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人気ブロガーが話題の音声SNS「Clubhouse」の魅力を徹底解説

動画や文字のSNSに飽きたという日本人の間で、いま「クラブハウス(Clubhouse)」という米国発の音声SNSが話題となっています。今までのSNSとは違って「音声のみ」という新鮮さと、まるでラジオを聴くような懐かしさもあいまって、若い世代からおじさん世代まで注目を集めているようです。NY在住の人気ブロガー・りばてぃさんは『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の中で、自身も「Clubhouse」デビューしたことを報告。実際に始めてみた実感と斬新さについて感想を綴っています。

突如、日本で話題のClubhouseをやってみた

ツイッターやYouTubeの方でもコメントしたが、突如、日本で話題になっている登録者増加中のクラブハウス(Clubhouse)をはじめた。

せっかくなので、少し話そうと思うが、本題の前に、よくこういった新しいプラットフォームが始まると、「すぐ無くなる」とか、「一時期の盛り上がり」……と言われる。

今回の異様な盛り上がりと、招待された人しか入れないという疎外感もあり使っていない人からは特に嫌煙されているような声が散見される。

私も招待を貰える前までは、非常に疎外感を感じていた。

特にコロナ禍で友人、知人との繋がりが希薄になっていたのもあって

「あぁ~私はなんてひとりぼっちなんだろう」

そんな風に寂しく思っていた。

でもたまたま昔からよく知っている友人が(つまり、こんな希薄な状況でも気軽に連絡しやすい相手)、招待枠を保存しててくれて、無事に入ることができた。

久しぶりの友人とのやりとりにホッとしたのもあるし、

「ニューヨークに行けないのでニューヨークの話するルーム作ってね」

なんて言ってくれた思いもクラブハウスへの偏見を変え前向きな気持ちにしたのかもしれないけども。

とにかく、無事に始めることができたのが、クラブハウスに対する見方はアメリカでも様々で、実際、クラブハウスのベータ版のリリース直後にあまりにも高額な時価総額がついたことで、期待しすぎではないかという声もあったそうだ。

まぁ、しかし、投資するわけでは無く、利用者の立場であるなら、何でも一度は試しておく方が良いと思う。そもそも、そのツールが流行るかどうか最初から判断できる人なら、何か新しいものを作っているのではないかとも思うし。

それにここ20年ほどのインターネットの特にSNSツールの歴史を振り返ってほしい。

それこそ会社のウェブサイトやブログなどは最初に登場したとき誰もがはじめるものではなかった。

それが徐々に当たり前となり、ウェブ上で商品や自己紹介する、何かを売る、広める、交流を深める立場や仕事についている人なら持っておくべきものとなっている。

かといって、それらが今でも非常に盛り上がっているかというと、そういう時期はとっくに過ぎた。でも今でも安定したアクセスが続いているので、例えば、うちの場合はマーケティングレポートやラジオ出演、何かの執筆の話はブログを見た人から依頼されることが多い。

ツイッターもインスタグラムも現役で「大盛り上がり」しているわけではないけども、アカウントは持っておくと良いという状況だ。特にインスタに関しては、コロナ禍でライブ配信が再度盛り上がりを見せたため、フォロワー数を持つ人は有利な状況だった。これらに加えて、最近ではYouTubeもそんな状況となっている。

だからクラブハウスに関しても日本では始まったばかりだけど、アメリカではかなり定着しているのもあり、しばらくは安定的にルームというコンテンツが生まれてくるので、招待されたら試してみることをお勧めするし、何なら、最近は日本で利用者が増えたので友人知人に話のネタ程度に聞いてみるのもお勧めだ。

ということで、クラブハウスについて簡単な説明と使った感想をお話しょう。

(1)まずクラブハウスとは?

サンフランシスコを拠点に2人の起業家が2020年4月に立ち上げた音声SNSアプリ。現在はアイフォン(iOS)でしか利用できない。

最初はベータ版としてリリースし、また招待制だったこともあり、ベイエリアを中心としたテック系界隈やスタートアップ界隈、ベンチャーキャピタル界隈から広まっていった。

基本の招待数はたったの2人(利用状況で枠増加もあるそうだ)。招待枠が無い場合は、アプリから直接申し込むとウェイトリストに入り、どこかのタイミングで入れたりもする。

実際、使っているときにウェイトリストにいる◯◯さんを入れますか?という依頼がきた。すでに招待枠が無くてもできるということで、入れるを許可したので、その人のことは存じ上げないけども、

Nominated by Liberty りばてぃ

となっている。

そうそう、りばてぃでお仕事もさせてもらっているので、基本は実名登録だけど、Liberty りばてぃになっているので、始められた人はぜひ検索してみてほしい。

ちなみに、クラブハウスの親会社はAlpha Exploration Co.。

創業者兼CEOがポール・デイビソン(Paul Davison)で、共同創業者がローハン・セス(Rohan Seth)。

スタンフォード大学出身で、それぞれ元グーグル、かつスタートアップ立ち上げ売却の経験を持つ人物。

ご参考
Silicon Valley is enamored with a new app. But you’re probably not allowed in, for now.

