地質学者が捉えた、東北沖と伊豆諸島周辺で大地震発生の「兆候」と「法則」

2021.03.11
by gyouza(まぐまぐ編集部)
 

新妻氏が語る、東北沖「日本海溝域」で地震発生の可能性

では、M7.3が2月13日に発生した福島沖など、東北や日本海溝域周辺はどうなっているのだろうか。新妻氏は周辺のプレートを動きを分析し、以下のように述べている。

2021年1月はプレート運動による歪みの1割以下しか地震活動がなく、2011年3月11日東日本大震災による歪み開放後の歪み蓄積が着実に進行している。

つまり、今年の1月はプレート運動による歪みに比例した地震活動が極端に少なく、そのため10年前の東日本大震災で開放された以後に蓄積された歪みがどんどん溜まってきている状態だということだ。と考えると、2月に発生した福島沖M7.3地震も、こうして蓄積した歪みの一部が開放された地震活動の一つだった可能性がある。しかし、この歪みの蓄積があのたった1回の地震だけで開放されたとは考えにくい。

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新妻氏が作成した「2020年1月-2021年1月の前弧沖震源帯のIS解」。ここ1年間の東日本周辺のプレートの動きを詳細に分析し、地震発生の可能性を調査している(出典:新妻地質学研究所HP

新妻氏の解析を総合すると、今後は、日本周辺の地震発生の「前兆」として、太平洋を中心とした海外でのM5.0以上の頻発する地震、そして地震活動が一時的に静穏化した時期を注視していく必要があるだろう。

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取材協力:新妻信明氏(新妻地質学研究所

image by: ETOPO1, Global Relief Model / public domain

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