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SNSの匿名性を利用して誹謗中傷する卑怯者たちの呆れた思考回路

昨今、有名人がSNS上での誹謗中傷によって命を落とすニュースが続いています。多くのメディアで「匿名」というモノの是非について議論が交わされてきましたが、ネットの世界に「匿名」など存在するのでしょうか? 自身も誹謗中傷を受けたことがあるという無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』著者の佐藤しょーおんさんは、ネット上の「匿名性」の問題と「アンチへの対処」について語っています。

SNSと匿名性を考える

少し前の話ですが、とある女子プロレスの方がSNSで誹謗中傷されたのが原因で自殺したというニュースがありましたよね。あの件は、その後、家人とも色々議論をしたんですが、今の時代を象徴したイヤなニュースでした。

私たちもネットやSNSが日常に深く入りこんでいる生活をしていますから、全く他人事ではないので、なんでこんな事件が起こったのかを考えてみたんですよ。私もこのメールマガジンの読者が6万人を超えていますから、似たようなことを何度も体験しているんですね。似たようなというのは、誹謗中傷というか、メルマガのコンテンツについての文句、異論、反論、攻撃、罵り、冷笑という反応です。

こんなのは無視していれば良いんですが、昔は分からなかったのでつい相手をしたというか、返信をしたりしたんですよ。そうしたらメチャメチャ絡んで来るんです。最終的にはそのアドレスをISP側でブロックすることになったんですが、その手の人が過去に20名くらいいます。

ですから最初にリアルセミナーをやろうと考えた時に、結構この問題を心配したんです。つまりたかがメールのやりとりでこうなるということから、リアルで会ってセミナーをしたら、相手が激高してヒドイ目に遭うみたいなことは無いのかな?と考えたわけです。で、恐る恐るやってみたんですが、約10年間でそのような目に遭ったことは一度もありません。

この違いはどこにあるのかな?と考えてみて、思い当たったのが「バーチャル空間と匿名」による自意識の希薄化なんですね。

SNSはネットの産物ですから、そこにリアルはないわけです。場所を問わずどこからでもそこに入れるということは、メリットではあるんですがあくまでも仮想空間内でのイベントなんですね。ここにツイッターのような匿名性が付加されると、自分という存在を完全に秘匿できたという感覚が立ち上がるんでしょう。ネットで誹謗中傷をやって、IPアドレスから身元が割り出されて損害賠償請求をされた多くの人が、

 ■ まさか自分だとバレるとは思わなかった

と言うのですが、仮想空間で起こったことで、リアルにその場にいない(そんな場は存在しないのが仮想空間ですが)、おまけに匿名でやっていたら、自分が書き込みをしたとはお釈迦様でも気付くまいって気持ちになるんでしょう。

そしてそんな感覚を持ちながら他者への誹謗中傷、攻撃をしていると、リアル世界での自分とは別の自分が、つまりバーチャル空間だけで生きている別人格のもうひとりの自分が作られてくるんです。この状態をなんて呼ぶかなと考えて作った言葉が「自意識の希薄化」という表現です。

この世界では、自分という存在が、現世の日常からは完全に切り離されて、異次元のバーチャル空間だけに存在しています。そこは別世界なのですから、どんな発言をしても構わないわけで、それが現世の日常に影響を及ぼすことなどないのだ、という錯覚がこの仮想空間にいればいるほど強くなっていきます。

その感覚の中で、自分の考えや価値観と異なる発言をしている人を見つけてしまうと、ムラムラと攻撃精神が立ち上がるですね。それが著名人で、自分よりも豊かで満ち足りた生活をしていると、嫉妬心とやっかみが付加され、いくらでも叩きたい放題の吐け口を見つけたと感じてしまうのでしょう。そんな存在が自分に攻撃をして来ないと分かったら、最初はおっかなびっくりだったのが、段々とエスカレートしてくる、そこに自分以外の人が参戦して来たらますます調子に乗ってしまうのでしょう。

そういう存在を「アンチ」と呼びますが、その人たちが何を考えているのか、その生態は、

はあちゅう、意を決して攻撃的アンチと直接対話

を読むと分かります。ここまで来ると完全に病気だと思うんですが、このアンチの人たちはターゲットを攻撃中に、自分のリアルな姿を完全に忘れているんですよ。攻撃中は、バーチャルの世界だけがそこに存在して、それがリアル世界に影響を与えるとは思っていないんですね。

