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我が子を「親ガチャ」などと言い出す子どもにはさせない方法

テレビでもよく取り上げられる、中高生の間で流行している言葉「親ガチャ」。子供が自分の親を非難する際に使われる言葉のようですが、親からするとショックの大きい言葉であることは間違いありません。そこで、今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者であるパピーいしがみさんが「我が子が親ガチャのようなひどい言葉を使っていたらどう対応するか」について論じています。

親ガチャ

こんばんは。パピーいしがみです。

お彼岸と十五夜が終わって、朝晩がかなり涼しくなりましたね。暗くなるのもどんどん早くなって、秋が訪れているな~と感じます。

コロナも収まってきて、急激に感染者が減っているようですが、そこで今、よく耳にするのが「親ガチャ」という言葉です。テレビでも取り上げられて、議論をされているので、ご存知の方も多いと思いますが、私が初めて聞いたのは、約半年ぐらい前の事でした。

「親ガチャ」とは、カプセルトイの呼び名「ガチャ」と、子供は親を選べない、という意味を掛けて、子供が親を非難する言葉として「親ガチャ失敗」のように使うのだそうです。

これを聞いた時、なんと酷い言葉が生まれたものだと、久々に落胆というか、怒りを通り越した虚しさを感じました。もし子供からそんな言葉を聞いたら、親としては膝から崩れるほど大変なショックを感じると思います。

私がその言葉を聞いたのは、ヒロさんからのこんなご相談でした。

パピーさん、こんにちは。今日は、お聞きしたいことがあってメールを差し上げました。お急ぎやお困りのご相談が多かったら後回しで結構です。

コロナになって、あまり人と会うのもはばかれるので、姉とズームで話をするようになりました(姉には高校生の女の子と中学生の男の子がいますが、パピーさんを紹介してくれたのはこの姉で、二人の子供もいい子たちです)。

「実家で暮らす父母を時々見に行きたいけど、今年もちょっとね~」なんて話をしていた時、姉が「そうそう。親ガチャって知ってる?」と言い出しました。

もちろんそんな言葉は初耳だった私は「え、何それ?」と聞くと、「今ね、高校生ぐらいで普通に使っている言葉みたいで、もっとお金がある親だったら?とかもっと美形な親だったら?とか、もっと自由にさせてくれる親だったらよかったのに…みたいに親を『当たり』とか『はずれ』の意味で使っているみたいなんだよ。『親ガチャはずれ』とか『親ガチャ失敗』みたいに。どう思う?」と。

私はびっくりして「なにそれ?ひどくない?」「〇ちゃんがそんな風に言うの?」と聞きましたら、「ウチは言わないけど、この前部活のメンバーを車に乗せた時に、子供たち同士で盛り上がっていて、後で〇に聞いたら、そういう意味なんだって。私もびっくりしてさ、何~親を当たりとかはずれとか言ってんの?それっておかしくない?」と言ったら「だから私は言ってないじゃん!」と怒って、話はそこで終わったそうです。

でも、子供が親を「当たり」だの「はずれ」だの言うって、パピーさんはどう思われますか?又、うちの子はまだ4歳なので、そんな事は言わないとは思いますが、そう言う様になったらどう対処したらいいのでしょう?

この日から、子育てに虚しさを感じてしまって、こんなに一生懸命子育てしてても、その親を「当たり」とか「はずれ」なんて言われたら子供の為に頑張る気持ちも失せてしまいます。ずっと心にひっかかっていて、いや~な気持ちが収まりません。

もし大きくなって「私の親ガチャははずれだった」なんて言われたら、と思うと、ワンオペで寝る間もなく頑張ってきた日、熱を出した子供を抱えて夜間病院を走り回ったこと。少ないお小遣いで我慢してくれている旦那。子供を中心とした生活や、美容院や新しい服を買うのを我慢して、子供を最優先にしていたのに…と思うと本当に虚しくなります。

将来、こんな事を言われるのなら…大変な子育てなんてもう放棄したいと思ってしまいます。

という内容でした。私はここで初めて「親ガチャ」という言葉を知って、ヒロさんと同じように愕然としました。

今までも「こんな家に生まれたくなかった」みたいな言葉を発する子供もいましたし、もちろんそこに深い気持ちはなく、単に自分と友達をくらべて「うらやましい」から言ってだけで、冷静に対応できていたのではありますが、でも100円を入れてハンドルをガチャガチャと回し、何が出てくるか分からない、そんなものと親の存在を一緒にされるとしたら…もう怒りしかありませんよね。

私もこの言葉を聞いて調べてみた時、もう虚しさで言葉も出ませんでした。ただヒロさんはまだ、子供にそう言われたわけではなく、お姉さんのお子さんも「そんな事は言うべきでない」という認識はあるみたいです。

なので、私はこんな風にお返事しました。

ヒロさん、こんにちは。メール拝見しました。

「親ガチャ」私も初めて聞きました。なんと酷い言葉か…と呆れました。こんな言葉が今、高校生の間で使われているんですね。もし私も突然「うちの親ガチャ失敗だった」のように言われたら、怒り狂うかもしれないな、と思いました。

なぜこんなに腹立たしくなるんだろう?と考えたのですが、一つはヒロさんも言われていたように、親は十数年もの間、自分の時間を削り、お金も掛けて、子供の為にさまざまな我慢をしてきたのに…との虚しさ。又、人と比べて簡単に親に対して優劣をつけ、なんでも親のせいにしようとするその姿勢。そして「ガチャ」に対して持っている私たちの印象が「価値がないもの」「無駄なもの」という認識があって、それを親の存在と一緒にされた、という憤り…ずっと頑張って頑張ってきたからこそ、その言葉に強い虚しさや報われなかった感を感じるのだと思います。

