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イヤイヤが激しい子は“説得”しなくていい。育児のプロが断言する根拠とは

自分の子育てはきちんとできているのか…そんなふうに考えてしまうお母さんは少なくないですよね。そこで今回は無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』著者のパピーいしがみさんが、 イヤイヤが激しく子供を説得できず、自信をなくしてしまったお母さんのお悩みにアドバイスしています。

イヤが激しく説得できない

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガのタイトルは「イヤが激しく説得できない」としました。これって親なら誰でも経験していると思います。

「行きたくない」と泣きわめく子にどういう対処をしたらいいのか、行きたくなるにはどう説得したら良いか、みんな一度は考えると思います。

ご相談頂いたのはkyyaさん。こんな内容のメールでした。

私は子育てがちゃんとできているのか、息子の姿から見て、確かめていただく事はできますか?

私は自信がないので行動も消極的です。

最近、不安が強くなってしまったきっかけは、息子が今年の夏に始めたスイミングを「もう行きたくない」と言い出し、夫婦で説得をしている時でした。息子は、むずかしく感じたから行くのが嫌なようです。これ(スイミング)だけではありません、自転車や勉強なども難しいと感じると、するのを嫌がります。

「ストライダーも最初は、怖くて乗れなかったけど、今は大好きだよね?それは、○○(息子の名前)がたくさん練習したからなんだよ。ブランコも最初は怖くて座るだけだったのが、今ではお友達から、すごいね。どうやったらできるの?と聞かれるほど高くこげるようになったよね。たくさんブランコにのったからだよ」

こんな風に説得もしたのですが、息子は「自転車は絶対転ぶから嫌だ」と。全く聞く耳を持ちません。

もう夜も遅くなっていた為、そろそろ寝ようと言わんばかりに主人が私に「何を言っても『でもでも・だって』と言い訳して行動しない。似てるな」と言って寝る準備をしてしまいました(似てるな。というのは、私と似てる。という事です。私は以前にも指摘された事があります)。

私は、そう言われて、カチンときましたが、息子には、「自転車も絶対乗れるようになるから、今日はもう寝よう」と言って、寝ました(スイミングの話がいつのまにか自転車にズレてしまいました)。

やはり私がこんな性格で、息子に良い見本を見せられていないから、難しい事を嫌がるのか?それとも、私が息子の事をちゃんと叱れていなかった事に原因があるのか…。

私は、息子が1歳半くらいの時に出会ったブログを参考に、なるべく褒めて、叱らなくてもいい子育てをしてきました。今、振り返って感じている事は、息子は外では頑張っているのだから、家の中では誰にも迷惑かける訳ではないし…と、できる事のハードルを下げてしまい、甘えを受け入れて来てしまいました。

基本的に心は穏やかなのですが、家の中で見る息子の姿は、甘えがとても多いです。好きなことは、自分からしますが、それでも上手く行かないと癇癪を起こしていました。

小学校に上がり、私も今までのやり方では良くないと思い、急にアレもコレも自分でできるように、息子に言い始めました。できない息子にイライラが止まらず、感情をぶつけては、自己嫌悪になったりしていました。今まで甘やかしすぎて、家族の中で息子が一番になっているから、こういう姿なのか、と感じます。

主人にも話して、一緒に対応しました。息子にも少しずつ変化がありました。少なくとも主人が1番にはなっているようですが、私はまだ1番下かもしれません。これが治るのは、時間がかかるものでしょうか?

kyyaさんの息子さんは、小学校1年生。息子さんは「うまく行かないとすぐに癇癪を起す」「イヤ・やりたくない」と駄々をこねる…という事も多いようです。

kyyaさんは、それをご自分のせいだとお考えで、子供の「スイミング嫌だ・行きたくない」と泣きわめく状態がどう説得しても変わらなかったのもあり「どうしたらいいんだろう?」と不安が強くなってしまったようです。幼稚園の間に「叱らない子育て」をしてきたのも、不安に拍車をかけたようです。

