思春期のせいじゃない。子どもから相談してもらえない親の共通点

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思春期や反抗期を迎えた子どもとのコミュニケーションに苦労している親御さんは多くいますが、そのすべてのケースが子ども側に問題があるわけではありません。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんが、子どもから信頼されている親の接し方を紹介。信頼されない親の特徴も記し、心構えや声かけの仕方を伝えます。

共感の種が信頼を生む

Question

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二人とも、思春期真っ直中なのかも知れませんが、親を信頼せずに何かあると、友だちの親に打ち明けます。後になって自分の子どもの気持ちを子どもではなく、その親から聴くというのはとても不愉快です。子どもたちには、まずは親に言いなさい!と厳命するのですが聴きません。(中1男子、中3女子のお母さまより)

柳川さんからの回答

思春期の子どもをわかろう、とする気持ちは素晴らしいですね。そして、相談できる大人が親以外にも身近にいるというお子さまの環境も素晴らしいです。なぜ、お子さまが親を頼らず、他人を頼るのでしょうか?ご自身の子どもさんへの接し方を振り返ってみましょう。信頼される親たちに共通する子どもへの接し方をお伝えします。

1.子どもの言い分を受け止める

例えば子どもたちが、「これ買って」「習い事やめたい」などと、親にとってワガママと思えることを言ってきたとき、大抵の親は「ダメよ」「約束が違うでしょ」などと言いがちです。

けれども、子どもから信頼される親たちはそうは言いません。「これが欲しいの?」「何かあったの?」と子どもの気持ちに焦点を当て、共感的に聴いてあげるのです。「これ、楽しそうね」「そうか、それは嫌だね」というように子どもの言い分をまず受け止めます。

こうすることにより、子どもが安心して話をできます。話すことで子ども自身が考えを整理できますし、親も何が問題点なのかが把握しやすくなります。

2.スモールステップで促す

共感したあとは、小さな一歩を踏み出せるよう促しましょう。例えば、習い事を辞めたがってはいても、子ども自身はやらきゃいけない、と言う気持ちがあるので、「あと半月だけ」「先生と話すだけ」などと親が促すと、ちょっと続けてみようかな、という気持ちになる可能性があります。

3.子どもの言動を認めて伝える

頭ごなしに「ダメよ」「約束が違うでしょ」などと言わずに、まずは言い分を聞き、落ち着いたらスモールステップで促し、そのあとは子どもの行動を認めて、それを子どもに伝えることが大切です。例えば、「習い事やめたい」と言っていたのを留まって続けたとしたら、「その後、習い事はどう?」「楽しそうに通えているようだけど、大丈夫?」としっかり見ていることを伝えるのです。

家庭教育アドバイス…「信頼されない親の特徴」

子どもは親が思っている以上に繊細です。親は、子どもにこうして欲しい、ああして欲しい、という理想があるからこそ「ダメ」「約束が違う」と言ってしまうのですが、これは子どもを頭から否定しているのと同じです。

そして、「〇〇だから△△なのよ」「あなたのためなのよ」などと理由を説明したり、コンコンと説得したりしても、子どもにとってはただのお説教です。というのもこれは「親の言い分の正当化」に過ぎないからです。

こうした親の態度は、「親自身の気持ちを優先しているから出る言葉」です。子どもから信頼される親になるには、「子どもに共感するからこそ出る言葉」を使いましょう。
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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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