TikTok利用禁止を検討する米国の懸念点とは

日本では中高生などの若年層を中心に人気の短編動画アプリ「TikTok(ティックトック)」。中国企業による運営であることから、インドではアプリの利用が禁止されました。さらに、アメリカやオーストラリアなどでも利用禁止が検討されているとの報道があり、動向が注目されています。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、著者でニューヨーク在住のりばてぃさんが、アメリカ国内でのTikTok事情について、何が警戒され、どんな使われ方をしているのか、詳しく伝えてくれています。

最近、日本でもTikTok利用者が増えているようだけど…

新しいことをはじめると、これまで興味を持たなかったものにも目がいったりするが、ふと、TikTokの今のトレンドって何だろう?と気になった。

本題に入る前にTikTokについて整理しておくと、TikTokはモバイル向けのショートムービープラットフォームで、YouTubeのように動画を配信したり、視聴ができる。動画は長くても1分ほどとなっており、次の動画をみたいときは、画面を下から上にスワイプするだけ。

主に若い世代を中心に人気のアプリなのでダンス動画やおもしろ動画クリエイティブ系などが中心だったが、最近ではビジネス利用も進んでいるようで、ビジネス系もあったりする。

そんなTikTokのアメリカへの本格進出は、TikTokを運営するバイトダンス・テクノロジーが2017年12月に約10億ドルで欧米で人気があったモバイル向け動画配信プラットフォームのミュージカリーを買収したのがきっかけ。その後、同アプリを閉鎖しTikTokに統合して今に至る。

中国企業が運営するアプリということで、アメリカよりも日本のほうがTikTok利用は早かったのだけど、上述したようにすでに人気のあった同じようなアプリをアメリカで買収し統合したことで、アメリカでもTikTokは一気に馴染み人気となった。

また、動画にはたいがい音楽をつけることができることで、新たな音楽発掘の場にもなっていたりする。これについては日本でも同様の現象があり、これまでもTikTokで有名になった曲は多数ある。
How TikTok became the music discovery platform for the smartphone generation

そんなTikTok、買収後の2018年や2019年初期頃は、ダンス系動画の他にやたら多かったのが米軍の運動神経能力を生かしたアクロバティク動画。特に陸軍が迷彩柄ユニフォームを着たまま人間離れしたジャンプ力などを見せたり、ユニフォームから普段着、ばっちりメイクでパーティ用のお洒落着などに着替える七変化のような動画などでギャップ萌えを狙ったりなどなどの動画がめちゃくちゃ多かった。はっきりと、これは流行っているなというのを実感するレベルでの多さなのだ。

それが、昨年あたりから中国政府がTikTokのデータにアクセスできることが国家安全保障上で問題視されるようになり、2019年12月には米軍のTikTok利用が全面的に禁止。あれだけあった米軍による動画は一切なくなった。
Army Follows Pentagon Guidance, Bans Chinese-Owned TikTok App

また、保護者の同意なく未成年の個人情報をTikTokが収集したとして訴訟が起きており、2020年にはTikTokは閉鎖されてしまうのでは?なんて噂も出ているほどとなっている。
TikTok’s parent company sued for collecting data on kids
TikTok Accused Of Secretly Storing Biometric Data In Lawsuit

さらにさらに、LGBTQやプラスサイズ(大柄や太めの人)のクリエイターのコンテンツを表示しないようにしているなんて指摘や、新疆ウイグル再教育キャンプについてのTikTok動画を掲載したアメリカ人クリエイターがアカウントをバン(停止)された話、もっと深刻なのは1分以内で注目される動画を作るために過激な撮影や過激な挑戦をして事故に繋がっていることへの懸念などもある。

今後、アメリカでTikTokの存在がどうなっていくのかは、現在起こっている訴訟や米中の政治的な問題も影響すると思われるのでなんとも言えないが、現時点ではTikTokへの警戒心は高まっているようだ。
5 not-so-great things about TikTok

とは言え、まだまだ利用者は多い状況なので、TikTokに動画を上げようとは思わないが、SNS上の流行りを簡単に調べるにはちょうど良かったりする。そんなわけで、久しぶりにTikTokを開けてスワイプしていろいろ見ていたら、最近ではアイフォンの撮影のコツや、SNS用写真のポージングアイデア、モバイル用のプラットフォームという特性を生かした動画などが多めの印象だった。

まず、アイフォン撮影のコツは以下のようなもの。ちなみにPCからでも閲覧可能。
https://vm.tiktok.com/J8eypoH/

自動フォーカスと自動露出を手のひらで固定してスローモーションで花々を撮影するとランダムに映る花にピントが自動で合うようになり、ライティングの感じも自然になる。アイフォンでの写真撮影をする方ならすでにご存知の技だと思うが、スマホで撮影してインスタグラムやツイッターに掲載する人が増えているということで改めてニーズのあるコンテンツなのだろう。

同じく、ニーズがあるのがポージング。階段で撮影する際や旅先、今日のコーディネイトを部屋で撮る際などのポーズの仕方を1分以内の動画で説明してくれる。パッパッパってポーズを変えて見れるので短時間動画のTikTokと相性が良いのだろう。

他には、街行く知らない人に突然話しかけて写真の撮影を依頼してみたシリーズなど。モデルさんでもない素人に声がけして主旨を説明し写真を撮影するのだけど、とてもアーティスティックに撮られていることが多め。例えば以下のようなものなど。
https://vm.tiktok.com/J8eTkxd/
https://vm.tiktok.com/J8egfgC/
https://vm.tiktok.com/J8ectcv/

今後、アメリカでTikTokはどのようになっていくのか不明な点が多いけども、インドではTikTok含む中国企業運営のアプリが利用禁止になったとのことなので、もしかしたらアメリカでも使用禁止になるのかも?

…書いていたら7月7日、ポンペオ米国務長官がTikTok含む中国アプリの利用禁止を検討という報道が!?
インド、「ティックトック」などの中国製アプリを禁止に
U.S. is ‘looking at’ banning TikTok and Chinese social media apps, Pompeo says
そうなると、動画クリエイターたちはYouTubeやインスタグラムに流れていくのか?いろいろ気になるところだ。

image by:Funstock / Shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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