菅内閣の福島「処理水放出」は規定路線だった。他に選択肢はないのか?

 

【サーチ&リサーチ】

毎度《毎日》には申し訳ないが、《東京》の検索機能を使い、「処理水」と「トリチウム」で5年分の記事に対して検索を掛けると、58件ヒットした。一番古いのは、2017年7月14日の記事。

2017年7月14日付
「処理水を巡り、同社の川村隆会長が報道各社のインタビューで「(東電として)判断はもうしている」と述べ、海に放出する方針を明言した。処理水はトリチウムを含み、第一原発敷地内のタンクに大量に保管されているが、風評被害を懸念する地元の漁業関係者らが海への放出に反対している」

*この件に関しては反響が大きく、翌日にはこんな記事が出た。

2017年7月15日付
「福島第一原発で高濃度汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、同社の川村隆会長が海洋放出を明言したことについて「科学的、技術的な見地に基づく国の基準に照らして問題ないという趣旨だった。最終的な方針を述べたものではない」と釈明するコメントを出した」

*その後、全国漁業協同組合連合会が川村会長を呼んで厳重抗議。原子力規制委の会合では「海洋放出することに対し、大きな反対は出なかった」との反応。福島県富岡町で行われた政府の有識者会議による公聴会では批判が相次ぐ。

2019年8月9日付
東電は、タンクの大型化などは困難として、「タンクでの保管は2022年夏ごろ限界になるとの試算」を発表。

*「脱原発をめざす首長会議」は処理水の長期保管を求める緊急声明。原子力規制委の更田委員長は「処分方法が決まったとしても準備に少なくとも二年はかかる。意思決定の期限が近づいていると認識してほしい」と述べ、希釈して海洋放出するよう改めて東電などに求める。

2019年11月18日付
「経済産業省は、現在保管中の水に含まれるトリチウムなどの放射性物質を一年間で海洋や大気に全量放出した場合、一般の人の年間被ばく線量に比べ約千六百分の一~約四万分の一にとどまるとして「影響は十分に小さい」との評価結果を示した」

2020年3月25日付
東電は海や大気への放出が決まった場合の処分方法の素案を公表。トリチウム濃度の基準を1リットルあたり1500ベクレル未満に設定、浄化処理後の水を海水で500~600倍に希釈し、港内の港湾から放出すると。処分期間は30年程度。

*上記記事には注目すべき内容が書かれている。「浄化処理後の水の7割には、トリチウム以外にも国の基準を超える濃度の放射性物質が含まれており、放出前に再浄化する方針」

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