【金返せ】債権回収のエキスパートが伝授!支払う意思のない相手にお金を返してもらう手法

 

支払う意思のない人から回収するための具体的な流れ

[具体例]
内装工事会社A社から、屋根の改修工事を受注したB社のお話です。

工事代金は当初150万円の見積もりでしたが、途中追加工事が発生し、合計で200万円となりました。

工事が終わり通常に請求書を送りましたが、入金がありません。

そこで、B社の経理が連絡をしましたが、
・請求書を確認します
・請求内容が間違っている
・担当者に連絡をしてくれ
などと言って、いっこうに支払いをしようとしません。

どうやら、追加工事の請求で折り合いがついていないようでした。

埒があかないと思ったB社は、社長同士の直接交渉を行いましたが、そこでも両社の溝は埋まらず、この請求自体が棚上げ状態になってしまったのです。

その後、連絡をしても社長は不在ですとか、入院していますとか、お決まりの逃げ口上を言うだけです。

そうこうしているうちに、あっという間に1年もの時間が経過し、A社には倒産の噂まで出てきてしまったのです。

[問題点]
このような話しは建設業界でよくある話なのですが、問題は以下の3点です。
1.口頭受注・口頭契約(=文章がなく、言った言わないが後から発生)
2.どんな形にせよ「仕事にトドメ」を刺さなかったこと(未入金を放置)
3.定期的な未入金管理がなされていなかったこと

業界が違う方からすると、こんなことはあり得ないと思うでしょうが、現実的によくある話なのです。

[弊害]
これはもう、言わずとも知れたことですが、明らかに資金繰りが悪化していくということです。

未入金が滞留・累積すれば、銀行からの評価も低下していきます。これが原因で、融資を受けられなくなる会社があることも注意して下さい。

[解決]
根本的な解決策は、取引先の審査、そもそも取引をすべきかどうかの判断と、取引先の管理、売掛先の信用状態は悪化していないかの定期チェックを行うこと、つまり、与信管理をきちんと行うことに尽きます。

ただ、今回はこの未回収をどうやって回収するのかということです。

そこを考えていいくと以下の3つになります。

1.「支払意思」と「支払能力」を調査し回収プランを立てる

その結果、支払意思もなく、支払能力は極めて低いことが判明しました。つまり、明確な差押え対象資産がないということです。

この場合、支払意思を喚起することにより、潜在的な支払能力を引き出すことが重要になります。

そのため、こちらの本気度合いを示す意味を込めて弁護士を使い、
2.内容証明郵便
3.明確に差押えを意識した回収交渉
を行うことにしました。

ポイントは、相手に「不安感」を持たせることです。ですから、交渉の進め方についても入念に打ち合わせを行います。

[成果]
結論としては、売掛金200万円の内、150万円の分割回収に成功しました。

50万円の追加請求分はお互いに合意ができていないこともありましたので、50万円を請求しないかわりに早期解決を図るということで和解したのです。

この間、約3ヵ月。

私たちが入る前は、1年も放置状態になっていましたが、本気で解決を図ろうと考え進めていけば、支払能力が極めて低いとしても答えを出すことが
できます。

[まとめ]
未入金発生後、すぐに回収アクションを取っていれば、この50万円もうやむやにされずに回収できていたかもしれません。

また、結果的に回収額が今回のように150万円と変わらなかったとしても、すぐに回収できているのと、1年以上後に回収できているのとでは、明らかに意味が違います。

すぐに回収できていれば、手元に150万円があったわけですから、運転資金として仕事に使えたはずだからです。

この足りない150万円は、もしかしたら借入で賄われていたのかもしれません。すると、そこには金利が発生しているということになります。

このようなことにならないためには、
1.強硬な回収アクションに入る決断は、できれば未入金後3ヵ月以内に!
2.支払能力がなくても「不安感」を煽ることで支払意思を喚起せよ!
3.交渉は長引かせるな!最後はある程度の範囲内で妥協も必要。

以上、支払う意思のない相手からお金を払ってもらうためのポイントです。与信管理、債権回収を意識することで、みなさんの会社が安定的に経営されていくことを心より願っております。

information:
『~債権回収トラの巻~ 中小企業の売掛金・債権回収』
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