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新人に机を拭かせてみれば判る、クリエイティブ思考の持ち主か否か

今やあらゆるビジネスの現場で求められる、クリエイティブな思考力。例えばあなたの職場に配属されてきた新人が、そんな考え方ができ行動に移せるタイプか否かは、掃除の仕方ひとつでも判断できるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、なぜそのような見極めが可能かを解説するとともに、新人に対しては「目の前にある仕事をどれだけ創造的にこなせるかを考えるべし」とのアドバイスを送っています。

「自分にしかできない仕事」は自分で作るものですよ

5月を迎えました。4月に入社した新人さんたちも、1ヶ月程度の時間が経ち、徐々に仕事にも慣れてきたころではないでしょうか?私の生活圏の中でも、1ヶ月ほど前から入ってきた新入社員らしき人たちが、すごくスムーズに仕事をしている様子が見て取れる機会が増えてきました。人の成長というのは早いものだなぁと感心しながら、私の仕事柄なのかそういう人たちの仕事ぶりが目に入ってしまいます。

ただ、たった1ヶ月程度しか経っていないこの時期ではありながらも、すでに「この人は今後伸びていくんだろうなぁ」という人と「この人は、このままだとあまり伸びないだろうなぁ」と感じる人とがわかれてきているように思います。現段階でどれだけスムーズに仕事ができているかどうかとかではなくて、どんな仕事をの仕方をしているかでそう感じてしまうのです。

例として挙げると、あるカフェがあります。私がよく足を運ぶ店ですが、そこにも何名かの新入社員が入社してきています。その店はお客様の回転も早いので、ある程度の時間で店内全体のテーブルを拭くという作業があります。片手にダスター(机を拭くための布)、片手に洗剤の入ったスプレー(消毒も兼ねてるのかな?)を持って店内を回り、テーブルを綺麗にしていくわけです。掃除と感染対策の一環ですね。

すごく地味な作業のように思えますが、この様子を見ているだけでも、そのスタッフさんが伸びる・伸びないという判断ができます。そこにどんな違いがあるかというと、「クリエイティブさ」です。

「クリエイティブ」、つまり、創造的であるかどうかということなのですが、普通のスタッフさんが掃除をしている様子をも見ると、片手のスプレーでテーブルにシュッと一吹きしてから、ダスターでテーブルを拭き上げます。

大体の人は、テーブルの真ん中あたりをくるくると回すように拭き上げて終わりで、すぐに次のテーブルにまたシュッとスプレーを吹きかけています。まぁこれが普通です。

ですが、クリエイティブさを感じられる人はどうしているかというと、シュッと吹きかけたら、テーブルの角から角にかけてすっとダスターを動かし、四方をぐるりとやって、真ん中をサッと拭き上げていたりします。かかる時間はほとんど差がないのですが、同じ作業でも、真ん中あたりだけが拭かれているのと、テーブル全体が拭かれているのと、違いが出ているわけです。

全体のスタッフの様子を見ると、テーブルの拭き方自体に決まりがあるわけでもないようで、この辺は個人で判断してやっている様子。つまり、後者のスタッフさんはより効率的により綺麗になる方法を自分で考えて、テーブルを拭いているということになります。

これがクリエイティブな仕事の仕方です。そして、こうしたクリエイティブな仕事の仕方ができる人というのは、その後何をやらせても同じように創造性を膨らませて、より効率良くより効果的な仕事をしていくので、自然と伸びていくということなのですね。

掃除の仕方一つで何がそんなにわかるのかと思われる人もいるでしょうが、ハッキリ言ってわかります。多分、これは新人スタッフを教育してきた経験のある人ならご理解いただけると思います。

クリエイティブに働ける人というのは、自分の頭で考えて、自分で動ける人ばかりなので、その後も伸びていくものなのです。そして、そういう人を見抜くことができると、仕事を任せても大きな失敗は少なくなりますし、効率良く成長して利益をもたらしてくれるものなので、教育者はこの辺を本当によく見ています。

「自分にしかできない仕事をしたい」という人が、今の世の中にはたくさんいるように思います。それは決して悪いことではないと思いますし、できるのならどんどんやってほしいなと思うことでもあるのですが、「自分にしかできない仕事」は、自分で作り出さなければいけません。

ものすごく壮大なプロジェクトのようなものを思い描いている人も中にはいますが、それはあくまで最終形の話であって、誰にでもできる地味な仕事でも、「その人がやると何か違うよね」と感じられる仕事はできるわけです。

そこにクリエイティブさを発揮できない人が、「自分にしかできない仕事をしたい」といくら喚いても、「いや、こんな簡単なことすらできないじゃん」と一蹴されるだけです。

だとしたら、まずは目の前にある仕事をどれだけ自分なりに創造的にこなせるかを考えてみましょう。もっと効率良くするためにはどうすれば良いか?もっと利益を生み出すためにはどうすれば良いか?

その積み重ねが、あなたにしかできない仕事になり、あなたが求められる理由になります。小さく地味と思える仕事でも、どんどんクリエイティブな働きをしていきましょう。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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