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沖縄でFC琉球の2選手が感染。新型コロナがJリーグに与える影響は?

新型コロナウイルスの感染者数の増加が止まらず、沖縄県は独自に8月15日までとする緊急事態宣言を発出。イベントなどは開催について再考したり、規模縮小が求められました。J2のFC琉球は相前後してチーム内に2人の感染者が確認され、試合開催そのものも危ぶまれますが、12日のホーム甲府戦は無観客で実施すると発表しています。サッカー情報で人気のメルマガ『J3+ (メルマ)』著者のじじさんが、FC琉球の今季の動員などを詳細に伝え、1試合程度の無観客であればクラブ経営への影響少ないと分析しています。

FC琉球の2選手も感染。人口比では沖縄が全国ワースト

J2は8月8日(土)と8月9日(日)に行われる節が節目の10節になる。全日程の1/4弱が消化されることになるが新潟 vs 大宮、磐田 vs 松本山雅、徳島 vs 長崎、福岡 vs 甲府など上位候補同士の直接対決がたくさん組まれている。中でも徳島 vs 長崎が最大の注目カードになる。開幕から9試合負けなしで首位を走る長崎をホームに迎える徳島としては勝って差を縮めたい試合である。現時点での勝ち点差は「7」なので負けると「10差」になる。簡単には逆転できない勝ち点差になるが長崎に勝利できると差は「4」まで縮まる。

9節の岡山戦(A)でようやくの今シーズン初勝利を手にしたFC琉球はアウェイで東京Vと対戦する。連勝して中位グループとの差を縮めたい試合になるが沖縄県の新型コロナの感染者数はここに来て一気に増えている。他のほとんどの都道府県と同様で6月はゼロ人だったが7月末から増え始めて7月26日には6人、27日には18人、28日には21人、29日には49人、31日には71人の感染者が出ている。8月に入ってからも1日が58人、2日が64人、3日が37人、4日が83人となる。最新の8月5日も75人の感染者が判明した。

ここ最近の沖縄は「人口比では全国ワースト」と言われている。47都道府県の中で最も危うい状況になっているが海に囲まれている県なので他の都道府県と比べるとはるかに有利な立ち位置である。感染が拡大している点は残念に感じるが県は、8月4日(火)に沖縄緊急事態宣言を出した。「不要不急の外出自粛」や「県内イベントの中止、延期、規模縮小」が含まれていることを受けてFC琉球は8月12日(水)に予定されているホームの甲府戦(H)を無観客で行うことを発表した。Jリーグに要望を出して要望が受け入れられた。

その次のホーム戦は8月19日(水)の栃木SC戦になる。さらに次のホーム戦は8月29日(土)の山形戦になる。8月4日(火)に出された緊急事態宣言がどの時期に解除されるのか?は全く分からないが「県内でのイベントは中止 or 延期 or 規模を縮小すること」と言われたら従うしかない。再開後のJリーグは7月26日(日)に予定されていた6節の広島 vs 名古屋が新型コロナの影響で延期になったがお客さんを入れた制限試合から無観客試合に移行せざる得ないクラブが多く出てきたとしても全く不思議はない状況になっている。

FC琉球は2人の選手が感染

広島 vs 名古屋の延期に続いてJリーグにとってはショッキングなニュースになるが、7月29日(水)に行われた磐田戦(H)の観衆はわずか766人だった。もちろん、ウイークデーなので土・日と比べるとお客さんはどのクラブも少なくなるが強豪の磐田との試合は本来であればドル箱カードである。コロナが無くて、かつ、土・日開催であれば、今シーズン最多の動員を記録したと思うが、4桁にも届かなかった。開幕から勝ちなし中だったので成績不振も動員が少ない1つの理由だと思うがそれにしても寂しい動員数だった。

