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韓国「玉ねぎ男」後任のチュミエ法相も不正まみれ、3つの疑惑が発覚

文在寅大統領の最側近として入閣したチョ・グク法相が、数々の疑惑発覚により辞任に追い込まれたのは記憶に新しいところですが、その後任大臣も同じような窮地に立たされているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、現地で報じられている秋美愛法相を巡る3つの疑惑を紹介。さらに権力を背景に悪事を働く新旧の法相を「人間のクズ」と厳しく批判しています。

秋美愛疑惑

今韓国では、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の子どもをめぐる特別恵沢(以下、特恵)疑惑が絶えない。秋長官は1985年にソ・ソンファン氏と結婚し、一男二女がいる。一人息子が軍隊服務時代に休暇関連の特恵を受けたという問題提起に続き、長女に対して(政治の)後援金使用と次女のフランスビザ関連疑惑も提起されている。

秋長官の三人の子ども全てに特恵問題が出ていることに関し、「公正」を重視する20代・30代など青年層が憤怒が隠せない状況だ。以下に朝鮮日報を土台にそれぞれの疑惑をまとめてみる。

1.一人息子の軍休暇特恵疑惑

秋長官の息子ソ・ジェフィ氏(ダンナがソ氏だから子供の苗字もソ氏となる)はKATUSA(カチューシャ=在韓米軍に配属された韓国軍)に服務していた2017年6月、23日間、部隊復帰なしで休暇を取り続けた。ソ・ジェフィ氏が軍病院の療養審査を受けず、部隊復帰なしに休暇を延長したことについて、「まったくもって正常でない特恵だった」という疑問が絶えない。またこの過程で秋長官夫妻とともに、秋氏が民主党代表時代にその補佐官が介入して請託したのではないかという疑惑も起こっている。

2.長女の運営する食堂で秋長官が政治後援金250万ウォンを使用

こうした中、17日には秋美愛長官が第19代国会議員だった当時(2014-2015年)、長女が経営していた洋食レストランで政治後援金として数百万ウォンを使っていたことが明らかになった。「国民の力」の趙守珍(チョ・スジン)議員室によると、秋長官は14年から約1年間で21回訪問し約250万ウォンを使ったことが分かった。支出形態は主に「政策懇談会」などと記録したが、休日にも5回使用していたことが分かっている。

秋長官の長女は2014年10月、ソウルの梨泰院(イテウォン)に手作りミートボールなど、米国の家庭料理を扱う洋食レストランをオープンして経営した。この食堂はケーブル放送の有名なグルメを紹介する番組にも登場した。1年後の2015年11月に廃業している。

政治資金規正法によると、後援金は個人的な家計の支援または補助の用途に使用できないことになっている。これに違反した場合、2年以下の懲役または400万ウォン以下の罰金に処せられる。しかし最後の使用時点から5年が経ち公訴時効は満了した状態だ。

3.次女のフランス留学ビザの迅速発給疑惑

2017年には当時、秋美愛議員室で補佐官として勤務したA氏が、秋長官の次女のフランス留学ビザと関連して外交部に請託したという疑惑も持ち上がっている。A氏はメディアとのインタビューで、「(秋長官の娘が)留学に行かなければならないが申請がおくれ入学の日は迫っていたので、早く処理するよう指示を受けたことがある」と語った。

その後、A氏は当時国会に派遣されていた外交部協力官にビザを早く出してほしいと要請し、フランス駐在韓国大使館の職員が電話をかけてきて状況説明もしたという。外交部は「現在、請託がどのように解決したかなど真相を把握している」と語った。

このように秋長官の3人の子どもすべてが特恵問題に汚染されていることに対して20-30世代が憤りを抑えきれずにいる。秋長官夫妻が息子のために国防部に直接嘆願した情況が、昨年のチョ・グク前法務長官の子どもの入試不正疑惑を想起させる。チョ・グク元長官は2012年、ツイッターで、「重要なのは竜になって雲の上を飛翔しなくても、小川でフナ・カエル・ザリガニとして生きるのも幸せな世の中を作ることだ。空の雲を見ながら血をみる競争などせずとも、きれいで暖かい小川を作ることに力を注ごう!」とツイートしていた。

この意味は、チョグクの子どもは「竜」となって雲の上を飛翔しているが、庶民のお前たちは、そんな「竜」を夢見ることなく「フナ、カエル、ザリガニ」として生きるのもわるいことじゃないんじゃないか。そういう下層の存在も世の中には必要な存在だ。その分に応じて生きればいい(庶民をばかにしたマインド)。

検察改革を唱えた両法務長官が、韓国社会で最も敏感な領域である兵役と教育問題で不公正を日常的に行っていたという点が相次いで明らかになり、若者たちの鬱憤がめらめらと燃え上がっている現在だ。チョ・グクはソウル大学の法学部の教授であり、秋美愛は判事だった人間だ。世間では「ご立派」なこういう人間が、実は裏では権力を背景に悪の数々を行っていたわけで、人間のくずとしか言いようがない。子どもを愛する気持ちはわかるが、権力をかさに着て思うがままにやり放題というのは、いかがなものか。

政治畑での話題は秋美愛の子息問題一色だが、コロナ問題も日々深刻だ。きょうは153人の増加と出てい、毎日100人を超す増加が続いている。9月30日からはじまる秋夕(チュソク=日本のお盆に大体相当する)連休では例年だったら故郷に帰る帰省客が車400万台にも500万台にも達するほどだが、今年は政府が「帰省自粛」を毎日叫んでいる。コロナ禍を克服するために、今年のチュソクだけは帰省せずに家でゆっくり休んでほしいと。人々は故郷には行かないのも多いみたいだが、済州島には行くみたいで、すでに済州島の飛行機のチケットやホテルの予約は満タンのようだ。これで防疫ができるのか。

秋夕明けの10月5日、6日あたりのコロナ感染発表が気になるところだ。ガバと増えているか、数十人台に落ちているのか。落ちていれば、秋のコロナ禍は韓国ではある程度収束してゆくだろうけれど。どうだろうか…。

image by: 秋美愛 - Home | Facebook

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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