長引く不況にコロナ禍と、厳しさを増すばかりの営業職を取り巻く環境。それでも実績を上げ続けている営業マンは、どのようにして顧客の信頼を勝ち得ているのでしょうか。今回の無料メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』では営業実務コンサルタントの島田安浩さんが、お客様が欲しがっているのは商品そのものではなく、商品によって得られる「あるもの」だと力説。さらに、かつては「ウリ」とも言ったお客様が欲しがっているものを知るため、デキる営業マンがしていることをレクチャーしています。
商品は欲しくない!商品によって得られる〇〇が欲しい!
実は、私は最初っから、○○を提案する営業を自然と行っていました。結論から言うと、「○○」とは「ベネフィット」です。
もちろん、ベネフィットなどという、横文字を最初から言ってはいません。昔は「ウリ」と言っていました。ベネフィットなどという、マーケティング用語を使うようになったのは、コンサルをやり始めてからです。
「商品は欲しくない」というのは、商品自体にベネフィットを感じるような商品以外という意味です。
高級ブランドやマニアが欲しがるような商品や骨董品は、それ自体にベネフィットがある場合があります。「エルメスだから買う」と言う人は、ベルトが欲しいのではなく、エルメスのベルトが欲しいのです。同じ質で、格安なものがあっても、もっと質が良くて安価なベルトよりも、エルメスを買うのです。
エルメス=ベネフィットです。
つまりは、エルメスを持つことが、優位性、自己満足、自己概念向上などという、ベネフィットを得られるのです。
そういう商品以外は、その商品が欲しいわけじゃないんです!商品を通して得られるベネフィットが欲しいのです。考えてみると分かりますが、例えば複合機を例にとると、複合機コレクターとか、複合機マニアって聞かないですよね、たぶん、朝起きて、
「今日はどんな複合機を買おうかな?」
なんて人は、世界中探しても、いないと思います。つまり、その商品を欲しい人っていないってことです。
じゃあ、なんで売れるかと言うと、必要だからです。コピーをしたり、プリントアウトしたり、スキャンするのに、どうしても、必要だから買うのです。その商品を通して得られる結果、プリントアウトできることなどを求めて購入しているだけなんです。
そして、その中でも強く望む「ウリ」をベネフィットと呼び、その為に、商品を購入する強い動機なんです。
単に、プリントアウトやスキャンやコピーは今の機種にもある。そのままだと、交換のメリットが無いので、お客さんの心は動きません。そこに、例えば、沢山の資料をPDF化するような弁護士や税理士などは、同時両面スキャンが高速で出来るのは、物凄いベネフィットになります。例えば、スマホで撮影した写真を頻繁にプリントアウトするような仕事をしている人にとっては、イチイチパソコンに取り込んで、プリントアウトするのが、面倒なんです。
それが、直接複合機に接続できてプリントアウトできるというのが、ベネフィットになったりします。
ここで、面倒な点は、
- 商品の利点 ≠ ベネフィット
もちろん、あるお客さんにハマるベネフィットが商品の利点と一致することもありますが、全てが全て、当てはまるとは限らないのです。また、お客さんによっても違うのも、面倒なところなんです。
ここで、理解して欲しいのは、商品そのものを欲しい人はいないということです。商品を購入する理由は、それを購入することで得られるベネフィットを求めて購入しているだけです。売る側のあなたが、それをよく理解しないまま営業をすると、商品説明をしてしまいます。商品を欲しくないのに、商品の説明をされても、誰も、喜ばないし、反射的に、
「売込だ!」
と拒否反応が出て、あなたは、追い返されてしまう結果になります。
商品ではなく、ベネフィットです。その為には、お客様の現状を確認し、お客様がどんなところに不便を感じているかなど、理解してから、こんな事無かったですか?と聞いてみる必要があるということです。
あくまでも、商品を売ろうとするのではなく、商品を通して得られるベネフィットが、目の前のお客様に通じるかどうかを確認する。そんな営業を心掛けてください。
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