「商品ではなく人柄を売る」とも言われる営業の世界では、お客様へのちょっとした配慮が成績を左右するもの。では、かつてレーザーFAX売上日本一を達成した営業実務コンサルタントの島田安浩さんは、どのような「気遣い」を心がけていたのでしょうか。島田さんは今回、無料メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』で、「細かな話」と断りつつも、自身が実践してきたユニークかつ「涙ぐましい努力」を紹介しています。
逆文字を書く
まあ、細かな話バッカリなんですが、逆さにお客様から読めるように字を書くって話です。
応接などでお客様と向かい合って商談をする時、字を書いて説明をしたり、カタログに書き込んで、詳しく説明をする時や、お客様から情報収集をする時に、わざと、お客さんに読めるように、「逆さ文字」を書いていました。これも、0.1%でも確率を上げるための工夫です。
たまたま、書いて説明をしていた時に、普通に書くと、お客様から読み難いだろう?って思ったわけです。だったら、読みやすく逆さに書いたら?って、やり始めました。まあ、実際は、逆さに字を書くと汚くて読み難いんですが、それでも、多くのお客さんは、「スゲぇ~」って感動したように、見るんです!「効果あり!」です。涙ぐましい努力とはこのことですねぇ~…。
私は、こんな細かなことまでやっていました。今思うと、そんなことまでしなくてもって思いますが、当時は、確率が少しでも上がるなら、って、細かな努力を惜しみませんでした。本当は、こんな話はしなくても、みんな当たり前にやっていることだと思います。だって、プロッてそういうものです。ありとあらゆることをやり尽くすのが、プロです。
営業に関しては、売上という結果が全てです。その結果を出すためには、できることは何でもやる。それが、プロです。トーク練習も、膝附接客も、逆さ文字も、別段たいした話では無く、当たり前にやることです。
でも、実際には、多くの営業を指導してきましたが、そういう細かなことをやる人間は非常に少ないというか、ほぼいないんです。だから、こんな細かなこと話しているんですが、人がやらないということは、やったら、それだけ、あなたがリードできるってことになります。
私が話している内容って、特別な事でもなんでも無く、誰でもできる話しかしていません。だって、私がやって来た話をしているから、私は普通の人間なので、誰だって出来るのです。私は天才肌の営業マンじゃないです。どちらかって言うと、どん底からトップセールスに登った人間です。しかも、理屈っぽいタイプなので、何をやって成長したと、細かなことを覚えているので、それを、あなたにご紹介し、参考にして貰えばって思っているのです。
誰でもできます。ただ、なかなかやり続ける人がいない。だから、トップセールスに成れないのです。トップセールスになるような人ッて、特別な何かを持っているというより、誰よりも、素直に、行動を繰り返した人だと思います。
結局、スポーツでも、営業でも一緒ですが、練習と試合をどれだけこなしたのか?そして、真剣に取り組み、創意工夫をした人ほど、人知れず、努力をやり続けた人ほど、上に上がっていきます。
プロの世界、努力するのは当然です。努力の先を行かないとトッププロには成れません。まずは、当たり前の努力を、プロの練習をすることです。
隠れたニーズを引き出す
営業トークとは、話させるための会話だと話しましたが、何を話させるのかというと、隠れたニーズや問題点です。裏を返せば、ベネフィットにつながる点を、お客様に話させることが、商品を売るためには、非常に有効なんです!
ベネフィットとは、目の前のお客様固有のメリットです。ということは、お客様の問題点や悩みが分かると、それを解決する機能や使い方を提供すれば、それが、ベネフィットだということになります。トップ1%のトップセールスは、これを、非常に自然に行います。
「隠れたニーズ」とは、お客様の心に顕在化していない、正に隠れている問題点です。でも、我々はプロです。プロはプロとして、お客様の現状を確認して、どこにニーズが隠れているのかを、見つけ出す目を持っていないとダメです。
使い勝手や、お使いの商品を見て、どこに問題点があるのか?どういった障害が起きやすい商品なのか、どんなクレームをお客さんに言われるのかなどなど、当然ですが把握しているはずです。その上で、「こんなことなかったですか?」と聞いてみるのです。
この質問は、メリットの裏返しじゃないとダメです。あなたの扱っている商品に関係ないものだと、意味が無いんです!ハマってくれると、あなたは、ベネフィットの提供をすることが出来るのです!こういう手法を、【ピットフォールセールス】と命名して、指導しています。つまりは、前もっていくつかの問題点を作成しておくということです。
メリットから問題点を探し出します。これは、お客様の使い勝手によって違うので、ひとつのメリットでも、問題点が複数出る場合があります。例えば、カールコードレスという、カールコードが無い電話機の場合、
- カールコードが絡まってぐちゃぐちゃになる
- 後ろの資料を取る時にカールコードが邪魔
- 打合せする時に、席に戻って電話に出るのが面倒
こういう問題が浮かびます。たった、カールコードが無いというだけですが、お客様のどんな使い方にマッチするのかは、現場でお客様の使い方を見ていないと浮かばなかったりします。落とし穴を準備して、確認するように、しかも、自然に会話をしましょう!
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