コロナ禍の中、特別な「買い物」体験が人々を幸福にする科学的根拠

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新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカ。失業率も依然高く、感染や生活への不安は拭いきれない状況にあります。しかし、だからこそなのか、買い物が悲しみや不安を軽減するという「リテール・セラピー」について取り上げるメディアが増えているようです。ニューヨーク在住『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者のりばてぃさんも、自身のお気に入りのショップを紹介し、特別な買い物体験がもたらす「幸福感」に言及。ある研究では悲しみに抵抗する効果が40倍もあるというリテール・セラピー(小売心理療法)について詳しく伝えています。

コロナ禍だからこそ注目のリテール・セラピー

(1)コロナ禍だから求められる特別な小売体験

冒頭、気になるニュースコーナーで少し重いニュースを取り上げましたが、身近で大きな事件や事故がなくても、感染症のことが気がかりで、なんだかストレスを感じていると言う人はけっこういらっしゃるのではないだろうか。こういうときこそ、特別な体験、そう、気分が良くなる体験が必要だし求められるように思う。

そんなときにぴったりの企画だと感じてここ数日間、ブログでも特集しているのがメイシーズ店内の新感覚小売店ストーリー、「feel good!」編。

2011年12月にミートパッキング地区にオープンしたストーリーは、数ヶ月ごとに店内のテーマに合わせて商品を入れ替え、内装も変えて、しかも雑誌を見るような感覚で商品をみてもらいたいという創業者のレイチェルさんの想いから小売店には珍しく広告スポンサーをつけて話題になった。

その後、2018年にメイシーズに買収され、2019年4月からメイシーズ店内にオープンしていたのだけど、新型コロナの影響で、2月にテーマ設定されていた「feel good!」を継続したままとなっている。でも、これが意外と今求められる商品かもしれないとも感じている。

例えば、星や宇宙関連の品々のコーナーで売られていた「月のお風呂」(Moon Bath)。名前のとおりお風呂に入れるバスソルト商品なのだが、月要素としてはおそらく占星術や月の引力、満ち欠けのサイクルなどを意識した商品らしい。効果のほどはわからないけども、「月の引力がね…」なんて説明されると、無視できない効果があるように感じてしまう。
星の力、月の薬などでfeel good!、火星行きロケットのボーディング・パスの取り方

ちなみに上記記事内で紹介している火星行きロケットの搭乗券は無料で取れるだけでなく、非常にわくわくする企画なのでおすすめ。他にも食べ物が脳に与える影響がわかってきたことで摂り入れる食品を考えようというコーナーは、健康志向なニューヨーカーにはぴったりの企画だし、当然、運動の話にも普及している。
心の健康に良い食べ物でうつ病撃退、ニュートリショナル・サイキアトリー)とは?
コロナ禍の米国で、ますます高まるアクティブウェアやアスレジャー・ファッション人気

コロナ問題がはじまる前の2月に始まった企画なのでストーリー側は意識していなかったと思うが、結果的に今もっとも求められる商品展開や展示をしているように思うがいかがだろうか。

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