招待制ということで2020年5月ごろは1500人ほどしか参加しておらず、1日の平均アクティブユーザーは18%ほどの270人程度だった。

現在はもっと増えているだろうし、日本人が主催するルームはこの週末、閲覧者が数千人規模のものが乱立していたので、それだけでも、1万人以上はアクティブユーザーとしていることがわかるが、日本に参入する前の2020年12月時点で60万人いて、2021年1月には200万人超と伝えられている。

ご参考
How Many Users Does Clubhouse Have? 40+ Clubhouse Stats

(2)使い方

使い方は、ルーム(Room)というものを作ってはじめる。もしくはすでに作られているルームに入って聴講するという流れだ。

ルームを作る場合は、いわゆる司会者的な存在のモデレーターになり、同時に話し手となり他の話し手の入出を管理する。

話す人としてのみ参加する場合はスピーカーとなる。

モデレーターはスピーカーをいつでもモデレーターにできるので常に一人でそのルームの運営をしなくて良いので負担が少なくなる。

会話を聞くだけの場合はリスナーとなるが、手を上げる(Raise your hand)をすると、モデレーターが許可すれば質問や発言ができるようになっている。

雑談から専門のお話など様々なテーマのルームがあるので、自由に入って聞くことができる。

(3)リリース直後の反応

2020年5月の記事でリリース直後の利用者の反応や投資状況についてNBCニュースが詳しく伝えている。

例えば、Zoomなどと違って映像を出さずに音声だけを聞くことができるので、コロナ禍のリモートワークで子育てしながら自分の興味関心のある分野の話を聞ける点が好評だったなども感想が伝えられている。

仮にモデレーターやスピーカーになったとしても、音声をミュート(消音)できる機能があるので、音を入れたくないときは気軽に音を消せるようになっている。

ところで、2020年といえば、コロナ禍でリモート・ワークが中心となり、対面で行っていた打ち合わせや会議もすべて電話会議、もしくはZoomを使った映像会議にシフトした。

会議だけではない。Zoom飲み会といった言葉が出たようにZoomを使って家飲みするのも話題になった。でも、いずれもたいがいの場合、顔を一瞬でも出さないといけないことが多く、参加するには身だしなみを、ある程度整える必要があった。こだわる人はライティングも用意しただろう。

一方、クラブハウスは完全に音声のみ。身だしなみを整える必要はないし、Zoomよりも気軽に使うことができるのも人気の理由の1つである。

より快適に使うためワイヤレスイヤフォンだとなお良いという程度なので、始め方のハードルも低い。招待制という時点で敷居は高いけども一旦入ってしまえば、手軽さ、気軽さに驚く人は多いと思う。

それにもし、リスナーで聞くことに徹する場合は、イヤフォンすら準備す必要はない。ラジオアプリを聴くように聴けば良いのだ。

(4)突如、日本で話題に!

そんな手軽さがウケ、アメリカではじわじわと広まっていった。クラブハウスを昨年秋ごろから使っていた人によると、ビジネス系のフェイスブックのグループで非常に価値のあるものとして注目され、誰もが招待してもらうため声をかけ合うという状況だったそうだ。

そんなクラブハウスが、先週あたりから日本でもリリースし、あっという間にテック系、VC系、ビジネス系、著名人などから広まり、メディアでも話題に上がった。

招待された人たちの多くがこの週末はほぼ1日中クラブハウスに入り浸っていたのではないかと思う。

しかも、アメリカ、つまり英語のルームでは、特定の話題を熱心に語り合うのが多い印象だ。

ヘルスケア業界の人が集まって真剣にヘルスケア業界について語り合ったり、ライフコーチの専門家が多数モデレーターとして参加するルームは、最初からリスナーの質問を募集。

手をあげて、指名されたら質問をする。回答できる人が答えるのだけど、たいがい、そういう人気ルームはTVのパーソナリティでしたとか、数多くのフォロワーを持つインフルエンサーである場合が多いので、1つのラジオ番組に大御所や有名人が集結しているような豪華番組のような感じなのだ。

一方、日本のルームは専門家が話すルームもあるものの、始まったばかりで手探り状態だからか、比較的雑談が多め。

ダラダラと会話するので、聞く側も退出するタイミングを計りかねるというのもあるし、裏ルーム(同時開催中の別のルーム)で著名人が話し始めると、リスナーがそっちへ大移動するというのもあったりする。

いずれにしても数多くのルームが乱立しているので、退出しても、別のルームで興味深い話をしていれば、また入って聞くことができるのだ。人によっては、部屋から部屋に移動するを繰り返してエンドレスになった人もいるだろう。

