先日掲載の「ユニクロに米国が激怒。中国ウイグル弾圧にダンマリで加速する輸入禁止」でもお伝えしたとおり、世界中が問題視する中国によるウイグル民族への人権弾圧ですが、さらなる非道な行いが明るみに出たようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国に拘束されたウイグル民族が臓器摘出の対象となっているとの記事を紹介。さらに中国の「臓器狩り」を告発する報告を列挙した上で、これらの行為が国際的な制裁の対象になる可能性を指摘しています。
【関連】ユニクロに米国が激怒。中国ウイグル弾圧にダンマリで加速する輸入禁止
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年6月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
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【中国】今度は中国の「臓器狩り」が世界的な問題になりつつある
中国政府によるウイグル人ら少数民族への強制労働問題に対する国際的な批判が高まっていますが、今度は、国連の人権専門家が、中国で拘束されている少数民族が強制的な臓器摘出の対象とされている可能性を示す「信頼できる情報がある」と発表しました。
中国が拘束したウイグル人などの少数民族や、非合法化されている機構集団の法輪功の信者たちから無理やり臓器を取り出して、医療関係者に売りつけているという話は、ずいぶん前からありました。とくにイスラム教徒のウイグル人は酒もタバコも吸わないために内臓が健康であるため、「需要」が多いとされています。
加えてイスラム教徒は豚肉を食べないなど、食事についての制限があるため、ウイグル人たちの臓器は「ハラール臓器」として、中東の金持ちに高額で取引されます。そのため中国政府は2017年に全ウイグル人に対して遺伝子検査を行い、生体臓器データベースに登録し、いつでもドナーとして臓器を提供できるようにしていると、専門家たちは報告しています。
臓器提供者に選ばれたウイグル人は、逮捕状もないままに拘束され、幸運であれば臓器を摘出されるだけで済みますが、必要な臓器によっては裁判もなしに処刑されて、体内から臓器を取り出されることになります。また、麻酔なしに臓器摘出されることもあるといいます。
中国では金さえ払えば、ドナーが数日以内、最短では数時間で見つかります。欧米であれば数ヶ月はかかりますが、中国ではあっという間に調達できます。
もちろん中国は、こうした報告を完全に否定しています。しかし、中国政府の発表する臓器移植の数字は矛盾だらけです。
2016年、カナダやアメリカの検察官やジャーナリストらの調査チームが中国で臓器売買の実態を暴露した『Bloody Harvest/the Slaughter: An Update(血塗られた収穫・虐殺の最新報告=仮訳)』を出版しました。
それによれば、中国の公式発表では2010年の自主的臓器提供者は34人にすぎず、2018年でも公式統計上の自主的臓器提供者は約6,000人にすぎませんでしたが、実際には天津市の第一中心医院だけでも年間6,000件の臓器移植が行われており、臓器提供者の数があまりにも少なすぎると指摘、中国全土で数万件の臓器移植が行われており、臓器の闇売買が行われていると告発しています(「ウォール・ストリート・ジャーナル」2019年2月6日付)。
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かつて、中国は死刑囚をドナーとして臓器を摘出していました。このことは中国政府も認めていますが、2015年にはやめたと主張しています。
一方で、中国衛生部の元副部長で中国人体器官捐献与移植委員会委員長の黄潔夫氏は、中国での臓器移植は2020年に世界最多となり、アメリカの年間4万件を上回るだろうと述べており、その臓器はどこから来るのか、疑問視されています(前掲「ウオール・ストリート・ジャーナル」)。
中国には自主的な臓器提供の伝統はありません。加えて、たとえ死刑囚がドナーになっているとしても、中国での死刑執行は公式には年間数千件程度しかないため、数が合わないのです。中国政府は大量の臓器がどこからきているのか、ドナーが誰なのかといったことについて、まったく説明していません。
そのため、大半の臓器は拘束された少数民族や法輪功の信者などから取り出されたものだと目されているのです。実際、新疆ウイグル自治区出身の元外科医、エンヴァー・トフティ氏は、処刑されたばかりの囚人から肝臓と腎臓を摘出するように命令され、まだ心臓が動いているなか、それを実行したと暴露しています。臓器摘出後は固く口止めされたといいます(「NEWSポストセブン」2019年9月15日付)。
● 「中国臓器狩り」戦慄の手口 亡命ウイグル人の元医師が激白
中国の臓器売買ビジネスは年間3兆円の規模だと言われています。中国の非合法な臓器摘出を告発する報告は、枚挙に暇がありません。
日本でドナーがなかなか見つからないため、中国で危ない臓器移植をするということになれば、それは犯罪に加担することになることを忘れてはいけません。
台湾人医師は、中国の臓器移植ビジネスの最新事情をよく知っています。そのため自分が病気になり臓器移植が必要となっても、人道的な配慮から、ドナーを求めて中国に渡ることは非常に少なく、そのまま死を迎えるケースが少なくありません。それは、日本の古風を守り続けているからでもあります。
加えて、台湾人は中国を訪れているとき、いくら病気にかかっても、よほどのことがないかぎり中国の医療機関を避け、台湾に帰って診てもらうことがほとんどです。それは中国の病院を信用していないからです。台湾人が中国の病院で診てもらったら強制入院させられ、麻酔で眠らされて臓器を盗まれるという事件が報じられたことがありました。
2018年には、スイスで予定されていた人体標本の展覧会が中止になりました。同展で出展されている人体標本が、中国当局により拷問死した法輪功のメンバーである可能性が高いという申し立てがキリスト教団体からあったからです(「AFP」2018年10月17日付)。
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6月13日に閉幕したG7サミットでは、新疆ウイグル自治区での人権侵害を念頭に、強制労働の根絶への連携を強化するという首脳宣言が出されました。10月のG7貿易相会合に向けて、対応策を検討することになりました。
● G7、「強制労働」で対中圧力 ウイグル弾圧、日本に影響も
すでにウイグル人を強制労働させてつくられた新疆の綿を使用した疑いのあるユニクロのシャツが、アメリカで輸入停止処分となっています。G7での宣言は、これをさらに他の先進国にも広げていこうという動きに他なりません。
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首脳宣言では「農業、太陽光、衣料品」の分野で、ウイグル人の強制労働の疑いがあるとされています。そのため、製品がウイグルでの強制労働に関連していると目された場合、ユニクロ同様、アメリカをはじめ各国で輸入停止となる可能性があります。
これまで中国の臓器狩りについては、マスコミに報じられたり、各国議会で問題にされることはあったものの、いまひとつ、広がりませんでした。しかし、ウイグル問題が国際的な関心を集めている今、この臓器狩り問題が世界的な批判となり、制裁対象になる可能性も出てきたといえるでしょう。
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