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中学校中退の過去も。『なんでも鑑定団』北原照久氏の人生を変えた恩師の一言

人気番組『開運!なんでも鑑定団』に出演し、物腰の柔らかい口調のコメントでおなじみの「ブリキのおもちゃ博物館」館長・北原照久さんですが、そんな彼に「中学中退」の過去があったことをご存知でしょうか? 数々のベストセラー著書を持つビジネス作家で起業家の岡崎さんは自身のメルマガ『岡崎かつひろの『好きを仕事にするための本当の考え方』』の中で、そんな北原照久さんとの対談を通して、北原さんの知られざる苦悩と恩師との出会いなどについて語り合っています。

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なんでも鑑定団・北原照久さん「中学退学」の僕を変えた恩師の一言

テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、「横浜ブリキのおもちゃ博物館」などの館長として、長年活躍する株式会社トーイズ代表取締役 北原照久さん。今回は北原さんを迎え、岡崎かつひろさんとの対談を行います。「運がいい人は何をやっているのか」というタイトルで前後半2回にわけてこのメルマガでお届けします。

前半は、北原さんの波乱な人生について。今は世界でも有数なコレクターの一人として活躍している北原さんですが、中学時代、先生に反発し不登校に。さらには義務教育であるにもかかわらず、まさかの退学。その後なんとか高校に入学することができたとき、ある一人の恩師との出会いをきっかけに、人生が大きく変わったといいます。いったいなにがあったのでしょうか。


「出来のいい兄弟と比較されたくない!」答案用紙を白紙で出した小学生時代

岡崎かつひろ(以下、岡崎):今日は、おもちゃ博物館の館長であり、『なんでも鑑定団』鑑定士、「横浜ブリキのおもちゃ博物館」館長の北原さんにお越しいただきました。北原さん、まずは自己紹介をお願いできますか。

北原: 北原照久です。1948年生まれです。僕は4人兄弟の一番末っ子で、兄2人と姉がいますが、僕以外みんなすごく勉強ができたんです。兄の愛読書は百科事典でした。そのため子どものころはまわりの大人たちによくできる兄たちと比較されました。「お兄さんやお姉さんはよく勉強できるのに、どうしてあなたは……」と。僕は比較されるのが嫌だった。「自分は自分だ!」と思っていました。僕は、幼稚園くらいの時から、比較的大人のいう言葉を理解できていました。だから余計に嫌だったんです。

岡崎: 北原さんの実家は商売をされていた関係で、たくさんの大人と接する機会があったんですね。学校での様子はどうでしたか?

北原: 小学校高学年から中学の頃にかけて、僕はものすごい反抗期を迎えました。僕は勉強ができなかったし、よくできる兄や姉と比較される。それがいやでテストの答案用紙には何も書かず白紙で出していました。

それで父親と母親が「この子は比較されることをすごく嫌う。だから上の子たちと違うエリアの学校に通わせたらどうか」ということで、中学を越境入学させてくれました。僕が住んでいたのは中央区ですが、千代田区の一橋中学にいかせてくれました。

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二度とこの学校には通いたくない!教師の一言で不登校を決意!

北原: 僕自身も子どもなりに「このままではいけない」という気持ちがあり、今度こそ頑張ろうと思ったんです。でも、中学入学初日、担任になった先生から最初のホームルームで「君たちは他のクラスの邪魔をしないでくれ」といわれたんですね。

どういうことかというと、僕ら団塊世代は子どもが多いから1クラス800人くらいいました。各クラスの学力は平均になるように学生は振り分けられましたが、僕たちのクラスは学年最下位の子どもたちだけ集められたんです。そのため担任の先生が「お前たちは、ほかのクラスの子どもの邪魔をするな」といったのでしょう。

岡崎: それは言ったらだめですよね!

北原: 本当にそう思います。僕はその先生の一言を聞いて、カチーンと来て2時間目から授業をボイコットしたんです。

岡崎: 自宅に帰ったんですか?

北原: いえ、帰らないです。自宅に戻ったら「なんでこんなに早く帰ってきたんだ」と怪しまれますから。そのため北の丸公園だとか日比谷公園などに行っていました。よく覚えているのは、靖国神社の前の九段会館です。そこにお濠があり、白鳥のえさばこが置いてあるんです。当時、お濠に白鳥がいて、さらにそのそばに亀が日向ぼっこしていたんです。僕はそれをみているのが好きだったんです。それで2時か3時くらいまでそこにいて家に帰るという時間のつぶし方をしていました。

まさかの中学退学!「僕の学生時代は何だったんだろう」

岡崎: 学校にはあまりいってなかったんですか?

北原: ほとんど行ってないです。うちは商売をしていたこともあり、父親も母親も忙しかったんです。また上の兄弟3人はよくできたから親もそれほど気にしなかったのでしょう。また、僕は、勉強はできなかったものの、親の手伝いはすごくよくしていたんです。親が「だれかお使いにいってきてくれないか」というと、毎回僕が「はーい!」と言って買いに行ってたんです。ほかの兄弟たちはみんな勉強で忙しかったからね。そういう意味では、僕はすごくいい子だったんです。

さらにいうと、それには裏があって、お使いに行くとお小遣いがもらえるんですよ。いつも商店街に買い物に行くのですが、みんな顔見知りのおじさん、おばさんばかりです。「今日もお使いに来たのか。家の手伝いをしてえらいな」といわれて、お店の人が5円、10円とまけてくれるんです。僕はそのお金を貯めてお小遣いにしていたんですよ。だからすごく経済観念がしっかりしていました。ちゃんと手伝えばお小遣いをもらえると学んだんですね。そんなふうに気楽に過ごしていたんですが、実は中学3年の2学期に学校を退学になってしまったんですよ。