でも大事なのは「今まで」ではなく「これから」です。なので私はこんな風にお返事しました。

kyyaさん、こんにちは。メール拝見しました。

「私は子育てがちゃんとできているのか、確かめてほしい」との事でしたが、「子育てがちゃんとできているか」って、私は今確かめなくても良いと思います。というのは、子育てって経過ではなく、結果なんですね。その子が将来、自分で仕事をして生活できればそれでいいんです。

その時までどんな道を通っていたっていいし、逆に、どんなに思い通りに進んでいたとしても、その後どうなるかはわかりません。もちろん今は自信がないとは思いますが、親の自信も子供の成長によって変わってきます。

それで…今、夏に始めたスイミングを「行きたくない」と言っているようです。夫婦で説得なさったようですが、一旦「イヤ」と言い出した子は「イヤ」を認めてもらうために何でもします。

ご主人の「何を言っても『でもでも・だって』と言い訳して行動しない。似てるな。」と言われた言葉が、「ああ、私のせいか?」とお感じになったかもしれませんが、子供はみんな「イヤ」と言い出したら「何を言っても『でも・だって』で言い訳ばかりで行動しない」のです。ですから全く心配することはないし、もちろんkyyaさんのせいではありません。

ただ今後の進め方はとても大事で、説得しよう、納得させよう、とすればするほど手がかかるようになります。

頂いたメールに「今まで甘やかしすぎて、家族の中で息子が一番になっている」「少なくとも主人が1番にはなっているようですが、私はまだ1番下かもしれません」ともありましたが、私は秩序と言う意味でも、親がしっかりイニシアチブを取ることは大事だと思っていますし、甘い顔だけしていれば子供は自分で乗り越える事をしない子になってしまうと思っています。

そこで今回のスイミングの件での回答ですが、とても簡単で「そう。嫌なのね」だけでいいんです。理由を聞く必要もないし、説得する必要もない。親は「そんな時もある」で良いのです。行きたくないのなら泣き叫んでも良い。

でも「わかった」なんて言わないでくださいね。「行く、行かない」の結論を出さず「どうぞ嫌なら嫌で結構です」という態度でいればいいのです。子供がどんなに嫌がってもダダをこねても、時間が来たら連れて行く。まずそれをしてみるのですね。

きっとkyyaさんとしては「どう説明したら行くようになってくれるんだろう?」とお考えだと思います。そして子供が機嫌よく行ってくれるにはどうしたらいいか?を知りたかったのだろうと思います。

ですが、親がおろおろしないで「スイミングは続けるんだ」という毅然とした考えがあれば、それでいいんです。無言で着替えさせて、泣こうと喚こうと、先生にお願いすれば子供は「しょうがないやるか…」となりますし、先生も嫌がる子に対しては何とか頑張って楽しませようとしてくれたりします。そして続けてみて「いやだったけどできた」とか「上手にできた」という経験をしてみると「もしかして面白いかも?」と感じる事もあるのですね。

もちろんそうやって毅然とした態度をとっても「やっぱり嫌だ、やめたい」と言う事もあるでしょう。そうなったら「先生に自分の気持ちを言える?自分で言えるのなら辞めてもいいよ」と言ってみたらどうでしょう?

もしそれをきちんと言えるようなら(そこまで強い思いなら)辞めさせてあげたら良いと思いますが、ほとんどの子は、教えてくれる先生にきちんとは言えないでしょうし、又、 先生も「もうちょっと頑張ってみよう」のように諭してもくれると思います。

ですが、まずは親の態度を明確にして、聞き分けのよい親にならない事です。親が毅然とした態度を取れるようになれば、秩序はきちんと正されると思いますよ。

そうお返事をして、kyyaさんも試してくださいました。

その結果、こんなご報告を頂きました。

パピーさん、こんにちは

先日、「私は子育てがちゃんとできているか確かめてほしい」という相談にのっていただいたkyyaです。

パピーさんのお答えを読んで“その子が将来、自分で仕事をして生活できればそれでいいんです”、これは、私の子育ての最終目標としているものだったのですが、実際には漠然としていました。

そして次の、“その時までどんな道を通っていたっていいし、逆に、どんなに思い通りに進んでいたとしても、その後どうなるかはわかりません。”を読んで、先を焦りすぎていたと反省しました。子供が自分の力を十分に発揮できるように、私にできる事をやっていきたいと思います。

