“菅総理”リーク情報と13年前のウソ。自分の歴史まで修正する安倍の虚言癖

 

そして、最後の「働き方改革や一億総活躍社会に向けて大きく一歩踏み出すことができたと思っております」というのも、単なる自画自賛の自己満足であって、とても「成し遂げたこと」とは言えませんよね。8年近くも政権の座にいながら、こんなことくらいしか自慢できないなんて、やはり安倍首相は無能で無策だったのですね…と思っていたら、この後、とんでもないことを言い出しました。

「また、外交、安全保障におきましては、集団的自衛権にかかる安全法制の制定をいたしました。助け合うことができる同盟は、強固なものとなったと思います。米国の大統領の広島訪問がその中で実現できたのでございますが、こうした日米同盟を基軸として地球儀を俯瞰する外交を展開する中において、例えばTPP、あるいはEUのEPA、日米の貿易交渉もそうですが日本が中心となって自由で公正な経済圏を作り出すことができたと思っております」

国会での審議も経ずに閣議決定だけで憲法解釈を180度変え、自衛隊を戦闘地域へ派遣して既成事実づくりをし、そこから戦争に参加するめの悪法を強行採決。こんなものを自慢するなんて、開いた口がふさがりません。挙句の果てには、オバマ大統領の広島訪問がこの悪法のお陰だなんて、支離滅裂にもホドがあります。

また、安倍首相はTPPやEPAを「成果」として挙げた一方で、トランプ大統領に完全に押し切られてしまった日米二国間FTAについては触れもしませんでした。日米二国間FTAが締結した時、トランプ大統領は「アメリカの大勝利だ!」とツイートしましたが、安倍首相は「ウィンウィンだ」と強弁しました。「ウィンウィンだ」が事実なら、TPPとEPAだけでなく日米二国間FTAも「成果」として挙げればいいじゃないですか?

…そんなわけで、あまり細かくツッコミを入れていると長くなり過ぎてしまうので、大幅に端折って、最後に西日本新聞の女性記者と安倍首相のやり取りを取り上げます。

「歴代最長の政権の中で、多くの成果を残された一方で、森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会の問題など国民から厳しい批判に晒されたこともあったと思います。コロナ対策でも、政権に対する批判が厳しいと感じられることも多かったと思うんですが、こうしたことに共通するのは、政権の私物化という批判ではないかと思います。こうした指摘は、国民側の誤解なんでしょうか?それについて、総理がどう考えられるのか、これまでご自身が振り返って、もし反省すべき点があったとしたら、それを教えて下さい」

「政権の私物化はですね、あってはならないことでありますし、私は政権を私物化したというつもりはまったくありませんし、私物化もしておりません。まさに国家国民のために全力を尽くして来たつもりでございます。その中で、様々なご批判もいただきました。ご説明もさせていただきました。その説明ぶりについてはですね、反省するべき点もあるかもしれないし、そういう誤解を受けたのであれば、そのことについても反省しないといけないと思いますが、私物化したことはないということは、申し上げたいと思います」

これは会見の映像を文字起こししたものなので、安倍首相は一字一句、この通りに発言しています。言っちゃ悪いと思いますが、この人、どうしてこんなに日本語がおかしいのでしょうか?「私は政権を私物化したというつもりはまったくありませんし、私物化もしておりません」って、あまりにもバカすぎます。

ところで、先ほど紹介した読売新聞の記者の質問に対する安倍首相の答弁の冒頭部分を読み直してみてください。これまでの成果の中のレガシーを問われた安倍首相は「レガシーというお尋ねでございますが、これはまさに国民の皆様がご判断いただくのかなと。また歴史が判断してくれるのかと思いますが…」と述べています。

そう、政治家に対する評価は、プラスの評価でもマイナスの評価でも、本人が決めることではなく、あたしたち国民が決めること、後から歴史が決めることなのです。それなのに、国民からの「政治の私物化」という批判について質問された安倍首相は、ムッとした表情で「私は政権を私物化したというつもりはまったくありませんし、私物化もしておりません」と述べたのです。

森友学園問題にしても、加計学園問題にしも、桜を見る会問題にしても、どこからどう見ても「政治の私物化」以外の何ものでもありません。それなのに、よくもまあヌケヌケとこんな言い訳ができたものです。さらには、自分は「国家国民のために全力を尽くして来た」などと言い切り、「政治の私物化だ!」という国民の批判を「誤解」だと抜かしたのです。厚顔無恥とはこのことです。

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