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YouTube漬けの子どもに怒る毎日。約束を守らせるにはどうすれば?

現代の子供たちを夢中にさせている動画共有サービス「YouTube」。子育てしているお母さんにはありがたい反面、困ったことも多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者のパピーいしがみさんが「YouTube漬けの二人の娘に悩んでいる」というお悩みに回答。子供になめられない母親になるためにさせる「約束」とはどんなものなのでしょうか?

YouTube漬け?

こんばんは。パピーいしがみです。

先々週に「新しい試みとして音声の配信をしようと思ってます」とお知らせして、夏休みも近いので、夏休みに関する事でも、もちろん別の質問でも構わないのでご連絡ください…とお伝えしましたら、思ったよりたくさんの方からご質問を頂きました。ありがとうございました。

音声配信については、まだ準備中なのでもう少しかかりそうですが、でも「これ、早めにお返事した方がいいな」と思う内容がありましたので、今日はそれについてお話させて頂こうと思います。

その早めにお返事した方がいいと思ったのはYouTubeに関する事です。

以前、子供の成長に支障を与えるほどの誘惑の筆頭は“ゲーム”でした。今もそれは変わりないかもしれませんが、そこにぐんぐん近づいている(もしくは追い越した)存在がYouTube。今や子供を惑わす二大巨頭となりました。おまけにその問題はどんどん低年齢化していています。このメルマガをお読みの方の多くが同様に感じていると思います。

頂いた文面はこうでした(ハンドルネームの記載はお忘れになったみたいです)。

初めまして。よろしくお願いします。

小学校2年生と年中の2人の娘を育てています。私が仕事をしているため、上の子は学校後は学童。下の子は保育園を利用しています。帰宅後の2人の娘のYouTube漬けに悩んでいます。

・帰宅 → すぐにYouTube → 夕飯 → またYouTube → お風呂 → YouTube → 就寝

毎日、合計2時間くらいです。やめさせようとすると、ものすごい勢いで怒り出します。時間を何度も約束していますが、全く守れないです。約束したことを紙に書かせてもいるので、それを見せたりしますが効果ゼロ。

学校の宿題や習い事の練習もやらずにYouTubeをみているので、こちらもイライラしてしまい、親子ゲンカになってしまいます。スマホやタブレットはどうしたら短時間で切り上げさせられるのでしょうか?

多分、同じようなお悩みを持っておられる方は結構多いと思います(実際に同様のお悩みが複数ありました)。

これを読んで、私が「これは早くお返事しなければ」と感じたのは、このままだとこの先本当に困るぞ!という将来的な危機感からです。

と言いますのも、問題はYouTubeにとどまらず、今の状態だと、子供が3年生、4年生…と年齢が高くなった時にはさまざまな問題が現れてきて、収拾がつかなくなるでしょうし、それに下の子は上の子の態度を見ていますから、下の子も上の子と同じような態度をしてきます。それを想像しただけでもかなり大変だと予想できます。

でもその原因は…実は、お母さんのイニシアチブ(主導権)なのです。

ゲームやYouTubeは、子供にとって強烈な誘惑なので、子供が自分でその誘惑に打ち勝つのは、ありえないほど難しい事です。ですからご相談にあったように「やめさせようとすると、ものすごい勢いで怒り出す」し「親子ゲンカになってしまう」ほど子供は抵抗するのです。

結果的に宿題はできているのか?、すべきことはやっているのか?は分からないのですが「全く守れていない」のが今の状態だとしたらとても心配です。もしそうだったら子供は「約束なんて守らなくていい」「お母さんが怒ろうが私は好きな事だけする」との考えを持ちながら成長してしまうことになるからです。ですから子供が、すごい勢いで怒り出そうが、泣きわめこうが毅然とNO!を貫かなければなりません。

ですが、このお母さんも頑張っています。「時間を何度も約束しています」「約束したことを紙に書かせてもいます」と書かれていましたね。それでも「全く守れない」「書いた紙も効果ない」とありました。きっと約束には

1.学校から帰ってきたら、最初に宿題をして明日の準備をする。
2.スマホ・ユーチューブは1日、〇時間。
3.ご飯やお風呂など、言われたらすぐに止めて行動する。

などと書いてあるのかもしれません。約束を明文化するのはとても大事で、特に子供にそれを書かせる事は非常に良い事です。ですが、ちょっとだけ残念で、これだけ誘惑の強いものは、約束を書かせるだけでは足りないのです。

多分、下の子はまだ約束の重要性はわかっていない(これから学んでいく)と思いますが、2年生のお子さんは、わかっているけど「ごねれば自分の思い通りになる」とわざと親の注意を聞かない態度なのですね(なぜなら、幼稚園や、小学校でも約束がありますし、そこではきちんと守っていたはずだからです)。

という事は、長女さんは「約束がある」「自分が書いた」のに、それをわかっていながら無視しているわけです。これって約束の意味がまだよく分かっていない次女さんよりもずっと大きな問題で、早い話が「お母さんの小言なんて無視したって平気」って完全に舐めている状態なんですね。なので親が「約束したでしょ」「ここにこうやって書いたでしょ」と、それを見せたって、それが誘惑を断ち切れるほどの力にならないのです。ですから、今しなければならない事は「親の威厳を取り戻す」ってことなんです。でもそれができればスマホやタブレットだけでなく、すべての事に波及していきます。

