戦略を引き出す
とはいえ、これらのことを全部一度に行うのは大変です。ですから、このお店にはまず、
- 売上の多い商品の販売への注力
- 商品別売上目標の設定
- 年間4回の店頭イベント開催
- イベントの折り込みチラシ配布
- 売場レイアウトの変更
から始めていただくように提案しました。そして、これらの具体的戦略を引き出すために必要なのが売上データです。過去3年分の商品別売上データがあれば、そこからいろいろなことが見えてきます。このお店でも、データから次のようなことが分かりました。
- 過去3年間の商品別売上推移
- 各年の商品別売上構成
- 売上の7割を占める上位品目
- 年間の月別売上構成比
- 季節による売上の変化
- 思ったより売れている商品、売れていない商品
- オリジナル商品の、売上・利益貢献度
- 日別、月別の客数予想
ここから引き出された事柄をベースにして、それぞれの「戦略」が考えられたということです。
さらに、売上を着実に増やすには、売上目標が必要となります。今年1年間の月別商品別売上目標を作っていただくようにお願いしました。この数字を毎月の実績と照らし合わせていく作業が必要です。その実績には、販促イベントやDMやチラシやSNSの効果が反映されます。
きっとこのお店は、お客様の数が増えて売上も増えていくことでしょう。もちろん、あなたのお店もそうした手を打っていると思いますが、もう一度じっくりと考えてみてください。
そして、戦略を考えるのも大切ですが、もっと重要なことをお伝えします。それは、もう一度お店の方針や目指す姿を、従業員の皆さんと確認することです。その上で、客数を増やしていきましょう。このコロナをのり越えていくのが、あなたの役目です。
■今日のツボ■
- 事柄を分類整理して考えると、「抜け」がなくなる
- 販売戦略、商品戦略、販促戦略、顧客戦略、店頭管理、販売管理に分類して考えると良い
- 売上データの分析をすると、戦略が導きやすい
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