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お客さまに必ず喜ばれる「茶柱の立つお茶」という商品の発想力

古来より日本では「茶柱が立つと縁起がいい」とされてきましたが、「茶柱の立つお茶」として売り出され人気を集めている、ある種のお茶をご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、とあるお茶販売店の販売戦略を激賞しつつ、「ワケあり商品」が売れ行き好調の理由を分析。欠点を正直に話し、その欠点をカバーする大切さを説いています。

ワケあり商品

「ワケあり商品」が売れています。脚の取れた蟹、曲がった野菜などが、通販で人気となっています。

これまでは、見栄えの良いモノでないと売れない、とか、B級品を安く売るとA級品が売れない、という理由で、B級品は一般には出まわりませんでした。しかし、不景気となって、質さえ良ければ買う、というお客さまが増えてきました。

昔から小さな商店では、売り方を工夫して、B級品を売っていました。鮮魚店では、売れ残った魚を焼き魚にしたり、粕漬けにしたりしていました。八百屋では、残った野菜を漬け物にしたり、総菜にして販売。果物屋では、カットフルーツやジュース用として、売りました。

これはセコいことをしているのではなく、モノを大切にする気持ちからです。商売人としては当然のことです。

「呉服のB反市」も良いことだと思います。ちょっとしたシミがあっても、内側だったり、帯で見えなくなる場所だということをお客さまにお教えして、納得の上で買っていただくのです。破格値なので、お客さまも喜んでいます。

欠点を正直に話し、その欠点をカバーしてあげれば、B級品も確実に売れるようになるのです。

あるお茶屋では、茎がたくさん混じっている二番茶を「茶柱の立つお茶」として販売し、お客さまに喜ばれています。お見事です。

限定販売

東京・吉祥寺に、小さな和菓子店「小ざさ(おざさ)」があります。

このお店には、毎朝行列ができます。手練りの羊羹580円を手に入れるためです。「1日150本限定・1人3本まで」という制限があり、これを買うための整理券をもらう行列なのです。

実際に買えるのは、午前10時以降なのですが、整理券の配布は午前8時。そのために、早い人は5時ごろから並んでいます。

歴代経営者の教えを頑なに守り、手抜きにならない数量として、1日150本のみを製造。しかも、炭火・銅製の鍋を使った、職人による丁寧な仕事。これは、並んでみたくなりますよね。

もし、同じ品質で1日500本できたとしたら、どうでしょう?どれだけ美味しくても、行列はできません。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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