先日発表された、年末恒例の新語・流行語大賞ですが、2020年は予想通り「新型コロナ」関連で半数近くが埋まってしまいました。では、海の向こうのアメリカでは、どのような言葉が選ばれたのでしょうか? NY在住の人気ブロガーりばてぃさんが『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の中で、アメリカの辞書出版社が選んだ「今年の言葉」を紹介。日本の新語大賞は絵文字でもおなじみ「ぴえん」でしたが、果たしてどんなワードがチョイスされたのでしょうか?
日米の2020年新語・流行語大賞を比較してみた
師走、12月に入り、早速、「今年の流行語」や、「今年の言葉」などが各所で発表されました。せっかくなのでみていきましょう。
まず、日本の三省堂が選んだ今年の新語と、アメリカの辞書出版社であるメリアム・ウェブスターの選ぶ今年の言葉をみていきましょう。どちらも辞書関連の出版社です。
まず、三省堂による今年の新語大賞は、「ぴえん」。
「ぴえん」とは、ウィキペディアの説明によると、泣いているさまを表す擬態語。
泣き声の「ぴえーん」を省略し、SNS上やメールなどのやり取りで「(涙)」の意味でより汎用性の高い言葉として悲しい時にも嬉しい時にも使用され、深刻さは伴わないとのこと。
以下の目を潤ませた絵文字が「ぴえん」としてよく使われます。
たまたまなのかわかりませんが、今年大ヒットした任天堂スイッチのゲーム、「あつまれどうぶつの森」の新キャラにひつじのちゃちゃまるというのがいまして、目がまさにこの「ぴえん」と同じでぴえん顔と呼ばれ話題になってました。
● ちゃちゃまる
ちなみに「ぴえん」は、2019年の「ギャル流行語大賞」で2位、「JCJK流行語大賞」では1位になった言葉なのですが、今年、ギャルたちの間では「ぴえん」はもう古いそうで、「ぴえんこえてぱおん」に成長。
すべてひらがなだとわかりにくいのですが「ぴえん超えてぱおん」ですね。つまり、「ぴえん」以上の悲しさを表現していて、上位互換ワードとされています。
だとしても「ぱおん」とは一体何なのでしょう?(笑)
● 【2019年ギャル流行語トップ10】
● 2019年、女子中高生の流行語は「ぴえん」「べびたっぴ」
● 「ぴえん」はもう古い!? “衝撃受ける”JC・JK流行語ランキング発表
ちなみに、今年「ぴえん」を選んだ三省堂は、辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」ということで、今後の辞書に掲載されてもおかしくないものなのだそうです。
「ぴえん」のほかには、「密」、「リモート」なども選ばれています。
● 今年の“新語”大賞は「ぴえん」 新型コロナ関連のワードも続々トップ10入り
それでは、三省堂同様に辞書出版社のメリアム・ウェブスター社が選んだ今年の言葉は!!??
「パンデミック」です。
三省堂のほうは今後辞書に明記される可能性のある新語なので、新しい言葉となってましたが、メリアム・ウェブスターのは今年を象徴する言葉なので、すでに辞書にも掲載されているものです。
意味は、(病気が)国全体、大陸全体、または全世界に広がる広範囲にわたる流行のこと。
3月11日にWHO(世界保健機関)が新型コロナの感染拡大をパンデミックと宣言し、この単語の検索数が前年同日比で11万5,000%以上も増加したなどの影響や将来、この感染拡大している期間を振り返る際にも「パンデミック」という単語を使うだろうなどの理由から選ばれたそうです。
● Dictionaries Choose ‘Pandemic’ as 2020 Word of the Year
その他、トップ10には、coronavirus(コロナウィルス)、defund(出資を取り消す、黒人が警察に殺されたことをきっかけに警察の予算を取り消し、地域コミュニティや黒人支援に充てるべきとの主張、BLMデモの理由の1つでもありました)、mamba (マンバ、今年1月に飛行機事故で亡くなられた元NBA選手のコービー・ブライアントさんのニックネームがブラック・マンバだったため検索急上昇)などがランクインしました。
● ‘Pandemic’ is named as 2020’s Word of the Year by Merriam-Webster
日米ともに新型コロナ関連の言葉が選出されましたが、加えてアメリカは社会現象や著名人の突然の死なども大きな影響があった年だったというのを、これらの言葉は思い出させてくれるようです。
なお、ユーキャンが選ぶ流行語大賞の年間大賞は「3密」と、当然ながら新型コロナ関連の言葉でした。
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