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まるで魔法。国語力が伸びるうえに親子関係も良くなる6つの方法

いつも仕事で忙しく、ついつい子供の勉強を見る際に叱ってしまうお父さんやお母さんは多いのかもしれません。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、子供の国語力を伸ばしながら親子関係も良くする方法を「6つ」も伝授しています。

子どもの国語力を「グングン」伸ばし「親子関係も良くする」魔法の手法

子どもが「書くのを自分から好きになる」方法とは

お子さんの日記や作文を、お父さんたちは読んだことがあるだろうか。忙しくて、日頃子どもとあまり話す機会のないお父さんほど、子どもの書く文章を読んで「字が雑だ」「もっと漢字を使え」「意味がわからない」などと叱ってしまうのではないだろうか。

実は、お父さんが我が子の日記・作文に目を通したときこそ、子どもの国語力を伸ばす絶好の機会なのだ。学力を伸ばすだけでなく「親子関係も良くなる」、とっておきの方法を今回はお教えしよう。

書くという行為は、大人でも簡単ではない。わかりやすい文章を書いたり、自分の気持ちや感想を書くことは難しく、二の足を踏む読者も多いのではないか。だから子どもが自分の気持ちや感情を表現するというのは、とても高いハードルだ。

ここで「一所懸命書いたものを叱って」いては、子どもは書くことを嫌いになってしまう。一番大切なことは、書くことが好きになり、自信を持って、どんどん書けるようにしてやることだ。「好きこそものの上手なれ」というではないか。好きこそが、上達の一番の近道だ。

子どもの日記や作文はほめることに徹する

子どもや若者、女性に対し、批判したり小言を言いたくなるのが男性一般の性質だが、ここはひとつぐっと我慢。子どもの日記や作文をほめることに徹しよう。一切、否定的なことは言わない。どんな小さなことでも見つけ出し、共感を持ってほめる。

「とてもわかりやすく書けているね」
「自分らしい気持ちがよく出ているね」
「いつも面白い作文を書くね」
「文章を書くのがうまいね」
「読んでいて楽しくなったよ」
「様子が目に浮かぶように書けているね」
「会話の部分が活き活きとしているね」

などなど、どんなことでもいいからほめて、子どもに自信を持たせよう。大人だって文章や手紙をほめられると、妙にうれしいものだ。

内容についても批判しない。例えば日記に「今日、A君とケンカした」と書いてあっても、「ケンカなんかしちゃダメだろう」でなく、「お父さんも子どもの頃、けっこうケンカしたな」とか「今も職場でちょっとケンカ状態なんだよ」と自分の体験を話してやると、子どもは喜ぶ。

国語力を「グングン伸ばす」漢字100点テスト

どんな場合でも「ほめる」ことと合わせて、お父さんならではの、「国語力を伸ばすちょっとしたアイデア」をお話ししよう。

まず第一に、「漢字100点テスト」だ。大学ノート1冊を用意して、「明日から1日1問漢字テストをやろう」と、子どもに切り出す。このテストは文字通りのテストではなく、必ず100点の取れるテストだ。100点を取らせることが目的といってもいい。

1日1問から始めるのが原則。「明日、この字をテストするよ」と、その場で紙に書いても、指書きしてもいいが、テストする字を予告する。例えば「道」という字をテストするなら、次の日、大学ノート1ページに大きく「道」を書かせ、花丸を付けて、100点と書く。

もし、自信がなかったり、あやふやならば、指書きなどでおさらいして、正解できるように工夫する。そして次の日の問題をまた1字教えて、復習しておくように伝える。

漢字テストは、とにかく「ほめて100点」がコツ

正解したらほめて、毎日、花丸と100点を付けてやる。これを2週間ほど続けて間違えることがなくなったら、2字に増やす。

2字とも正解したら、50点ずつで100点を与える。100点が続くと、子どもは100点を取りたくなるものだ。学校のテストではそう簡単に100点を取れないので、だんだん自信を付けてくる。

15日連続正解なら、「15回連続100点の新記録だ。どこまで連続記録が伸びるかな」と、子どものゲーム感覚をくすぐりながら、やる気にさせてやる。

2字もいけると思ったら、3字、4字と増やしていくが、大切なのは無理をしないこと。漢字を覚えさせることより「100点を取らせること優先」気持ちで、せいぜい1日5字程度にしておいたほうがいい。

