長らくデフレから脱却できずにいる日本ですが、アメリカでは加速するインフレへの懸念が高まっているようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、ここ最近激増したというインフレに関連する記事を、ニューヨークタイムズの表題を引く形で紹介。さらに「日本への影響はない」とする記事に対して異を唱えるとともに、その理由を記しています。
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忍び寄るインフレ、バイデンフレーションへの恐怖
海外の新聞報道で「インフレ」に関連する記事が激増しています。最近のニューヨークタイムズの表題を見てみましょう。
7月28日
インフレは共和党とバイデン大統領の支出をめぐる新たな争点に
共和党は、バイデン大統領の支出計画がインフレを招くとしていますが、ホワイトハウスは、この提案がコスト抑制に役立つとしています。
7月26日
インフレは到来したが、ワシントンは物価上昇を抑制しようとはしていない
6月までの1年間で5.4%上昇した消費者物価指数をはじめ、さまざまな指標でインフレ率が上昇している。
7月22日
家賃の上昇がインフレを促進する恐れ
米連邦準備制度理事会(FRB)やホワイトハウスの関係者は、急激な物価上昇は過ぎ去るものと考えていました。家賃の上昇は、それをゆっくりと衰退させる可能性があります。
7月15日
インフレをどれだけ心配すべきか?
最近、手頃な車や新しいアパートの賃貸契約のために市場を探し回らなければならない人は、気付いているかもしれません。物価が高くなっているのです。
7月14日
パウエルFRB議長、インフレ率の上昇が数ヶ月続くと予想
ジェローム・H・パウエルFRB議長は下院議員に対し、パンデミックからの再開に伴いインフレ率が「顕著に」上昇し、今後数ヶ月間は高止まりした後に緩やかになる可能性が高いと述べた。
7月14日
インフレが「一過性」でないとしたら?
物価上昇はしばらく続くと考える専門家が増えている。
7月13日
物価が再び急上昇、FRBとホワイトハウスはインフレ懸念の緩和を求める
消費者物価指数は6月までの1年間で5.4%上昇。中古車価格が急激に上昇したことで急上昇しました。
7月9日
インフレが再燃した場合の資金管理方法
長期投資家は、標準的な分散型株式・債券ファンドに固執することを望むかもしれませんが、インフレがコントロールできなくなることを心配する人のために、ヘッジ手段が用意されています。
7月8日
欧州中央銀行は、インフレ対策の戦略を変更
フランクフルトの欧州中央銀行本部は、公式目標である2%を超えるインフレが一時的なものと思われる場合には、それを容認すると述べた。ユーロ圏のインフレ率はここ数カ月、中央銀行の目標である2%前後で推移している。
【参考】Inflation Is New Battle Line as Republicans and Biden Spar Over Spending
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上記はこれでもごく一部です。本当に多くの記事が掲載されています。そして争点は3つあります。
- このインフレは一時的なものか
- このインフレはバイデン大統領の政策に起因するのか
- インフレを抑える政策をとるべきか
バイデンの政策のためにこのインフレが起きていると主張している人は、「バイデンフレーション」と呼んでいます。その中で日本についての言及もありました。
7月15日
インフレ?日本ではありません。それは米国への警告です
日本経済は、物価上昇を促す政策にもかかわらず、デフレに悩まされ続けています。
日本ではインフレの心配はない、との記事です。
しかし日本への影響は大ありです。
コロナで引きおこされると心配された都市部の地価の下落、世界的にそれほど起こっていません。
私から見ると理由はインフレ懸念です。現金に対する信頼感がなくなるなかで流動性の高い都市部の土地の需要が確保されているのです。世界中の大都市の地価が高いので相対的にまだ低く見える東京都市部の地価も維持されているのです。
つまり今、米欧にある深刻なインフレ不安が、間接的に東京や他の日本の都市部の地価の下支えになっていると考えます。
世界は心理的に非常に不安定な状態になっています。アンテナを張っていなければなりません。
(メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 8月1日号より一部抜粋)
社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために
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