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なぜ40代で自殺率が急増する?「人生が詰まない」科学的なお金の使い方

巷に山ほどあふれている、投資やお金の使い方に関する情報。確かに納得できる部分もあるものの、実践できるかというとなかなかそうも行かないという方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者のくられさんが、誰でも簡単にできる、「投資」と「消費」を意識し悲惨な人生を回避するお金の使い方をレクチャーしています。

お金の使い方

今回は科学の話ではなく、ただのお金の使い方についての話となります。

よくお金の使い方みたいな本とか、わけわからん啓発セミナーまがいの講演会とかありますが、そんな難しいことじゃなくて、お金には投資的な側面と消費的な側面の2つがあって、この2のつ面をちゃんと考えてお金を使った方がいいよ…という話です。

極端な例であれば、習い事の費用とタバコやお酒の費用の差です。

習い事というのは、お金を払って自分に技術を残すことで「自分のスキルが上がる」ということですね。もっと言い換えれば「自分の価値を上げる」お金の使い方になります。

一方で、酒やタバコは基本的に「価値を上げる」側面は、タバコの銘柄に詳しくなるとか、酒のウンチクが詳しくなることで…みたいな面はなくもないですが、基本的に健康にはプラスにはならず、「自分の価値が変わらない、ないしは下がる」という側面が大きいでしょう。

もちろんそれが悪いわけではなく、パーっと大騒ぎして飲み会で騒いでストレスを解消するのは悪いことではないですし、高い車や腕時計を自己顕示欲のために買ったりするのもまったく悪いことではありません。そういう一見無駄に見える消費がないとこの世界の経済が回らないからです。

なのでどちらが良い悪い…ではなく、収入に対してこの配分が間違っていると「よくない」よね…という程度の話なのですが、この配分を間違うと10年20年かけて人生がヤバいことになります。

例えば、収入が低いのに、酒タバコ代がその少ない収入の何割も占めている場合。

だいたいそういう人に話を聞くと、それ以外の楽しみがないんだから、そういう楽しみを奪われてたまるか…という話になります。短期的にはそれも正論です。その人が納得してるならそれもまたよし。

ただ人間は無限に生きてるわけでもないですし、無限に健康でもなく、無限に同じ仕事ができるわけでもない、ゆっくりとした流動的環境にいるということを考えると完全な悪手です。

このゆっくりとした流動的な世界、例えば気がつけば携帯電話が今で言うガラケーからスマホが普通になっているように、気がつけばガラっと変わるのです。

当たり前ですが毎年人間は年を取るわけで、20歳以降は老化していくのです。30代ではみんなあまり変わりませんが、40代50代になると、自分に対してちゃんとしてるかどうかが見た目にまで現れます。

そうして若い頃のノリで時代の変化を認めず年を取っていくと、気がつけば体はボロボロ、スキルもなければ仕事もない、それでもなんとか当面しのぐ程度の仕事をして…とやっていると、50代60代で本格的に詰み始める。

平成30年中における自殺の状況(PDFファイル)

平成30年の自殺統計データを見ても、40代以降の男性から急激に自殺率が高くなる傾向があるように、マジで詰む人がやっぱり多い。ようするにニッチもサッチもいかなくなったオッサンはニュースにもならずひっそりと人生を自分で終えているわけです。

なので、社会に出ると自分のスキルを上げていくのは自己責任となるので、その辺の大事さを記していこうかとおもいます。

というわけでお金の使い方の続きです。

自分の収入に対してその使い方には投資と消費があって消費の割合が高いと自分に何も残らないので、それを続けるとヤベーよ…っていう余計なお世話話の続きです。

消費と投資。

まずこの2つを自分の中でどちらの比重なのかをぼんやり考えることが大事かと思います。

ここで大事なのは自分に対して言い訳をしないことです。

なんの予定もないのに漠然と自分はアイドルになるから、カラオケにいくのは投資…そんなのはいくらでも言い訳として出来ます。

ブランドの価格帯に敏感でありたいからブランドバッグを買いあさる…でもまぁそれは大半は消費ですよね?じゃあ化粧品は?自分で線引きが難しいものもありますし、それは金額が大きくなければ(収益に対して小さければ)気にしなくても良いと思います。

素直にこれはこういうスキルになるから投資、これはとにかく楽しいから推しだから…消費、まずは自分に言い訳をせずにこれは消費/これは投資みたいな、そういう区別をざっくりとでも考えるのが大事です。

もちろん厳密に割り切れないことも多々あります。例えば、水泳は別にそうした職業にはつかないけど、体力維持という意味では投資と消費が半々だな…このグッズは学校で友達と話題共有だから短期的には投資…でもぶっちゃけ消費…みたいな感じ。

それでも、自分なりにそれが消費なのか投資なのかを考えておくと、そういう考え方のクセがつきます。これが一番大事なので、これを意識するようにすれば、自ずとバランスは良い感じになるものです。逆に投資一辺倒な人は息抜きができてないわけで、それはそれで健全とは言いがたい感じだったりします。

その上で、収入に応じて、生活がカツカツのときは消費は控えて、余裕がでてきたら投資に回す…という基本的な考え方でこれ以上でも以下でもなし…でしょう。

投資は収益の何%で押さえてリスクヘッジとして云々…みたいなのは自己啓発系のインチキ臭い本やらセミナーで言われてる話ですが、そんなもんまともに出来る人はいません。セミナー講師でさえまともに出来てないので安心しましょう。

んじゃ、どういう投資がいいの?って話も出てくるでしょうが、これまた不明です。自分が何をしたいのか…をまず考えた上で、そこに向かうためのステップとして細かく道を考えれば、なんとなくそこに必要なスキルや道具が見えてくる…そこにお金を使って頑張って使いこなすことが投資です。

また、自分のまわりの人にお金を使って、仕事を作ることが廻って投資となって、帰ってくることもありますし、そのまま無駄になることもあります。投資は必ずしも帰ってくるものではないという意味でも投資は投資である程度はギャンブルなのです。

ただしギャンブルと違うのは投資はあちこち考えて未来のリスクを減らしていくことができるからです。一発一局に全てを掛けるみたいな愚かな選択肢をしないことが投資で、何も考えずに運否天賦で逆転を狙うのがギャンブル。ギャンブルはイカサマでもできない限りやるものじゃないでしょう。

典型的なのが宝くじとか。お金がないウチは完全な無駄金で、そこで得られるものはありません。

1億円当たるかも…って?中学校程度の計算で宝くじは完全な損をとる買い物なのは分かるはずなのですが、それでも買う買わないで確率が…という人は1枚だけ買えばよいのです。100枚も1,000枚も、ゼロに近似して期待値が赤字の時点で1枚だけ買って「0ではない」と納得すれば良いのです。

昔から、宝くじは愚者に課せられた税金と揶揄した言葉がありますが、あながち間違ってないでしょう。

あと人生全体を通してチャンスはあっても一発逆転というのはなかなかありません。他人を見ているとそういう運に恵まれた人がいるように思えますが、それは細かな投資が実を結んだだけです。

その人がいろいろなものを積み上げて、その上で世の中の需要と供給のじゃんけんの上で、大きめに勝つことが「運否天賦に恵まれて」見えるだけで、それらは細かい努力(もしくはたぐいまれな才能)の積み重ねなのです。

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image by: Shutterstock.com

くられこの著者の記事一覧

シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

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【著者】 くられ 【発行周期】 週刊

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