ネット上などで披露されている、著名人の成功譚や未来予測。尊敬する方の言葉をそのまま鵜呑みにしたくなる気持ちは理解できますが、やはり細心の注意を払う必要があるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、他人の発言を額面通り受け取ってしまうことがいかに危険かを具体例を挙げつつ解説。その上で、「言葉を受け取る時にセットとして考えるべきこと」を記しています。
額面通り受け取ることは
元IT企業の社長で、今は著名な起業家みたいな人って何人も思い当たると思います。そうした結果を出してきた人たちというのは、本当にすごくて、今もビジネスの世界などで華々しい活躍をしている人がたくさんいますよね。
著名であるため、SNSや書籍などでの発信も盛んで、「こういう仕事の仕方をした方が良い」「これからの時代はこうだ」といった言葉を発されていたりもします。
その言葉は仰るとおりのことがほとんどなのかもしれませんが、中にはそれらを額面通り受け取ってしまう人というのがいます。
例えば、「これからの時代はAIが何でもやってくれるんだから、人とのコミュニケーション能力なんてどうでも良い」と言っている人がいたとしましょう(そんな人はいないでしょうが)。
その人は各界でも名の知られる著名な起業家で、実際に大きな成果を成し遂げ続けています。その人にとっては、本当にコミュニケーションなど取る必要がなくて、AIビジネスの世界でどんどん結果を出していけるのかもしれません。
でもこれをその辺の大学生が額面通り受け取って、「そうか、コミュニケーションなんてどうでもいいんだ」と思い込んでしまっていたらどうでしょうか?そのビジネスを発展させるための能力も人脈も何も無いような状態で、「他人とコミュニケーションなんて取れなくても、これからの時代は大丈夫なんだ」と受け取ってしまっていたとしたら、その末路は大体想像がついてしまいますよね。
はっきり言ってしまえば、額面通りに受け取るという行為は超危険行為なんです。
でも残念ながら、インターネットの利用率が90%ほどとなっている日本には、そんな人が結構います。情報が増えたことに伴って、良い情報を得ることができたと思い込んでしまうのか何なのかはわかりませんが、額面通りにしか受け取らずに本質を見失ってしまう人っているのです。
これは仕事をしていても感じることはあります。
トップ販売員の人が、「私はお客様に対してこういうことを言います」と言っていたとしましょう。その内容は確かにそのトップ販売員がやれば、お客様にとっては大きなメリットがあることかもしれません。でも、それはあくまでその人だからの話です。
そこに至るまでの実績や経験や、下積みなどがたくさんあるからこそ、そして何よりお客様との信頼関係が築けているからこそできること。人の発言にはそうした背景が存在しています。
その背景を一切無視して、「そうか、これを言えばいいんだ」と額面通り受け取るような人がいると、単なる事故になり、大きなクレームに発展してしまったり、失敗するだけで終わってしまいます。