しかも、世の中には夜型と昼型の人がいる。夜中でも元気に会話できる人もいれば、昼間に活動的になる人もいる。

夜型のルームを聞いていたら、朝になり、朝活の人たちのルームが始まるといった具合なのである。

アメリカにいると、時差があるため余計に止めるタイミングがわからなくなりがち。

朝起きると日本側が夕方なので雑談ルームが大盛況。聞いてると、日本が夜中になり、夜のグダグダトークに変わっていく。

こっちは日中なので一番エネルギーがあって元気なので夜モードの会話は正直気分的に聞けなくなってくる。だから退出すると、今度はアメリカ側のルームが活発化していて、すごく人が集まっていたりするのだ。

そしてそれらを聞いていると、今度は、日本が朝になり朝活ルームが活発化。エンドレス状態・・・。

もちろん24時間ずっと聞き続けないし、いくら音声のみでラジオのように聞けるとはいっても、プロの噺家ならまだしも、素人の話をずーっと聞くことはできない。

まず耳が疲れるし、他にやることもある。だから適度にアプリを止める。

だけど、ふと、時間が開いたときにクラブハウスを覗くと、何かしら興味深いルームが活発化しているので、じゃあ、聞いてみようかなってなってしまうのだ。

なので、実は、ここ数日間のYouTube視聴が激減した。余暇は増えはしないのだから別のものに時間を充てたら何かの時間が減るのは当然だ。

しかもここ最近好んでみていたYouTubeはラジオのように聞けるコンテンツが多めだったのもより影響していると思う。

料理や掃除するときに動画を見なくても視聴できるニュース系や専門家の解説動画を好んで、映像をあまり見ずに『耳』で聞いていたので、クラブハウスのニーズにもすっぽり当てはまったのである。

むしろ、YouTubeは永遠に聞き続けられるほど長い動画は少ない。作るのが大変だからだ。

せいぜいあっても観光か、環境音動画など。それも良いけども、情報が欲しいときもある。

だから視聴するものがないときは、音楽系ラジオを聞いたりしていた。

そんなときにクラブハウスに出会ったのでここ数日は料理と掃除中に聴いていたのである。こんな具合に「ながら」で聞いている人は多いだろう。

今後、クラブハウスがどう発展していくかはわからないけども、少なくても英語版のルームは十分充実しているので、しばらく安定したコンテンツが提供できる状態となっている。

ただし、勉強になるかと言われると、それは疑問だけども(というのもデータとか具体的な数字はあまり出ることがなく、経験談やナレッジの範囲の話が多めだから)、コロナ禍で実際に会うことができない寂しさを少し埋めてくれるツールとしては非常に有効だと思う。

そして、これが重要なのだけど、ルームでの会話は記録されないため、巻き戻しもできないし、ルーム終了時点でルームの記録すら残らない。

つまり、ここだけの話がしやすいし、聞き手も手軽ということは話し手も手軽に話せるのだ。残らないのであれば、細かいところに気を使わなくて良いし、今すぐ誰かに誘われてスピーカーになっても気負いなく参加できるので、自然に参加増に繋がっているのかもしれない。

ただし、記録には残らないけどもルールはけっこう厳しい。

まず、ルームでの会話内容を話し手の許可なく録音したり公開したり誰かにシェアしてはダメ。違反した場合は利用拒否(垢バン)されるかもしれない。

ルームで得た話をゴシップのようにどこかで公表してはいけないのだ。

言い換えれば、気になる人の話を逃したくなければクラブハウスを常にチェックする必要があるので、ネット依存症気味の人は利用を気をつけた方がいいかもしれない。

なお、クラブハウスはベータ版のリリース直後にすでに企業価値100億円規模となっており異例の状況とテッククランチが伝えている。

ご参考:
米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?

これについては前述したNBCの記事でもこうしたアプリは夏頃までに終わってしまうか、それ以上続いてヒットするか、に分かれると伝えていた。

蓋を開けてみれば、2021年1月に日本でも話題になり、日本進出する直前には、有名ベンチャーキャピタル(VC)のアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)から、2020年5月の1,000万ドル(日本円でおよそ10億円)の投資に続いて、1月24日に100億円規模の追加投資を受けている。

日本以外にドイツでも話題になっているとのことで、今後、どのように広まっていくか非常に興味深いところである。

また、クラブハウス側はクリエイターに対する金銭的なインセンティブや、リスナーからの投げ銭の仕組みなど何かしらの方法を考えているそうで、実現すればより利用者が定着する可能性もあると思われる。

また、新たなSNSということで、新規参入がしやすい点も魅力がある。やり方次第で一般人がクラブハウススターになれるかもしれないのだ。

YouTubeはすでにレッドオーシャンと言われ、ブログはもちろん、ツイッターやインスタグラムなどのすでに定着したSNSサービスはアーリーアダプターたちが固定化され新規でフォロワーを増やすのは今はかなり難しい。

興味や関心が分散しているのも影響しているのだろう。

今後、クラブハウスは今のような盛り上がりを維持しないかもしれない。でも、少なくとも、個人的な経験としてはすでに新たな繋がりがルーム運営を通して生まれたので、それだけでもよかったと思っている。

image by: Boumen Japet / Shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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