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竹中平蔵という弊害。日本をダメにした男の経済政策がポンコツな訳

これまで数回にわたって、小泉政権時に経済財政政策担当大臣などをつとめた竹中平蔵氏の経済政策や数々の疑惑を批判してきた元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんは今回も自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、竹中氏の経済政策がここまで叩かれるのかを詳細に解説するとともに、竹中氏は「デフレを解消するために国民の生活を犠牲にしてきた」と強く批判しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2020年12月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

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なぜ竹中平蔵氏はこれほど叩かれているのか?

これまでの3号で、竹中平蔵氏の疑惑や、その経済政策のポンコツさをご紹介してきました。が、まだまだ全然、足りないので、もう少しご紹介していきたいと思います。

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竹中平蔵氏の経済政策が、本当に日本に格差をもたらし国民を貧困化させたのか、詳しいデータを見て確認してみましょう。

下は、サラリーマンの平均給与の推移です。

平成11年  自民党小渕政権  461万3千円

平成12年  自民党森政権   461万円

平成13年  自民党小泉政権  454万円     竹中氏大臣就任

平成14年  自民党小泉政権  447万8千円      ↓

平成15年  自民党小泉政権  443万9千円      ↓

平成16年  自民党小泉政権  438万8千円      ↓

平成17年  自民党小泉政権  436万8千円      ↓

平成18年  自民党小泉政権  434万9千円      ↓

平成19年  自民党安倍政権  437万2千円     竹中氏大臣辞任

平成21年  自民党麻生政権  405万9千円        リーマンショック

平成24年  民主党政権    408万円

平成25年  第二次安倍政権  413万6千円

平成28年  第二次安倍政権  421万6千円

平成30年  第二次安倍政権  440万7千円

これを見れば、日本の平均給与は小泉政権の前後はほぼ横ばいだったのが、小泉政権の時代に大きく下がっているのがわかります。

平成20年にはリーマンショックが起きているので、ここから数年、給料が下がっているのは仕方がないことではあります。が、これは小泉政権の後の事です。

小泉政権の時代というのは、前号でも述べたように、当時、史上最長とされた好景気の時代もあったのです。にもかかわらず、この時代にサラリーマンの平均給与は大きく下がっているのです。

また年収300万円以下のサラリーマンの数も、小泉政権の時代には激増しています。

以下がこの20年の年収300万円以下のサラリーマンの数の推移です。

平成11年  小渕政権    1491万人

平成12年  森政権     1507万人

平成13年  小泉政権    1549万人   竹中氏大臣就任

平成15年  小泉政権    1559万人      ↓

平成17年  小泉政権    1692万人      ↓

平成18年  小泉政権    1741万人      ↓

平成19年 第一次安倍政権  1752万人   竹中氏大臣辞任

平成21年  麻生政権    1890万人 リーマンショックの影響

平成24年  民主党政権   1870万人

平成25年 第二次安倍政権  1902万人

平成28年      ↓   1928万人

平成30年      ↓   1860万人

これを見れば、年収300万円以下の人は小泉政権の6年間で200万人も増えているのです。

その後の12年間では、リーマンショックがあったにもかかわらず100万人程度しか増えていないのを見れば、いかに小泉政権の時代に、社会の貧困化が急激に進んだかというのがわかります。

では富裕層はどうなったでしょうか?

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下は年間所得5千万円以上の人数の推移です。年間所得が5千万円あるような人は、総資産は1億円をはるかに超えているはずなので、超ミリオネアだといえます。

そして、ほとんどの人が予想されているとは思いますが、小泉政権時にこの超ミリオネアは激増しているのです。

平成11年  小渕政権     40623人

平成12年  森政権      45356人

平成13年  小泉政権     43680人

平成14年  小泉政権     40035人

平成15年  小泉政権     40463人

平成16年  小泉政権     45882人

平成17年  小泉政権     53612人

平成18年  小泉政権     58381人

平成19年第一次安倍政権    60318人

平成20年  自民党政権    59227人

平成21年  民主党政権    47942人

平成22年  民主党政権    49882人

平成23年  民主党政権    52580人

平成24年第二次安倍政権    54863人

平成25年      ↓    67351人

平成26年      ↓    65243人

平成27年      ↓    70023人

平成28年      ↓    72709人

平成29年      ↓    78136人

平成30年      ↓    81275人

これを見ると、小泉政権の前半は微減となっているものの、後半に激増していることがわかります。森政権時代と比べれば20%以上も増えているのです。

サラリーマンの平均賃金が大きく下がり、年収300万円以下の人口が激増していたにもかかわらず、です。

つまり、小泉政権というのは、明白に「格差を拡大し国民を貧困化させた」といえるのです。そして小泉政権のつくった流れが、現在まで続いているのです。

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デフレを解消するために国民生活を犠牲にする愚

この20年ほどの間に、

「日本はデフレだから景気が悪い」
「デフレを早く脱却しなければならない」

ということがよくいわれるようになりました。

この「デフレ問題」というものを大きくクローズアップさせたのは、竹中平蔵氏です。

竹中平蔵氏は小泉内閣の閣僚時代に、国会答弁でよく、

「デフレは怖いですよ」

という発言を行ないました。

経済学用語のことがよくわからない野党の議員たちは、それを聞いてけむに巻かれたようになってしまっていました。

確かに、デフレというのは、国の経済状態としてあまりいいことではありません。が、デフレの何が怖いかというと経済が縮小し、給料が下がったり雇用が減ることです。失業者が増え、路頭に迷う人が生じることが一番怖い事なのです。

そもそも経済というのは、「経世済民」という言葉が語源であり、民の生活を守り世の中を安心させるということが最大の目的なのです。

が、竹中平蔵氏がデフレを解消するために行ったことといえば、投資家を優遇し、サラリーマンの賃金を下げることでした。

つまり、デフレを解消させるために、国民生活を犠牲にしたのです。絵にかいたような「本末転倒」です。

また、竹中平蔵氏の経済政策でデフレが解消したかというと、ご存じのようにまったく解消できていません。サラリーマンの給料が減れば、国民の購買力は減り、内需は縮小します。

必然的にものの値段も下がり、デフレにつながっているのです。当たり前といえば当たり前の話です。小学生でもわかる理屈です。

国民生活を犠牲にして経済指標だけを上向かせようとしても、長い目で見れば必ず経済は衰退に向かうのです。少し考えれば誰でもわかることです。それがわからなかったのが、竹中平蔵氏なのです。経済政策立案者としても、これ以上ないほどのポンコツだったのです。

次回は、竹中氏と橋下徹氏との関係について述べたいと思います。

竹中氏と橋下氏は盟友関係にあり、大阪市は職員を大幅に削減しその代わりに竹中氏のパソナから大量に派遣社員を受け入れるなど、めちゃくちゃな状態になっているのです。

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image by: World Economic ForumCopyrigh World Economic Forum / Photo by Natalie Behring, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

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