ノート1冊が60ぺージほどだから、2か月続ければ、1冊丸ごと100点と花丸で埋まる。そのことが大切なのだ。

1~5字といっても、毎日学習すれば2か月で150字は超える。たいしたものだ。もちろん11だけでは全て覚えられないから、苦手な漢字は何度か繰り返せばいい。

間違ったときも、叱らない。「惜しいな。連続記録が14回で途切れたね。また、新記録に挑戦だ」と励ましてやる。

1日1字なら朝のちょっとした時間にできる。平日は「朝も夜も子どもと接する時間がない」お父さんなら、ノートにちょっとしたコメントを書いて、子どもを励ましたらどうだろうか。問題は付箋でノートに貼っておいてもいい。

大人も楽しめる国語辞典クイズ

第二に、「国語辞典クイズ」をお勧めしたい。すでに知っている言葉を子ども用の国語辞典で調べ、なぞなぞクイズのように出題するのだが、大人でも新しい発見があって面白い。

「同じ親から先に生まれた男の人」

もちろん正解は「兄」だが、それではこんな問題はどうだろうか。

「日の出に向かって南側に当たるほう」

正解は「右」だ。意外とわからなかった人もいるのではないだろうか。右という意味の説明に、「そういう表現の仕方もあるのか」と気付くだろう。それでは、これはどうだろうか。

「算数の式を解いて答えを出すこと」

正解は「計算」。これらは小学生に一番使われているとされる『例解学習国語辞典』(小学館)からの出題だが、簡単な言葉ほど、子どもに説明するのは難しいとよくわかる。

子ども用の国語辞典は使いやすく、わかりやすく作られているので、大人でも役に立つ。休日など子どもといっしょにゲームのように遊ぶだけで、国語力が身に付く。

テレビや本、教科書などで出てきた言葉を、辞典で調べることも大切だ。例えば「芸能人」とか「タレント」など当たり前に使っている言葉も調べると、「才能、素質」などという意味があるのかと子どもたちは妙に納得する。

出題したり、調べた言葉にマーカーで色を付けるようにすると、どれだけ辞典を引いたか一目瞭然で、次第に親が言わなくても自分で辞典を引くようになる。

新聞の「読者の声」をネタに会話

第三に、面白いと思った新聞記事などを読み聞かせたり、一緒に読むと、子どもの知的好奇心を刺激できる。

小学生向けの新聞が一番いいが、大人の新聞でも「読者の声(投書欄)」や「コラム」「マンガ」「文化面」などで子どもが興味の持てる話を見つけたら、記事を読んで説明し、話し合おう。

特に、「読者の声」がお勧めだ。この覧には読者の主張や賛否の分かれる意見が載っているので、子どもも面白がる。ときには小学生や中学生の投稿を載せたり、子どもたちの投稿特集を組んでいることもある。

読者の声をネタに子どもたちと話し合うと、子どもの興味の幅が広がる。子どもが自分の意見を述べたら、「それは面白い意見だね。そのことを日記に書いてみたら」と、うまく書きたくなるように促す。

書くことを習慣付ける上では、親子日記が本当は一番効果的だ。6回目のコラムで「国語力を大幅にアップする親子日記」として書いたので、ご覧頂きたい。書いたり会話する中で、ことわざを使えると子どもも面白がる。「親子の会話でことわざを使おう」に書いたので、参照してほしい。

毎日の生活で、楽しみながら書ける機会を作ってやることが大切で、簡単メモ程度の手紙や、カードのやりとりを習慣にしておくことは、国語力のアップに役立つ。

子どもの卒業式には手紙を送ろう

例えば、次のようなことを実践している家庭もある。

お母さんの誕生日に、お父さんと子どもでお祝いのカードを書く

お父さんのお弁当に、お母さんと子どもで簡単な手紙を添える子どもの誕生日に、手紙やカードを送る子どもの運動会などを見た感想を書いて、子どもに渡す

家族間の連絡事項を、ホワイトボードに書く

特に節目には、父から子へ手紙を書くことをお勧めする。卒業式など、6年間を振り返った思いを面と向かって言えなくても、手紙なら書けるものだ。

返事を期待せずに書くことが大切で、子どもはこうした手紙を大事にするし、親に対する愛情や信頼感を強く感じる。親が節目に手紙を送っていれば、その喜びを知っている子どもも、何かのきっかけで親に手紙を書くようになるかもしれない。

親に書かないまでも、少なくとも、友だちや知人に手紙を書き、周囲から信頼されるような大人になるだろう。そのことが重要なのだ。

初出「親力養成講座」日経BP 2009年4月14日

image by: Shutterstock.com

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5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞!家庭教育メルマガの最高峰。教師生活23年の現場経験を生かし、効果抜群の勉強法、子育て、しつけ、家庭教育について具体的に提案。効果のある楽勉グッズもたくさん紹介。「『親力』で決まる!」(宝島社)シリーズは30万部のベストセラー。

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【著者】 親野智可等 【発行周期】 不定期

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