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今しかない。人間が“個数制限ギリギリ”の数まで商品を買ってしまう心理

人間の購買意欲は、思わぬことに刺激されてしまうようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、アメリカのスーパーマーケットで行われたユニークな心理学的実験の結果を紹介。そこで判明したのは、「賢くなっている」はずの消費者の、意外な判断基準でした。

「いま、買わなければ」

アメリカのスーパーマーケットで、「ショッピングの心理学」に関する実験をしました。

缶入りスープを1缶79セントで販売するのですが、2つのセールパターンでお客さまの行動を見ます。1つは、1缶79セントで個数制限を設定していない場合。もう1つは、同じ1缶79セントで、1人12缶までの個数制限つきです。

結果は、制限つきの方がよく売れたのです。制限無しでは、ほとんど売れなかったのです。不思議です。制限の無い方がお得なのに。

消費者はどんどん賢くなっているはずなのに、価格を冷静に判断していないのです。個数制限があることで、心理的に“あせり”が出てくるようです。“いま、買わなければ”と。

さらに、もっと面白い現象が起こったのです。

この缶スープを買ったお客さまの中には、大安売りの時でさえ、4~5缶しか買わないのに、この制限つきだと、買えるだけ、つまり12缶買っていく人が多かったことです。

これは、非常に興味深いことです。売れるか売れないかは、価格だけではない、ということをハッキリとわからせてくれています。

だからといって、汚い手を使っていいというわけではありません。大切なのは、お客さまに満足・納得して買っていただくということです。

お客さまに喜んでいただき、お店も喜べる方法を見つけてください。

動物の「力」

ドッグカフェや猫カフェが流行っていますが、ペットを飼えない都会の動物好きが、たくさん集まっているようです。犬や猫には、それだけの集客力があるということです。

お店の店頭に、犬や猫を繋いでおくだけでも、集客効果はあります。犬猫好きのお客さまなら、お店に用が無くても、犬や猫を見るために立ち寄ってくれます。お店に入らなくても、それが会話のキッカケになって、親しくなれるかもしれません。

少し前、猫の駅長が話題になりましたが、あの駅の周辺には何も無く、観光客が来るようなところではありません。しかし、いまだに連日たくさんの人が、猫の駅長を見るためだけにやって来ます。

動物の「力」は絶大です。

※ この集客法は、本当に犬猫の好きな方だけ、実践してください。

商品が売れない時は

チョコレート菓子「ブラウニー」を専門に売る移動販売があります。

当初は車を使って、コーヒーと一緒に販売。昼休みや3時の休憩を狙っていましたが、お客さまはつきませんでした。そこで、自転車での販売に切り替え、営業も夕方に変えたところ、1日100~140個を45分~1時間で売り切るようになりました。

営業する地域は同じなので、客層は同じ。なのに、売り方と時間を変えただけで、売れるようになったのです。自転車で売るユニークさが目を惹き、小腹が空いた夕方、帰宅時間に売ることで、お客さまの欲求と合致したようです。

商品が売れない時は、売り方や時間を変えてみるのも、ひとつの方法です。

image by: icosha / Shutterstock.com

佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント)この著者の記事一覧

なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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