翻って、日本ではどこまで、デジタル社会へのスムーズな移行が可能かを思うと、ため息が出てしまう。
世界最先端デジタル国家創造宣言の名のもとに今年2月にまとめられた「官民データ活用推進基本計画」にはこう書かれている。
関係府省庁は、マイナンバー制度及び国地方を通じたデジタル基盤の構築に向け、地方自治体の業務システムの早急な統一・標準化を含め、抜本的な改善を図るため、年内に工程を具体化するとともに、できるものから実行に移していく。
これは安倍政権のころに作成されたものだ。菅政権ではデジタル庁をつくり、より推進力を高めていくということなのだろう。しかしそのためには、先述したごとく、乗り越えなくてはならない壁がいくつもある。
まずなにより、政権への信頼が地に堕ちている。いくら素晴らしいシステムを開発しようとも、情報公開すらまともにできないのでは、国民に安心せよと言っても、無理なこと。
まずは、モリ・カケ・サクラなどあらゆる疑惑に正面から向き合い、フェアに調査し直す必要がある。全ての資料を出すことによって、国民に隠し事をしない政府の姿を示すべきである。
ただし、業界団体、政治家の既得権、天下りの省益など、もろもろのしがらみに対する破壊力を、果たして平井卓也大臣が持ち合わせているかとなると、甚だ心許ないのだが…。
image by: 首相官邸