では「親の威厳を取り戻す」ために何をするか?ですが、まずしてほしい事は、その明文化した約束の最後に「もしできなかったら…」という文言を入れておく事です。3項目の約束だったら、4項目目に「もし約束が守れなかったときは〇〇する」と記載しておくのです。

私がやったのは(当時はゲームでした)「もしできなかったらゲームを破壊する」でした。ですがスマホやタブレットは高価でもありますし、親も使うとしたらハンマーで叩いて壊してしまう、なんてできないでしょう。でしたら「もしできなかったら即刻取り上げて、1週間使えない」でも結構です。子供と話をして子供の言葉として「できなかったらどうするか?」を(できれば子供に書かせて)記載してほしいのです。その時、くれぐれもお願いしたいのが「脅しではなく、本当に遂行する」という事です。ですから“できない約束”ではなく必ず実行できる約束にしてほしいのです。

そして心構えとして「必ず子供は約束を破る」と頭に入れておいてほしいです。そう言うと、子供が「必ず約束を破る」と考えるのは親としてはどうなの?とか「子供を信用しないの?」と思う方もおられるかもしれませんが、子供はまだまだ未熟な状態なのですから「自分を律する」なんてできる子の方が珍しく、特に誘惑の強いものには負けてしまうのが当たり前なんですね。そして、それができるように日々勉強しているのが「今」なんです(他の失敗と同じで失敗を繰り返して成長するのです)。ですから約束を作る時には、最初から「約束は守れない」と「必ず実行する」を前提にお考えいただきたいのです。

でも、その考えがあれば、子供が約束を守らない時もイライラしませんし、約束が守れなくても「まだ難しいよね。でも大丈夫。想定内です」と冷静に次の対処をすればいいだけなんです。そして、子供が約束を破った時「もしできなかったら…」に書いたように、冷徹に、躊躇なく、約束通りに遂行してください。

先ほど「脅しではなく、本当に遂行する」と申しましたが、この時にもう一つ気を付けてほしいのが、「まあ、今回は見逃してあげる。でも次は絶対だめだよ」という親の譲歩です。実はこの譲歩をしてしまう方が本当に多いのが現状です。どうしても「かわいそう」になってしまうのですね。その気持ちは痛いほどわかります。誰だって子供の怒る顔や泣き叫ぶ声を聴きたくないですから。

でも、これをやっても子供には何の学びにもならないだけでなく「やっぱりお母さんは甘いわ。親をコントロールするのなんて簡単だ」と思わせてしまうのです。当然、次に何か約束事を破っても「今回は見逃して」と言う様になりますし、約束事自体に「1回ぐらいいいでしょ」と考えるようになるのです。はい。もう、お気づきだと思いますが、子供が学ぶチャンスの時に、親がきちんとした態度を取らないと、子供の学びを邪魔をすることになるのです。

今回、「2人の娘のYouTube漬けに悩んでいる」とご連絡を頂いたのですが、実はこれ、「2人の娘に約束の大事さを教える絶好のチャンス」なんですね。そして今回のハードルをきちんと乗り越える事ができれば、長女さんの今後も心配いらないですし、次女さんが長女さんを真似して酷くなるという事はありません。

ですからまずは今、書かれている約束に「もし約束が守れなかったら…」という項目を入れてください。そして「できなかったら本当にやるからね」と釘を刺しておいてください。(今までも守れなかったのですから)その項目を入れても、間違いなく守れないと思いますから、「守れない」となった時は、その「守れなかった時」の対処を粛々と実行してください。

でも娘さん達は自分の力の限り抵抗します。大声で泣き叫ぶかもしれません。怒って暴れるかもしれません。その時には、約束の「できなかったら」の項目を指して「ここにこう書いたでしょう」「約束ってこういうものだよ」「自分で決めた事。絶対に守りなさい!」としっかり叱って、絶対に折れないで欲しいのです。

親子喧嘩をするのではありません。親は一段上から「ダメなものはダメだ!」と堂々と、そして敢然と立ち向かってください。多くの子供はそんな親の姿勢を見て圧倒されます。それでも子供たちが抵抗したり、文句を言うようでしたら「それだけ舐められているんだ」と思ってください。

ですが、それは悪いことではないのです。甘えられることは大事で、甘える事が出来たからこそワガママも言うのです。でも、もう今は「それ以上のワガママはダメですよ」と教える時期なんです。ですからそこで「何があっても絶対に折れない」「子供に約束の意味をしっかり教えるんだ!」という覚悟で臨んでほしいのですね。

では、そうやって子供の要望にNO!を突き付けた時、子供のとの関係はどうなると思いますか?そこから悪い方向に向かうのでは?と不安になりますか?実は全く逆なんです。特に長女さんは自分の間違いをわかっています。自分がごねたり怒ったりすることで譲歩されるのはおかしいと知っています。

そこで「ダメなものはダメだ!」と絶対に動じないお母さんを見て、「やっぱりお母さんは正しかった」「そうだよね。約束は破ったらだめだよね」と(素直に態度には表さなくても)親の真摯な姿を理解するのです。そして、それこそが親への信頼と尊敬に向かうのです。

今が「子供たちに約束を教えるチャンス」です。是非、貫いて「約束の意味」を教えてあげてくださいね♪

ちなみに「ゲームを破壊」したことは、下記のメルマガに書いてあります。

第109号 もしもゲームをねだられたら…?

最初から約束を守れない事を予想していたことも記載していますので是非、読んでみてください。

image by: alif_Osman / Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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