“菅総理”リーク情報と13年前のウソ。自分の歴史まで修正する安倍の虚言癖

 

「その後、幸い、新しい薬が効いて、体調が万全となり、そして国民の皆様からご支持をいただき、再び総理大臣の重責を担うこととなりました。この8年近くの間、しっかりと持病をコントロールしながら、何ら支障なく総理大臣の仕事に毎日全力投球することができました」

はぁ?「毎日全力投球することができました」って、何の冗談なのでしょうか?8月24日の会見でも「日々全身全霊を傾けてまいりました」などと言っていましたが、8年近くもの間、日々全身全霊を傾け、毎日全力投球して来たと言うのであれば、その結果、安倍首相はいったい何を成し遂げたと言うのでしょうか?安倍首相自身、ことあるごとに「政治は結果だ」と言って来ましたが、今回の会見で自身の政治的成果について、どのように述べたのか見てみましょう。

「この7年8カ月、様々な課題にチャレンジしてまいりました。残された課題も残念ながら多々ありますが、同時に、様々な課題に挑戦する中で、達成できたこと、実践できたこともあります」

今回、安倍首相はこのように述べましたが、その「達成できたこと」や「実践できたこと」について、具体的にはまったく触れませんでした。自画自賛が大好きな安倍首相ですから、もしも誰もが納得できる成果を挙げていたのなら、こちらから聞かなくてもペラペラと連呼していたでしょう。結局のところ、これと言った成果など何ひとつ挙げられなかったので、具体的に言うことができなかったのです。

「拉致問題をこの手で解決できなかったことは、痛恨の極みであります。ロシアとの平和条約、また、憲法改正、志半ばで職を去ることは、断腸の思いであります」

またまた出ました「痛恨の極み」と「断腸の思い」、この人が使うと白々しく聞こえる不思議な呪文ですね。こうした言葉は、普通、生涯に一度か二度しか使わない言葉ですが、安倍首相は今年だけでも「断腸の思い」を四度も使っています。本当に「口先だけの人物」「言葉が軽い人物」だということがよく分かりますね。それに、以前も指摘しましたが、これらの言葉は安倍首相が使うべき言葉ではありません。

拉致問題にしても北方領土問題にしても、第1次政権も入れると9年近く「やってるふり」をするだけで実際には何もせず、1ミリも前に進められなかったどころか大きく後退させた安倍首相。拉致問題と北方領土問題に関して「痛恨の極み」「断腸の思い」と言ってよいのは、それぞれの問題の被害者たちであって、安倍首相は本来「言われる側」なのです。

ま、それはさておき、先ほどの「具体来な成果」についてですが、これは質疑応答の中で、読売新聞の記者の質問に対して、次のように答えています。

「総理は結果を出すことに全身全霊を挙げて来ましたが、在任中に成し遂げて来たことの中で、ご自身の政権のレガシーだと思われるものは何でしょうか?」

「レガシーというお尋ねでございますが、これはまさに国民の皆様がご判断いただくのかなと。また歴史が判断してくれるのかと思いますが、7年8カ月前、政権が発足した際には、まず『東北の復興なくして日本の再生なし』『東北の復興に全力をあげる』ということで取り組んでまいりました。また、経済においては働きたい人が働くことができる、働く場を作る、それを大きな政策課題として掲げて、20年続いたデフレに三本の矢で挑み、400万人を超える雇用を作り出すことができました。成長の果実を生かしまして、保育の拡充、また、幼児教育・保育の無償化等を行いました。高等教育の無償化も含めてですね。そして働き方改革や一億総活躍社会に向けて大きく一歩踏み出すことができたと思っております」

まず、「東北の復興に取り組んで来た」というのは「成し遂げたこと」でもなければ「レガシー」でもありませんよね。未だに4万人を超える避難者がいて、福島第1原発の放射能汚染水は今も太平洋に流出し続けているのですから、「東北の復興」は完全に「途中で丸投げ」ということです。

また「400万人を超える雇用を作り出すことができました」というのは、一応は「成果」かもしれませんが、その中身はと言えば、正規雇用を減らして非正規雇用を大量に増やしただけです。都市部での「ネットカフェ難民」を急増させた原因でもあり、こんなものを喜んでいるのは、人材派遣大手「パソナ」の会長の竹中平蔵氏くらいでしょう。

幼児教育・保育の無償化についても、子育て世帯に限定した世論調査では「(無償化より)待機児童の解消を優先すべき」と「(無償化より)保育士の賃金アップや労働環境の改善を優先すべき」が過半数を超えています。安倍首相は政権発足直後の2013年に「2017年までの待機児童ゼロ」を公約に掲げましたが、まったく改善されないまま2017年が迫って来たら、急に「2020年まで」と3年も先送りしました。そして、今は2020年ですが、まだ待機児童は何万人もいます。幼児教育・保育の無償化も重要な政策だと思いますが、まずは保育園に行きたくても行けない待機児童を何とかするのが先ではないでしょうか?

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