アカウント名に注意しよう

アンチとして振る舞う人たちは、リアル世界とバーチャル世界が完全に別なモノだと勘違いしているよねという話をしています。

なぜかというと、ひとつはリアルにそこに相手がいないからです。誰だって相手を目の前にした状態で、誹謗中傷はできませんよ。私がリアルのセミナーで罵られたことがないのも、目の前に私という人間が立っているからです。オトナは面と向かってバカ、カス、死ねって言えませんよ、チンピラじゃないんだから。しかしネットの世界はバーチャルですから、罵った相手がその場で殴り返してくるとか、目の前で反論してくることはないんです。だから何でも言えちゃうわけです。

もうひとつの理由は、実名が晒されていないことによって、自分という存在が秘匿されているように感じるからです。

私のところに来るメールでこの手のことを書いてくる人のアカウント名やメールアドレスって、ほぼ全員が実名が分からないような表示になっています。taroyamada@~ みたいな名前が推察できるようなアカウントからは来ないんですね。やっぱりどこかにリアルを背負っているというか、リアルとの関係性が残っていますから、素の自分が残っているんですね。そうすると誰しもリアル世界では常識がありますから、口汚いことは言えないようにしようと思うわけです(かつて一度だけ、会社のメールアドレスからそのようなメールが送られて来たことがあってビックリしました。なんせ内線番号やら部署名までフッターに書かれているんですから)。

ツイッターなどで使われる匿名アカウントや、捨てアカと言われるいつでもすぐに放棄できるアカウントではそれが顕著で、

 ▼ どうせバレやしない
 ▼ 相手はこちらのことを知ることはない
 ▼ みんなもやっている
 ▼ こちらの身元を調べるわけがない

と考えてしまうんでしょう。

私のツイッターアカウントにも、そんな人たちから質問やコメントが飛んで来るんですけど、アカウント名から誰かが推測できないと、

 ● ちょっと待て、あなたはどこの誰なのだ?

って思うわけです。だいたい気持ち悪いでしょ。どこの誰だか分からない状態で、アカウント名が「アブラカタブラ」とかになっていたら、回答する気になりませんよね。リアルで会って、挨拶をする時にこんな感じの名前を名乗ったら、まともな人は逃げますよね。それと同じことがバーチャルの世界では通用しないんです。これはみなさんの感覚が麻痺しているからです。リアルとの繋がりがないと考えているからですよ。

ところがバーチャル世界だけを切り離すことなんてできないんですよ。ネットの世界で好きなだけ暴論を吐いて、他者を攻撃して、そのまま逃げ切れるなんてことはないんです。こうやって死ぬ人までが出て来たわけですから、これからはさらに厳しくなって来るはずなんです。理性ではそれは分かっているはずなのに、バーチャルの世界はリアルと切り離されていると感じる理由はなんでしょうか?

その答えは匿名性にあると考えています。ネットの世界に於ける攻撃性とかアンチの存在って、匿名性によって作られているんです。同じSNSでも実名がメインになっているFacebookでは、このような攻撃はほとんどありませんから(基本データに出身校や勤務先の名前が書いてあったら、そんなことはできませんよね)。

ですから私は、ツイッターではこの人が誰だかリアル世界で認識できる人か、アカウント名がフルネームになっている人以外からのメンションは全部無視するようにしています。下手に反応して彼らがリアルのアンチになったら気持ち悪いですから。で、そういう人に不幸にして出会ってしまったら、ブロックをするのではなくミュートをするのです。ブロックをするとその人は私からの情報が遮断されるため、ブロックされたことが分かります。これがまたアンチを激怒させることになるんです。

ところがミュートは私へのコメントが私に届かなくなるだけで、こちらから発信した情報は以前と同じく相手に届くんですね。おまけに自分がミュートされたかどうかは分からない仕様になっています。

ミュートについての詳細はこちら 

ネットの世界でインフルエンサーと呼ばれる人たちの多くは、実名でSNSをやっています。私もツイッターは「佐藤しょ~おん」とそのままのアカウント名にしています。自分の発言に責任を持つためには、この姿勢が大事だと思うんですよ。特に会ったこともない人に、バーチャルの世界で絡むのなら、名前くらいちゃんと晒すのは当たり前だと思うんですよね。で、そういう人はやはり他者を攻撃したり、アンチになって絡んだりしないんですね。

ですからSNSをやっている人は、今一度、自分のアカウント名がどうなっているかを確認した方が良いですよ。これが自分にとっての歯止めになる可能性もあるんですから。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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