FC琉球がお客さんを入れてホーム戦を開催したのはこれまで3試合あるが4節の徳島戦は1,355人、5節の長崎戦は671人だった。昨シーズンの年間の平均動員数は4,953人だったので「5,000人まで」という条件があってもそこまで大きな影響はなかったがこれまでの3試合はいずれも1,000人前後。今、無観客に戻しても財政的な面で大きなマイナスの影響は発生しないと考えられる。それもあって早急にJリーグに無観客試合への移行を申し出ることが出来たと思うがFC琉球のサポーターにとっては残念なニュースになる。

早く事態が収まることを望みたいが8月5日(水)に大卒1年目のDF知念の感染が判明した。詳細はクラブの公式サイトで公表されているが8月1日(土)に行われたアウェイの岡山戦はベンチメンバーとして帯同している。その前日の7月31日(金)の朝にJリーグが実施している公式検査を受けており、8月3日(月)の夜に「新型コロナウイルス陽性の可能性が高いと判定されたこと」がクラブに報告されており、検査結果を受けたのとちょうど同じくらいのタイミングで「微熱(37.1℃)、頭痛、喉の違和感を自覚した」と説明されている。

「公式検査の数値をもとに、医師により新型コロナウイルス陽性と判定された」と記されているが、Jリーグが実施している公式検査によって新型コロナへの感染が判明した例になる。DF宮原やMF渡邉柊などは直近の公式検査は陰性だったのでまた違ったパターンの感染判明になるがクラブは8月4日(火)に改めて選手とスタッフ全員にPCR検査を実施しており、この結果を待っている状態だったが「クラブ内に新型コロナウイルス感染症や風邪の症状を訴える選手・スタッフはおりません」というのは安心材料だった。

8月4日(火)に行われたPCR検査の結果が注目されていたが8月6日(木)にMF茂木駿の感染が判明した。こちらは8月4日(火)までは普通の状態だったが8月5日(水)と8月6日(木)は37℃以上の熱が出ている。「DF知念の濃厚接触者」と判定されているので同じルートで感染した可能性が高い。さらに別の選手(1名)もDF知念の濃厚接触者と判定されているがこの選手は8月4日(火)に行った検査では陰性だったという。ただ、大事を取って「自宅にて健康観察」となった。クラスターとまではいかないが困難な状況になりつつある。

8月5日(水)の朝にリリースされた記事の中には「現在、チームトレーニングを休止しており、全員自宅での待機をいたしております。PCR検査の結果が分かり次第再開を予定しております」と書かれている。8月3日(月)はオフで、その日の夜にDF知念の感染が判明して、8月4日(火)は全員自宅での待機。練習が全くできない状況になった。先週とは違ってミッドウイークに試合が予定されていなかったのは不幸中の幸いと言えるが移動のことを考えると予定通りに東京V戦(A)を戦うのは難しいのでは?とも考えられる。

先週末は大宮と福岡の試合が中止になって、FC東京と鳥栖の試合は鳥栖の帯同メンバーの発熱があったと報じられている。一連の流れに苦言を呈した長谷川健太監督が一部のサポーターから批判を浴びているが「試合を開催するのか?否か?」の判断は相当に難しい。Jリーグとして定期検査を行ったとしても結果が出るまでに数日はかかる。鳥栖のケースのように(コロナが原因ではないと思われる)発熱でさえ、強く警戒される状況になっている。「コロナかもしれない発熱者が出たので中止になる」というのも今後はあり得る。

極めて難しい状況になっており、村井チェアマンを批判する声も出始めているが、不測の事態であることを考えると村井チェアマンなどを批判しても仕方がない。今のルールなども手探りで急いで作ったものなので完璧なものになっているとは到底言えない。「これはおかしいのでこういう風に改善した方がいいのでは?」という意見は各クラブの監督や社長などから出されるべきだと思うが新たな問題が発生したときは、その都度、集まって方向性を決めるしかない。文句だけ言うのは出来る限り避けないといけない。

image by:Jihun Sim / Shutterstock.com

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