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「中身を見て!」は甘え。ショップ店員がナルシストであるべき訳

あらゆるシーンで「第一印象」が物事を大きく左右することは動かしがたい事実ですが、ことショッピングにおいてはその傾向はより強いもの。あまりに清潔感のない販売員さんからは、進んでモノを買おうという気は起きないものですよね。そんな状況を避けるため、全業種の販売員に対して「ナルシストであれ」とのアドバイスを送るのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で今回、自身が言うところの「ナルシスト」の意味を明らかにした上で、なぜ販売員がそうあるべきなのかを解説しています。

ナルシストであれ

「ナルシスト」という言葉があります(正しくは「ナルシシスト」が正解らしいですが、より一般的な「ナルシスト」で進めます)。

この言葉、意味合いとしては、「自己愛が強い」といった意味だそうで、多くの場合はネガティブに捉えられます。しかし私はよく、「販売員ならナルシストであれ」というようなことを言います。「自己愛を強く持て」と言いたいわけではなく、「自分に興味を持て」という意味でです。

私もナルシストであることは過去にも公言しています。ただ別に自分のことが好きとか、そういう意味で使っているわけではありません。自分が周りの人からどう見えているのか、少しでもよく見えるようにするためにはどうすればいいのかを常に考えるという意味で使っています。なぜなら、人の前に立つ仕事をしているからです。

販売員時代もそうですし、今現在の講師業という仕事でもそうです。販売員時代はお客様であったり、今現在は取引先の販売員の前であったりと相手はちょっと違うには違いますが、私自身は長いこと、人の前に立つ仕事で飯を食ってきています。それは言い方を変えれば、人に見られる仕事でもあると言えるのです。

もし人に見られた時に、「なんかダサいな」「なんか嫌だな」とでも思われたら、仕事を失います。アパレルをはじめとしたファッション業界の人たちに接客の仕方を教えている私が、「ダサいな」「清潔感がないな」と思われれば、それだけで説得力を失うのは自明の理です。だからというわけでもありませんが、やはりそうした部分には気を使います。そうは言っても、自分にセンスがないのは重々承知していますので、日々教えてもらったり、勉強したりと努力しています。

これはお客様相手でもそうです。例えばアパレル販売員の場合は、お洒落であることが大前提なわけですから、普段から気を遣うのは当たり前といえます。しかし、他の販売業でも同じなのです。ファッションなど微塵も関係のない小売りでも、人(お客様)に見られる仕事であることは変わりません。その時に、「なんか嫌だな」「不潔だな」と思われでもしたら、それだけで売り上げを逃す可能性もありますし、ファンが増えなくなる一因になるかもしれません。だから、販売員はナルシストになるくらいに自分に興味を持つべきなのです。

こういう点に関していえば、ヨーロッパの職人たちはさすがだなーと思わされます。つい先日、著名なショコラティエであるピエール・マルコリーニ氏が、あるコンベンションで最優秀賞を受賞していました。そのニュースのインタビューを見ていたのですが、これがまぁかっこいいわけです。単なる見た目の話だけではなくて、魅せ方を知っているというのか、とにかく動きから何からかっこいいんですね。私服の写真もよく出る方ですが、どれもこれもお洒落です。

たまたまマルコリーニの話題があったので、名前を出しましたが、ヨーロッパの一流シェフやパティシエの人たちは、皆一様に魅せ方を知っている感があります。一流と呼ばれる人たちは、例えファッションなどあまり関係のない世界の人だとしても、尽く自分がどう見えているかを意識しています。ブランディングという側面ももちろんありますが、だからこそそこに説得力が生まれるのです。

ナルシストになるくらいに自分に興味を持ち、相手によく見られるための努力をする。全業種の販売員に理解していただきたいことです。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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