岡崎: 中学を退学になるのは、なかなかすごいですね(笑)

北原: 義務教育ですが、なりました。一橋中学の100年史みたいな本があり、その本に載ってますよ。「今はテレビ東京『開運!なんでも鑑定団』の鑑定士として出ていますが……」みたいにね(笑)

中学生で学校を退学になったことは、さすがに僕にとっても応えました。挫折を感じたわけです。自宅に帰る途中、パチンコ屋さんの前を通ったら、舟木一夫さんの「高校三年生」という学園ソングが聞こえてきたんです。僕は、退学になった中学には友達1人しかいなかったから、僕の学生時代は何だったんだろうと胸が苦しくなりました。

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「人生はやり直しはできない。でも、出直しはいつでもできるんだよ」

北原: 自宅に戻り、普段はあまりあれこれ言わない両親でも今回ばかりはさすがに怒るだろうと思ったんですね。そしたらうちの母が意外なことにニコニコしながら迎えてくれたんですよ。

岡崎: 親に相談なく退学になったんですか?

北原: いや、もちろん親は知っていますよ。学校からすべての荷物を引き上げ戻ってきたときに、うちの母が言ったんです。「お前の人生、これで終わったわけじゃない。これから先のほうがずっと長いんだからね」。その時の母の表情や声は今でもはっきりと覚えています。「人生はやり直しはできない。でも、出直しはいつでもできるんだよ」と言ってくれたんです。過去はなにがあってもかえられないじゃないですか。でも、未来はいつでも変えられる。だから出直しはいつでもできる。

岡崎: 素敵な言葉ですね!

北原: そして3つ目に「お前はたばこを吸わないからいい」というんですよ(笑)。ほめるところはどこもなかったから、僕は。中学生でたばこを吸わないことはあたりまえですが、早いやつは中学生なのに吸っていましたからね。

岡崎: おそらくそういう時代ですよね。

北原: 昔はそんな感じでしたね。その後、僕は地元のもみじが丘中学というところに編入してなんとか中学校は卒業できました。うちの両親はスポーツ店と喫茶店をやっていたから、僕は卒業後にお店を手伝うといったんです。うちの父は明治生まれで、小学校くらいしか出ていないんです。それで「おまえね。高校は行けよ」といわれたんです。

岡崎: お父さんは小学校までしかいっていないけど、北原さんには高校にいけと。

北原: そうなんです。「父さん、ありがたい言葉だけど、僕を入れてくれるような学校はないよ」といったんです。僕はまったく勉強していなかったからね。そしたら父が「捨てる神あれば拾う神あり」と名言を言ってくれて、それで私立の本郷高校になぜか入れたんです。

岡崎: 本郷高校といったら、今は名門ですよね?

北原: 今は名門ですよ!名門中の名門。東大、慶應、早稲田に現役で各学校に数十人も受かるようなところですよ。

泣きじょうごで、ほめ上手、感激屋の恩師との出会い

北原: 当時はレベルが高い学校ではなかったんです。だって僕が入れるくらいだから、名門であるわけがない(笑)。僕が入った時は番長がいたんですよ! 番長といっても、今の人たちは知らないでしょ。フライパンで炒めたような帽子をかぶって、マントみたいなのを着て、下駄をはいてるんですよ。ばんからな高校だったんです。

学年のクラス分けがあったんですが、そこで僕はまた最下位の学生を集めたクラスだったんですよ。当時は何クラスもあって、ほかのクラスは成績順ではなく均等に分けていたんです。でも、僕の入ったクラスは、学年の中でもどうしようもない落ちこぼればかりを集めたクラスだったんです。

ただ、今回は出会った先生が違った。僕の高校時代の恩師に沢辺利夫先生とう方がいます。昔テレビで「スターウォーズ」という学園ドラマがありましたよね。京都一の不良学校でラグビー部を作り、日本一にさせたドラマです。

岡崎: 落ちこぼれのラグビー部員と熱血先生の物語ですよね。

北原: 泣きじょうごで、ほめ上手、感激屋のスクールオーズの滝沢賢治先生。僕の高校時代の恩師、沢辺先生もラガーマンで、まさにドラマの中の滝沢先生みたいなタイプでした。退職後は穏やかになったんですが、当時はとにかく怖かった。ガタイはいいし、耳はつぶれているし、頭には縫った跡があって、見た目からして怖かったんです。でも、あったかい先生なんですよ。

出会ったときに、先生が一言目に言った言葉は「君たち勉強できないんだね。僕もできなかったんだよ」と言ったんです。「でもな、3年間一緒にがんばろうぜ!」といってくれたんですよ。すごく温かい一言でした。

 

(メルマガ『岡崎かつひろの『好きを仕事にするための本当の考え方』』2021年10月4日号より一部抜粋、この続きと後半の配信はメルマガにご登録の上、お楽しみください。初月無料でお読みいただけます)

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image by: Tinxi / Shutterstock.com

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多くの人が仕事や人生において困ること。この力がないことで、どれだけ多くの人が悩んでいることでしょう。仕事が進まない、起業したがうまくいかない、恋人ができない、実はこれら全ては共通する問題により起きています。 それは、『人が集められない』 ということ。毎月1000人が集まる講演会を成功させるベストセラー作家であり起業家の岡崎かつひろが教える、コミュニティ作りと集客の秘訣。人が集まる自分になるための一歩を踏み出しましょう。

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