大使館の警備を10年以上していたアフガン人が、日本語ができず英語で応答していたって構わないじゃないですか。日本側が英語の応答のほうが意思疎通できると考えたから、日本語を使うように求めなかったのです。大使館の警備担当者は他の大使館の担当者などとも連携をとる必要があります。アフガン人同士でない限り、英語で話すのは自然のことです。
「アフガンと日本は違いすぎる。中村哲さんなど日本人がアフガンでうまくやっていたのは、日本人がアフガンへ合わせたからで、その中村さんでも殺害されてしまった」と書いていますが、なんだか意味不明です。
アフガンと日本は違いすぎるといいますが、それは日本関係のアフガン人を日本に受け入れる話とは関係のないことです。安全な日本と違い、アフガンでは危険が伴うというのなら話はわかります。それに、中村哲さんがアフガンでうまくやったのは、アフガンに合わせたからではなく、現地で警戒されるようなことは一切せず、感謝の対象だったからにほかなりません。それでも殺害されたのは、強盗の類いに襲撃されたからです。
「タリバンも日本と安定した関係を望んでいるわけだから、アフガンにおいて日本の関係者の保護をタリバンに要求する方が良い」とも書いています。危険を感じ、恐怖におののいている人たちの保護をタリバンに頼むというのだから、何を考えているのでしょう。私は紛争予防・平和構築・紛争地支援を続ける非政府組織REALsの理事としてアフガンの現状を漏れ聞く立場にありますから、この考えは受け入れることはできません。
また、「日本で暮らしていくには、まず、日本語を話すところから始めることになる。これが米国なら話は違う。もともと米国の責任が大きい上に、移民慣れしているが、英語を話す人は多いから、とりあえずの意志疎通はできる。自立するのも日本よりはるかに容易」といいますが、日本だって外国人を入れなければ国が回らなくなる段階に差し掛かっています。いつまでも鎖国状態でいられる訳ではありません。日本としては、外国人が日本で自立できる方向を提案したらどうなのでしょうか。
このように、よく読んでみたら、思いつきがツイートされていることがわかりました。それに対して100近くもリツイートする人があるというのですから、やはりSNSの世界はリアルワールドではないという一面がのぞいています。SNSに振り回されてはなりません。(小川和久)
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