MAG2 NEWS MENU

死者を生み破壊的クーデターの先導者に堕落したトランプの異常

「不正投票があった」と主張し大統領選の再集計を求めるなど、異例の状況が続いた2020年の米大統領選挙。その主人公であるトランプ大統領がツイッターで扇動した「議会占拠デモ」は、4人の死者を出すという最悪の結果となってしまいました。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんは、今回のデモの背景を解説しながら、任期が終了した後のトランプ氏の行く末について冷たい視線を送っています。

史上最大のデモで“歴史を変える”と豪語するトランプ大統領は正気か

ぶっちゃけ、トランプ大統領の精神状態は異常としか言いようがない。

1月6日、連邦議会では先の大統領選挙の結果を承認する手続きが始まっていたのだが、自らの敗北を認めないトランプ大統領は支持者にツイッターで前代未聞の呼びかけを行った。

曰く「アメリカの正義を取り戻すために、首都ワシントンでデモを行う。議会で選挙結果の承認が行われようとしているが、不正投票の証拠が山のようにある。正しい集計が行われれば、自分が圧倒的な勝利を収めたことが分かるはずだ。議会に不正を正すように訴えよう」。

また、自らホワイトハウス前で演説し、「アメリカの歴史を変えよう!議会に向けてデモを行おう!」と全米から集まったトランプ支持者に訴えた。

こうして「トランプのためのデモ」が始まった。

議会は開会中で、厳重な警備体制が組まれていたようだが、デモ隊は事前に警備の手薄な個所を探り当てていたようで、いとも簡単に警備網を突破し、議事堂になだれ込んだ。

その時点では接戦州のジョージアで行われた上院議員の再投票の結果も明らかになり、バイデン支持の民主党候補が2人とも現職の共和党議員を破り当選を勝ち取ったのである。

これにはトランプ大統領も共和党陣営も真っ青になったに違いない。

なぜなら、この結果、上院では民主党が共和党と同数になり、議長を務めるハリス次期副大統領が決定権を行使できるようになるからだ。

「ジョージアでも不正が行われたに違いない」とトランプ支持者はいきり立った。

中でもQアノンの中心的メンバーでアリゾナ州からやってきたトランプの熱烈な信奉者ジェイク・アンジェリは真っ先に議会に侵入し、派手なパフォーマンスを繰り広げた。

失業中の元俳優のジェイクは得意のアジテーション演説でデモに参加したトランプ支持者を焚き付け、議会内で暴れまくった。

そのため、議会は中断を余儀なくされることに。

下院議長を務めるペローシ議員の執務室にはデモ隊が押し入り、議長の椅子にふんぞり返る有様だった。

更には警備員の警告を無視した女性のデモ参加者が射殺されるという事件も起きた。

これでは選挙や民主主義など絵に描いた餅のようなものでしかない。

死者がでたことには、さすがのトランプ大統領もまずいと思ったのか、即座に「皆を愛している。気持ちはよく分かった。今日はもう家に帰ってくれ」とツイート。

こうした破壊的な行為を扇動したトランプ大統領に対しては共和党の議員からも反発が出始め、結局、バイデン次期大統領への支持を増やすことになった。

ぶっちゃけ、自分の発言や行動がどのような結果をもたらすのか想像すらできないのが「トランプ・ファースト」大統領のようだ。

恐らく、来る1月20日の新大統領の就任式に向け、破れかぶれのトランプ大統領はバイデン次期大統領の顔に泥を塗る仕掛けを仕込んでいるに違いない。

image by: Evan El-Amin / Shutterstock.com

浜田かずゆきこの著者の記事一覧

かつて人気を博したニッポン放送オールナイトニッポンの「世界びっくりニュース」を彷彿とさせるべく、フランクな語り口で、知られざる内外の『ぶっちゃけ話』をお届け致します。

例えば…
「爆買い」中国人観光客を上回る金額を日本で消費している国がある!?
「発明王エジソン」の遺言を頼りに、無料の無限エネルギー開発に成功した企業がある!?
「不動産王」にしてアメリカ大統領候補トランプ氏に、北方領土問題解決の秘策あり!?
…その他耳よりの情報が満載!

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 』

【著者】 浜田かずゆき 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け