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家事のプロが明かす、家事代行サービスの使い勝手が悪い納得のワケ

いわゆる「家政婦さん」よりも少しお手軽なイメージがある「家事代行サービス」ですが、実は微妙に使い勝手が悪いという意見もあるようです。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では、著者・真井花さんが家事代行サービスのシステムや料金について紹介し、「自分のために家事をやる時間の大切さ」について説いています。

家事サービスを使うと言っても

さて、本日は使ってみたいサービスのお話。

我が家も、出張のために不在になるので、ちょっと利用してみたいのが

・家事サービス

です。この家事サービス、当たり前といえば当たり前ですが

・対象サービス
・対象地域
・対象時間

が決まっているわけです。え?知らなかった?そうなんですよ。家事サービスだからと言って、なんでもやってもらえるわけじゃないんですよ。

そして、その内容は

・特定分野か なにもかも全部か
・時間ごとのサービスか 24時間ずっとのサービスか

で分けられるんです。

・特定分野×時間ごと → いわゆる家事サービス
・特定分野×24時間ずっと → 考えにくい
               住み込みの運転手やシェフみたいな??
・なにもかも全部×時間ごと → 通いの家政婦さん
・なにもかも全部×24時間ずっと → 住み込み家政婦さん

それぞれ、こういうイメージでしょうか。

そう、家事サービスは特定分野に限られているんですよ。たとえば

・掃除
・片付け
・病院の送迎
・洗濯をたたむ
・庭の草むしり

とかね。これを組み合わせることはできるんですけどね。特に多いのは

・掃除と片付け

のサービス。これに比べて、

・ちょっとだけ料理の下ごしらえをする
・ペットの散歩
・洗うところからたたんで収納するまでの洗濯一連
・家具を動かす
・子供の宿題をちょっと見る
・ワックスがけ

こういうサービスは少ないんですよ。特に、保育・介護・ペット系をちょっとだけやるみたいなサービスが少ないように思います。まあ、サービスを提供する側からすると、医療行為など規制業種ぎりぎりのサービスで難しいし、なにか事故があった場合に賠償問題になりかねないので、イヤなんでしょうね。犬の散歩だなんて、土佐犬だったらどーするみたいな( ̄∇ ̄)

でね。家事って

・その雑多さが問題

なわけで、一部だけ切り取ってもビミョーに使い勝手が悪いんだよね。掃除だけして、ペットの散歩やゴミの分別はしないとかいう人、いないよね?こういう雑多なことを全部やって燃えるゴミの日の朝が終わるわけですよ。ところが、これを家事サービスでやってもらおうとすると

・掃除の人
・ペットの散歩の人
・ゴミの分別は自分

みたいなことになるんです。いや、今度の月曜の朝は、どうしても早く出なくちゃならないから全部やって欲しいんだけど。

この願いが叶わないんですよね。

家事サービスのお話でしたね。

家事サービスは、特に

・サービス対象外の家事

をどーするのかが問題だねというお話でした。

家事は、雑多ですからサービス対象外の家事って、たくさんあっちゃうんですよね。だから、これらすべてを家事サービスでなんとかしようとすると、複数を組み合わせることになります。

そりゃ使い勝手が悪いっていうんで、次に検討されるのが

・なにもかも全部やってもらう家政婦さんサービス

です。これはサービス対象外ってことは、ほとんどないわけです。そりゃそーだ。通いの家政婦さん、住み込み家政婦さんのイメージですから。

ただ、これだと、やっぱり

・ソレナリの金額

になるんですよ。

・日給の場合は、13,000円/日(実働8時間) 通いのイメージ
・月給の場合は、26万~/月(実働12時間) 住み込みのイメージ

くらいの金額感です(調べてみた)。うーん、通いのでも月4日(週イチ)来てもらって、52,000円。住み込みだと、これはもう庶民の手が出ない金額感ですね。

ちなみに、業者を介さず直接契約する手もありますが

・お互いに苦情を言いにくい
・物損が起きたとき、家政婦に賠償能力があるか不明
・他の人にチェンジしてもらえない
・なり手がいないので金額面の交渉がしにくい(売り手市場)

というデメリットがあるんです。

うむ。まあ、どれも納得できる気がしますね( ̄∇ ̄)

ということで、結論は

・限定された対象サービスを複数組み合わせる→庶民向け
・住み込み家政婦さん→セレブ向け

ということになります。特に、限定された対象サービスを複数組み合わせて利用する場合

・使い勝手が悪いのをガマンする

ことになるでしょう。

ビミョーに使い勝手が悪くて高額な家事サービス。イマイチだよなあと思う気持ちを見透かして、こういうキャッチコピーがあるんですよ

・一般家庭でも利用される方が増えています♪

ってヤツです。いや、いいんですよ。もちろん。サービスは使うためにあるんですからね。

でも、それ、おかしくないですか?

ウチもお隣もそのまたお隣も、家事サービスや家政婦さんをお願いするんだとしたら、誰が自分で自宅の分の家事をやるんでしょうか?そう、

・誰もやらない

んですよね。

つまり、社会全体で遍く家政婦サービスが行き渡るということは

・自宅で自分のために家事をする人がいない

ということです。家事は全て外注されるってことですから。うん、別の言い方をすれば、社会の構成員全員が

・家事に使う時間がない

ということです。この時間で、仕事をしたり、さらにまた別の家事をしたりするわけです。ですが、家事サービスに全面的に依存しなければならない生活は、それ自体が

・間違っている

んじゃないでしょうか。

自分や家族の分の家事はやれるくらいの時間的余裕はあるべきです。家事とは、言ってみれば、身支度や身の回りの切り盛りのことで、誰かにやってもらうようなものではないんですよ。基本的にはね。

たまにものスゴく忙しいとき、難しい家事などは、外注するのもいいでしょう。あるいは、非常におカネに余裕のある家庭が外注するものアリです。こういう家は、庶民のうかがい知れない家事が存在しているものですしね。さらには、不得意な家事をお願いするのも問題ありません。そう、家事サービスを利用すること自体は全く問題ないんです。

ですが、一般家庭が毎日毎週外注するのは、社会全体の問題としておかしいと思いますね。

この問題を個人として解決することは不可能でしょう。社会全体がそのような仕組みで動いているんですから。せいぜいできるのは

・個人でどう対処するか

ということだけです。しかも、それだって対処法がたくさんあるわけではありません。

自分で自分の家事をやれるくらいの時間的余裕のある生活を獲得するということですが、それはおそらく

・大都市圏の会社員には無理

でしょう。日本の会社員生活は、そのくらいハードですから。言い方を変えれば、

・職業選択の時点ですでに間違っている

のです。

新型コロナのせいでStay Home時間が長くなりました。これをキッカケにして、会社員生活自体を見直してみるのはどうかなと思います。会社に行って仕事をするだけで、家事をするヒマも無くなっていたんですよ。ところが、会社に行かなくても仕事ができることが分かったじゃないですか。

え?出勤しないとできない仕事に就いている?うん、だからソコこそ、個人で対処すべき場面です。会社の中でそのような仕事をしなくていい部署やポジションに就けるよう努力するんですよ。

家事サービスを利用することには大賛成です。それと並行して、中長期的には「自分で自分の分くらいは家事をやれる時間的余裕」をゲットできるよう、人生設計を考えてみた方がいいのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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