そして、スイミングの件もご丁寧にありがとうございました。パピーさんのご指摘の通りで、息子の姿は、私のせいか?と思っていました。

『子供はみんな「イヤ」と言い出したら「何を言っても“でも・だって”で言い訳ばかりで行動しない」のです。ですから全く心配することはないし、もちろんkyyaさんのせいではありません』と言ってもらいホッとしたものの…

“ただ今後の進め方はとても大事で、説得しよう、納得させよう、とすればする ほど手がかかるようになります”

“甘い顔だけしていれば子供は自分で乗り越える事をしない子になってしまうと思っています”

を読んで、やっぱりそうか、これは大変な事だ!と気を引き締めていかないと!という思いでした。普段の生活では、笑顔を増やし(笑顔というより、作り笑いに近いですが)、褒めるところは褒めて、ダメなものはダメ!をしっかりやっていこうと思いました。

スイミングについては、パピーさんからアドバイス頂いた通りに、説得することも、嫌な理由を聞くこともやめて「時間が来たら、連れて行く」をやってみました。いつもなら、その日の朝「今日はスイミングだよ」と言っていましたが、それもやめました。

学校から帰ってきて、おやつを食べながら「3時に出るからね」と言ったところ、「え?」と言ったので、「今日は何曜日だっけ?」と聞いたら、(以前、息子が水曜日のスイはスイミングのスイだね!と言っていたので)「あぁ…。わかった」と言って、嫌とも言わずに時間になったら行きました。終わった後には「楽しかった(^^)」と言っていました。

今後どんな反応になるかはわかりませんが、パピーさんからのアドバイスを実際にやってみて感じた事は、私が説得したり、嫌な理由を聞いたりすると、息子も嫌な理由を色々探したり、私の出方を見て、「こう言ったら行かなくてすむかな?」という方法を探していたのかな?だから、いつも嫌な理由がバラバラだったのかなと思いました。私は完全になめられているんだと感じていました。

でも息子をそういう姿にしてしまったのは、私のあやふやな態度でした。コロナの自粛生活の時から、今まではダメと言っていた事を、どこにも行けないし、可哀想だからこの位はいいかな?と「ダメ」と言いながらも承認が多くなっていた事、振り返って反省しています。本当に勉強になります。

説得することも、嫌な理由を聞くこともやめて「時間が来たら、連れて行く」をやってみた。

「時間になったら行くから」

ただそれだけで「あぁ…。わかった」とスイミングに行き、終わったら「楽しかった」と…。

はい、こんなもんです(^^)。

興奮している時は、自分の主張を貫くことだけに集中しています。だからそんな時は説得もせず、納得をさせようともしないでいいんですね。

ちなみに、自転車もその後、すぐに乗れたみたいです。

“正味の練習時間は、土曜日が5分。そして日曜日は5分経過したくらいの時、いきなり1人で乗れました。息子のハニカミ笑顔が忘れられません”

との事でした。もともとストライダー(ペダルなし自転車)が上手だと書かれていたので、もうすぐに乗れるようになるとは思っていましたが、土曜日5分。日曜日5分で乗れるようになったのは、早かったですね♪これは「やればできる」という手ごたえを感じてくれたはずです。

又、その後のkyyaさんからのメールにはこうありました。

昨日は、スイミングの日でした…。またおやつを食べながら「3時に出るよ」と私が言うと「行かない。今日は行かない」と息子。ここで私は思わず笑いそうになりましたが、「そうなんだ。嫌なのね」と私。「なにそれー」と息子。それには答えず、話題を変え、笑いながらおやつを食べ、時間になったので行きました。

スイミングに到着したら、小走りで中に入って行き、終わったら「楽しかった(^^)」と言っていました。パピーさん、本当にすごいです!ありがとうございます!

息子さんの「なにそれー」は、「お母さんの方が一枚上手だな~」と感じたような言葉ですよね。kyyaさんも「はいはい、きたきた(笑)」と思って「余計な事は言わない!」と余裕をもって対応できたそうです。

そうなんです。説得しよう、納得させようとするのではなく、まずは子供の言葉で動じないお母さんの姿勢を見せるのです。それが家庭内での秩序も作り出しますからね♪

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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