危機管理の方法
危機時には守る優先順位を決めておき、優先順位の高いものを最初に全力で守り、それが守られたら、次の順位の課題を達成するように政策を打つ必要がある。
一番、優先順位が高いのは、勿論人間の命であり、これがある程度守られたら、次の経済を守ることである。経済が沈滞すると貧困層は命に関わるので、給付金や食事・住居を支給して、命を維持してもらい、命の危険がなくなれば、次の経済の回復をすることである。
命も経済も維持できたら、秩序や文化などを追求すればよい。理想の姿にするのは、最後である。この優先順位が狂っている状態が続くと、民心は離れていくことになる。
危機時になったら、複数のシナリオを用意して、そのシナリオの現在どこに位置しているかを認識して、シナリオを選び、それを皆に周知して、それぞれの持ち場での役割を決めるのと準備を事前に取れるようにしておくことである。もし、想定外の状態になったら、再度、危機シナリオを複数、用意することである。
シナリオをフローチャート化して、皆に周知して、共通認識化しておくことである。それぞれに対してのスケジュールを作り、そのスケジュールを定期的に確認することと、状況の変化も定期的な会議で皆に周知することだ。関係する分野の人を集めて、会議を開く必要がある。それも階層ごとに定期開催することだ。
制御不能時でもシナリオ化しておけば、迅速に対応法案の準備ができたはずである。国民への周知もしないといけない。そして、これは野党も同様なシナリオを作り、自民党政権の失敗時、政権交代しても、即座に対応策が打てるようにしておくことが重要だ。
しかし、昔から危機時の対応が難しいので、危機に対して、リーダーの考え方が重要であり、リーダーのあり方が論議されてきたのである。東洋思想には、その知恵が詰まっている。
江戸時代までは、武士階級、リーダー層は、素養として身に着けていたし、戦前までは、知識人の多くが素養を持っていた。しかし、今は、だれも顧みないようだ。
そのため、危機時の対応はできないのであろう。特に菅首相は、苦労人で、素養を付ける時間がなかったと思う。その時は、素養のあるアドバイザーに教えを乞うことである。
私は基本的に理系であり、文系ではないので、十分な素養があるとは思っていないが、日本のトップにある方々には、東洋思想の素養を持ってほしいと望むだけである。
さあ、どうなりますか?
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image by: 首相官邸