ビジネスマンにとって「いかに数字をうまく活用するか」という問題は、必ずぶち当たるものですが、そもそも「どの数字を活用するかを判断する力」を身につけるにはどうしたら良いのでしょうか? ビジネス数学者でメルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』著者の深沢真太郎さんは、この力を身につけるために必要なのが「構造化する」ことだと説きます。はたして、この「構造化する」ことで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「つくり」で考える人になろう
本日も学びのためにお時間をとっていただき、ありがとうございます。
今日のテーマは「構造化」です。この授業はもちろん、私の著作や情報発信に長期的な(?)お付き合いを頂いている方ならきっとこう思うでしょう。
「ここ最近、深沢さんはずいぶん構造化のテーマを推しているな」
はい、その通りです(笑)。めっちゃ推しです。もちろん理由があります。
私が提唱したビジネス数学は当初、「いかに数字をうまく活用するか」を広める教育でした。いわゆる文系出身のビジネスパーソンでもできる、使える、仕事で成果が出る。そんな目的でしばらくはコンテンツ開発をしていました。
しかし、実際にビジネスの現場で教育研修などをしていくにつれて、問題の本質が別のところにあることを学びました。シンプルに申し上げると、実は「いかに数字をうまく活用するか」の前に大きな課題解決が必要であると。
簡単な例を挙げましょう。
例えば私がビジネスパーソンに、あるデータ分析の手法Xを教えたとします。Xに関する知識と使い方は理解してくれました。しかし彼らは現場に戻ってそれを活用できません。
なぜなのか。いろいろとヒアリングすることでわかったことがあります。
多くのビジネスパーソンは、このXを使う場面にまでたどり着けないのです。たどり着けなければXを使えるわけがありません。
多くの(自称)優秀な人はこう言います。
「そんなもの考えればわかるだろう」
しかし、現実はそう簡単ではありません。考えろと言われても、何をどうしたら良いかわからない人はたくさんいます。
つまり、私のような教育者が教えなければならないことは、「いかに数字をうまく活用するか」より前に、どの数字を活用するかを判断する、あるいは仮説を立てる行為なのです。
そして、その行為において極めて有効なのが、「構造化する」という行為です。私の感性では、これがすべてと申し上げても過言ではありません。これが「推し」の理由です。
さて、事前の解説はこれくらいにして、本題に入りましょう。
「構造化」とは、もっとシンプルな表現をすれば「つくり」を明らかにすることです。
例えばあなたの会社にも構造、すなわち「つくり」が存在します。
社長がいて、その下に様々な部署があって、その中に様々なチームが存在し、そのチームそれぞれに上下関係もあるかもしれない。
これはまさにその会社の「つくり」に他なりません。
さて、この「つくり」を把握できるとどんなメリットがあるか。
答えは「問題解決のための仮説を立てることができる」、です。
例えばあなたの会社において「なんかうまくいっていない」という問題があったとします。
「なんかうまくいっていない」では解決しようがありません。
だから会社を構造化することで、問題解決のための仮説を立てます。
- 各チームの上下関係が組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼしているのでは?
- 社長が孤立していて、社長をサポートをする右腕のような存在がいないのでは?
- そもそも部署が多すぎるのでは?……
仮説を立てたら、それを立証する(立証できそうな)データを探し、必要であればデータ分析をすることで、その仮説が正しい(正しそうである)ことを説明する。
これが私たちビジネスパーソンの仕事であり、私が近著や様々なビジネス研修で伝え続けていることです。
そこで、ここからのテーマをこのようにしたいと思います。
Q. どうすれば「つくり」で考えられる人になれるか?
いかがでしょう。あなたにもメリットのある話題ですよね。そして、実はこの問いの答えはとてもシンプルです。
ソリューションは2つあります。
1 深沢真太郎の次の著作を読んでしっかり実践
「数学的思考トレーニング~問題解決力が飛躍的にアップする48問」(PHP研究所)
→特に第4章の「構造化」を熟読してください
拙著の宣伝のようで恐縮ですが、間違いなくエッセンスはここにあります。
2 「塊」で考える習慣をつける
→その考える対象はどんな塊でなりたち、それぞれどんな関係にあるかを明らかにする
先ほどの例も、あなたの会社を「塊」に分けて考えました。この感覚を、あらゆる場面で使うことが重要です。
(メルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』2021年1月12日号より一部抜粋)
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