地質学者が捉えた、東北沖と伊豆諸島周辺で大地震発生の「兆候」と「法則」

2021.03.11
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
 

地質学者・新妻信明名誉教授に聞く、東北の日本海溝周辺と伊豆・小笠原周辺の兆候

これらの前兆現象とは別に、地質学的に見た地震発生の前兆はあるのだろうか。実は、東北沖の日本海溝周辺や、伊豆・小笠原諸島周辺のプレート動きに異変を感じている専門家がいる。過去に駿河トラフおよび日本海溝で「しんかい2000・6500」による潜航調査などを実施してきた、地質学研究者で理学博士の静岡大学理学部地球科学教室 名誉教授新妻信明(にいつま・のぶあき)氏だ。新妻名誉教授は昨年8月、弊サイトにて、太平洋プレート周辺の動きから「マリアナ沈没」が今後起きる可能性を唱えている。

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新妻氏は、自身のホームページ「新妻地質学研究所」に今年2月27日、MAG2 NEWS編集部からの「近く大きめの地震が日本近海で発生する可能性はないか?」との質問に答える形で「月刊地震予報137)伊豆・小笠原・Mariana海溝域の地震活動,日本海溝域前弧沖震源帯の地震活動」を公表した。

新妻氏によると、昨年11月7日に小笠原諸島沖で発生したM5.9深さ100kmの地震により、太平洋プレートの沈み込みが起きていることを観測。

新妻氏が作成した「2015年1月-2021年1月伊豆・小笠原・海溝域の深発CMT解」。2015年5月以降も伊豆諸島の周辺で深発地震が発生していることが分かる。(出典:新妻地質学研究所HP)

新妻氏が作成した「2015年1月-2021年1月伊豆・小笠原・海溝域の深発CMT解」。2015年5月以降も伊豆諸島の周辺で深発地震が発生していることが分かる。(出典:新妻地質学研究所HP

そして、気象庁が公開した「海外CMT解」(海外で発生したM5.0以上の地震の位置と時刻、規模及び発震機構(メカニズム)を同時に決定する解析法)の速報解(精査前のメカニズム解析)が、2020年から2021年1月までに35個もあることを紹介した。直近に発生した半年分の地震を見ると、ある法則が見えてくるという(最新順)。

2021年1月12日モンゴルM6.8
2021年1月7日スラウェシ島M6.3
2021年1月7日ソロモン諸島M5.9
2020年12月29日M5.2(和歌山県南方沖)
2020年12月29日クロアチアM6.4
2020年12月25日フィリピンM6.5
2020年12月24日フィリピンM6.3
2020年12月20日チリM6.8
2020年12月16日フィリピンM6.3
2020年12月2日アリューシャン列島M6.4
2020年11月7日M5.9(硫黄島近海)
2020年10月1日トンガM6.7
2020年9月11日チリM6.2
2020年9月7日バヌアツM6.6
2020年9月7日ミンダナオ島M6.6
2020年9月1日チリM6.8
2020年8月21日モルッカ諸島M6.9
2020年8月18日フィリピンM6.9
2020年8月5日バヌアツM6.1
2020年7月17日M5.1(太平洋沖)
2020年7月17日ニューギニアM7.3
2020年7月7日グアムM6.2
2020年7月6日ニューヘブリディーズ諸島M6.0

海外で発生したM5.0以上の地震が途絶える節目のときに、赤色で示した日本付近で地震が発生していることがわかる。これについて新妻氏は以下のように語っている。

地球表面はプレートで敷き詰められているので、いずれのプレートやプレート境界で歪みを開放する地震が起れば全てのプレートに影響を及ぼす。地球上最大の太平洋プレートについては特に影響が大きいであろう。ここで取り上げた伊豆海溝域の太平洋プレートの沈み込みの増強が、「海外CMT速報解」が途絶えた時に起っていることは、地球表面を敷き詰めるプレート全ての歪みの連鎖を解析するための出発点となるであろう。

つまり、フィリピンやニュージーランド、バヌアツなど海外で地震が頻発している時、それが途絶える節目に日本の伊豆海溝の太平洋プレート周辺で地震が発生する可能性を示している。伊豆・小笠原諸島周辺の具体的な地震発生時期については、今後の新妻氏の調査・解析を待ちたい。

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