高齢化とマンション空き駐車場対策の切り札「ラクロ」が日本を救う訳

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深刻化する高齢ドライバー問題、そしてマンションの空き駐車場問題を同時に解決に導く可能性がある試みがスタートしています。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』でマンション管理士の廣田信子さんが紹介しているのは、空き駐車場に車椅子型のロボットを設置しシェアできるようにするというビジネス。廣田さんは「普及にあたっては新たなルールが必要」としつつも、マンションにとってはプラスになると肯定的な見方を記しています。

高齢化、空き駐車場対策にピッタリのアイデア

こんにちは!廣田信子です。

以前、「こんなのあったらいいのに」…と書いたことが実現したニュースが日経新聞(8/4)に掲載されました。

高齢者が自分で運転できるAI搭載の1人乗りの乗り物が、マンションで手軽にシェアして利用できれば…と思ったのです。それがあると、歩行に困難がある高齢者が1人で移動できる範囲が広がります。

また、高齢の方が、長距離の移動や荷物がある場合に必要だからと、危険だと言われても車や自転車を手放せない状況を、変えることができます。

記事には、ロボット開発スタートアップのZMPが、マンションの空き駐車場などを使ったロボットシェア事業を始める…とあります。高齢者の免許返納などで生じた空き駐車場に車椅子型のロボットを設置し、月1万円程度で入居者がシェアできるようにするというものです。不動産開発・管理会社などに新しいビジネスモデルとして売り込む予定だといいます。

使うのは1人乗りのロボ「ラクロ」。

自動電動車椅子・シニアカー 一人乗りロボ「RakuRo(ラクロ)」

利用者が車椅子のように座ってタブレットで目的地を指定すると自動で走ります。8月にまず東京都内のタワーマンションの駐車場に5台設置し共同で利用できるようにします。高齢者が買い物などの際に車の代わりとして、使うことを想定しています。

マイカーを手放す人が増え、マンションの空き駐車場の活用をどうするかは、管理組合にとって頭が痛い問題でした。カーシェアリングとして活用は、新型コロナウィルスの感染拡大で、需要が伸び悩んでします(その都度、車内の徹底消毒をするのは困難ですから…)。

空き駐車場の新たな活用方法として一人乗りのロボットカーは、とても有効だと思います。今後は、空港や動物園、ショッピングセンター等でも、ロボットカーの導入が進むでしょう。

問題は、自宅マンションから出かけた先のスーパー、病院、公共施設等で、ロボットカーの駐車スぺ─スをどう確保するかです。歩道に置いたら、邪魔だと問題になりそうです。車イスのように施設内に入っていいのかについても、ルールが必要になるでしょうから、地域の中での理解が不可欠です。

始まったばかりの試みですが、地域と連携しながら導入が進めば高齢者対策、空き駐車場の有効利用の両面から、マンションにとってプラスになると思います。

「ラクロ」は、その状況によって、顔の部分の表情が変わって周囲とコミュニケーションができて「かわいい」です。「ラクロ」は、街の中でも、子供たちの人気者になりそうです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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