「親ガチャ」

たまたまかもしれませんが、これだけ親に対して侮辱的でダメージを与える言葉をよく考え付いたもので、私もかなり強いショックを受け、しばらく唖然としていました。

でも一つ、私にとってほっとしたのは、お姉さんの娘さんの言葉「だから私は言ってないじゃん!」にあったように、娘さんには「使うべき言葉ではない」という事が分かっているという事実です。

こういう言葉がはやってくると、多くの子供たちが使うようにはなりますが、子供全員が使うわけではなく「使うべき言葉ではない」と理解している子もちゃんといるんですね。お姉さんの娘さんにはそれが伝わっていた、という事がすばらしいな、と思うのです。

もちろん、他の子と話している時にまで「そんないい方したらいけないよ」のように言っていたら、「ひとりだけいい子ぶっちゃって」と他の子から反感を買ってしまったりするので、そこは上手く立ち回ることがあったとしても、親の前では決して言うべきではない、と分かっていれば、私はそれでいいと思っています。

周りを変える事はできません。ですからはやっている言葉をやめさせることは不可能です。でも本人が「友達の間で使う言葉」「家庭内で使う言葉」「先生やご近所など公的に使う言葉」と、使い分けができればいいのですね。

そして今回、ヒロさんからは「そう言う様になったらどう対処したらいいのでしょうか?」と頂いたのですが、4歳の娘さんがそんな言葉を使った時、まじめな顔をして「あなた、何を言ってるのか分かってるの?」と冷静に聞いてほしいと私は思うのです。

子供はただ友達が言っていたり、意味も知らずに真似をしているだけだとは思いますが、そうであっても「そんな言葉を使うのは間違っているよ」やという事はちゃんと教えてあげてほしいのです。

その時に「あなたはお母さんやお父さんの存在が、ガチャガチャと同じだと思ってるの?」

「ご飯を食べるのも、今着ている服も、この家だって、毎日お父さんが働いてくれて、あなたが不自由な思いをしないように、お父さんは働いたほとんどのお金をあなたに費やして、自分は少ないお小遣いで我慢してくれているんだよ」

「もしそれが分からないで、お父さんやお母さんの事を悪く言うのなら、どうぞ誰の家でも結構です。その家の子供にしてもらいなさい」

と言ったっていいと思うのです(もちろん怒りをぶつけるのではなくあくまで冷静に淡々と)。

それは「親ガチャ」という言葉だけではなく、親を馬鹿にした言葉、お父さんを蔑む言葉を使った際も同じことで、そういう「秩序を乱す言葉」を使った時には、きちんと「それは間違っている」と教えて行かなければならないと思うのですね。

そして幼少期の頃から「親を愚弄する言葉を使ってれば、ばっちり叱られる」という環境であれば、成長してからもそんな言葉は軽々しく使うようにはならないと思うのです。

なので「そう言う様になったらどう対処したらいいか?」よりも前に、幼少期から親を軽んじている言葉、秩序を乱す言葉を使ったらきちんと叱り「親ガチャ」のような言葉を使うべきでない、と自分で分かる子に育ててほしいと思うのですね。私が何度も何度も「秩序は重要です」というのは、こういうところにも表れるんですね。

ヒロさんの娘さんはまだ4歳。だとしたらまだまだ大丈夫。「お父さんがいて、お母さんがいてくれるから(自分は)いろいろ与えてもらえて、今の生活ができているんだ」って教える機会はたくさんあると思います。

「親ガチャ」に限らず、もっと私たちを惑わせ、落胆させる言葉が現れてくるかもしれませんが、基本は何も変わならないと思います。私たちができるのは、いつも子供への力を惜しまない事と、それを子供が感じてくれるように努めながら、間違っている事はしっかり教えていく、という事だと思いますが、いかがでしょうか?

このお返事をしたら、ヒロさんはお姉さんにも話をされたらしく「パピーさんに褒められたみたいでうれしい」と言ってくださったとお返事を頂きました。

ヒロさんのお姉さんも子供たちが小さいころから「なんでも当たり前だと思ったらいけないよ」と言われていたのだそうですが、今は息子さんが反抗期で会話は少なくなっても、親を蔑んだり「バカ野郎」などの言葉は決して使わず、「親ガチャ」について聞いてみたら「そんな事を言う奴はガキなんだよ」と言ったのだそうです。

ちなみに私が「お父さんがいるから~」のように言ってください、とお願いするのは、お母さんがご自分を控えて「お父さんのおかげで」という事で、子供の耳に届きやすくなるからです。これがもし「私がこんなにやってあげているのに」と言ってしまうと、子供は「なに?、上から目線?やってあげてる感ウザい!」と素直に取らなくなってしまうからなんですね。

ちなみにテレビで「親ガチャ」について討論している時に、みちょぱさんがこう言われていました。

「だいたいは軽い意味で使っているので、みなさんが考えているほど重くはありません」

「ちょっと愚痴を言うみたいな感覚なだけの人も多いので、そんなに重くとらえないでほしい部分もある」

「親側がショックを受ける心情は分かります。でも息抜きの表現として軽く受け止めて…」

と。子供たちの感覚としては、気軽に使っているようです。でも、私たち親は「こんなにショックを受けるんだよ」と伝え、軽々しく使ってほしくないという思いは伝えていいのでは?と私は思います。

ただ子供がたまたま使ったこんな言葉で、せっかく今まで積み上げた良い関係が壊れないように、その時は、どうぞ冷静に対処なさってくださいね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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