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インスタライブで「モノを売る」技術。リアル接客でも使える断言の効用

リアル店舗で商品を買おうか否か迷っている際、決め手となってくるのは販売員さんの言葉。そんな時に、お勧めなのかそうでないのか言葉を濁すような接客をされると、買う気も半減してしまうものですよね。では、どんな接客が正解なのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、知り合いのインスタライブを見て気づいた「言い切る提案」を紹介しています。

言い切るという提案

私の友人の一人がアパレルセレクトショップを経営していまして、先日その店のインスタライブがあったので視聴していました。オリジナルで製作したTシャツについてのインスタライブだったのですが、良い商品だっただけに、ついつい私も欲しくなってしまいました。ライブ中の様子を見ていると、続々と視聴者(お客様)からの注文が入っている様子で、結果も予想以上の注文になったということです(何よりです)。

さて、そのライブの中で、注文につながった要因の一つと思われることがありました。それは、視聴者からのサイズに関する質問についての回答です。「168cm65kgだったらサイズはどれですか?」というような質問がバンバン飛んできていたのですが、その友人は、それぞれのサイズを見て、「それならM」「それならL」と間をおかずスパッと答えていたのですね。

途中、微妙なサイズの場合でも、「僕が着ているみたいにゆったり着たいならL」「Mでいいけど、ゆったり感は出ない」といったことを明確に答えていました。実は私も購入しようかと思っていたのですが、サイズがどのくらいが良いかわからずに、「Lかなー?」と聞いていたら、「絶対M!」と答えてくれていました。

これの何が注文につながることなのかと言うと、言葉に対する信頼です。サイズを聞いてパッと答えていく様子。そしてその言い方。これらの雰囲気を見ていると、明らかにプロの目で答えてくれている感が伝わってきて、ものすごい説得力を感じてしまうのですね。インスタライブなどは、視聴者自体も興味のある人しか見てはくれないので、よりその雰囲気を感じてしまって購入(注文)に繋がっているようでした。

ただ、なぜそんなことができていたかをよくよく考えてみると、一番の理由は、「言い切っていたこと」ではないかと思います。販売員というのは、基本的にリスクを避けます。それはクレームが怖いし、言った言わないの水掛け論になることを避けたいとか、いろんな理由があるからです。

確かにそれは非常に怖いことなので、避けたくなる気持ちもわかります。「あなたならこれです」とはっきりと言い切ってくれる人というのは、今の世の中そう多くはありません。でもだからこそ、断言ができる人、言い切れる人というのはお客様からするとありがたい存在なわけです。

販売員に自分に合う商品を聞いていて、「お客様なら多分これが良いと思いますよ」「そうですね、おそらくこちらが良いですが、お客様のお好みもありますからはっきりと断言はできないですね…」のように、なんとなく濁した言葉で提案をされることがあります。後々のクレームを避けたいという気持ちは十分にわかるのですが、お客様的には、やっぱりはっきりしないだけに不安が残ってしまう提案になるのです。だから、購入する時にも迷いが出るし、買った後にも「本当に良かったのかな」と不安は残り続けます。

しかし、そこをあえてはっきりと明言して、「あなたならこれ!間違いない!」と言い切ることができたら、お客様の不安はかなり軽減します。もちろん、それ相応の信頼が築けているという前提のもとにではありますが、顧客だけではなく、新規のお客様でも言える時は結構あるのです。何なら提案をする際には、自分が責任を負うというくらいのことまで言っても良いとさえ私は思っています(現に書籍にもそういう話を書きました)。

リスクが発生することではあるので、誰にでもお勧めしたい方法ではありません。しかし、本当に商品知識を持っていて、本当にプロとして自信があるのであれば、時にこうした「言い切る提案」というものも活用していくべきでしょう。それがお客様のためになることも多いですし、ちゃんと裏打ちされた実力があるなら、ファンを増やすことにもつながります。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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