兵士を自動追尾して爆殺。殺人AI兵器をリビア内戦で実戦投入か

 

【サーチ&リサーチ】

* 2016年の記事から。既に米軍は遠隔操縦の無人機による攻撃を多用していた。

2016年7月21日付
タイトル「米ロボット爆殺 アトムを泣かせるな」の社説。

米ダラス市警がロボットを無線操縦して狙撃犯を爆殺した例と米軍が多用する無人機攻撃を念頭に、次の記述。

「『殺人ロボット』をめぐっては、国連の特定通常兵器使用禁止制限条約・自律型致死兵器システムに関する第3回非公式専門家会議がこの4月、ジュネーブで開かれ、議論している。今は米軍が目立つが、独裁政権やテロ組織が手に入れ、利用する可能性もある。産業用ロボット大国の日本は、アトムが象徴する理想を説き、早期の規制導入を訴える必要がある」と訴えている。

* 2019年、創価学会や公明党が「自律型AI兵器の規制」を提言したり、禁止条約を求めたりしている。

* 国際的には「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」の枠組みで議論が行われており、「日本もAIを活用した防衛装備品を研究し、無人警戒機や偵察機の配備は予定しているが、政府は作業文書で、規制対象を『致死性があり、有意な人間の関与がない自律型兵器』と明記。安倍晋三首相は『わが国は開発しない』と表明している」という。

* 2019年9月、《東京》は再び社説でこの問題を取り上げる。

2019年8月26日付社説
タイトル「殺人ロボット 企業も『ノー』と言おう」のなか、次の記述。

「自動で標的を識別して攻撃の判断をする兵器を自律型致死兵器システム(LAWS)と呼ぶ。一昨年秋から規制のために、国連の政府専門家会合が開かれている。22日に『攻撃の判断に人間が関与すること』を柱にした指針がまとまった。LAWSは現在、米国や中国、ロシア、イスラエルなどが競って開発している。従来の先端兵器は主に軍人が操作したが、LAWSは人の関与がなく、AIがすべてを行う。本紙はロボット先進国の日本が禁止を働き掛けるよう主張していた。政府が今年『完全自律型の致死性を有する兵器を開発しない』と宣言したことは評価したい」とするが、「指針ができたことで、倫理的な歯止め効果は期待できるが、法的拘束力のある条約化を目指してほしい」とも。

* 2019年9月14日未明、サウジアラビアの石油施設に対してドローン18機と巡航ミサイル7機による攻撃が行われる。

2019年9月20日付
記事は、軍事ドローンの源流をベトナム戦末期に米軍が使用したスマート爆弾(カメラ付きの誘導弾)に求めている。技術が進化したのは湾岸戦争で、ピンポイント爆撃が盛んに喧伝されると共に無人機が登場し、米中枢同時テロの後、アフガン戦争やイラク戦争、シリア内戦で軍事ドローンが多用されてきたとする。「誤爆」も多いドローンだが、今やドローン兵器を所有する国は70数カ国に拡散している。

国際的な批判は高まっており、アムネスティーは「米国の無人攻撃は国際法違反の疑いがある」と指摘。

2020年1月5日付
タイトル「AI兵器規制へ国際会議 20年度 外務省 論議主導狙う」の記事中、以下の記述。

「防衛省は、各国の無人機開発がLAWSに発展する可能性を防衛白書で紹介している。日本は、人間が全く介在しない殺傷兵器は開発しないとするが、人為的ミス減少や省力化の観点からAI兵器には意義があるとしている」と。

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