MAG2 NEWS MENU

子供の術中にハマるな。「いじけ」の多い子はどう対処すべきか?

面白くないとすぐにふてくされて不機嫌になったり、腐ったりする…そんな子供の「いじけ」に苦労したことはありませんか? 今回は無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』著者のパピーいしがみさんが、 お子さんのいじけがひどく、せっかく出かける時も楽しくならない…と悩んでいる親御さんからのお悩みに答えています。

子供のいじけ、どう対処?

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガは「子供のいじけ」です。

「いじけ」って「ぐずり」や「拗ね」などとも言われますが、面白くないとふてくされて不機嫌になったり、「どーせ僕なんて…」と部屋の隅っこで膝を抱えてうつむく…ってそんな態度になる事です。

多くの子に現れる様子ですが、親から見ると心配で「何がイヤだったの?」と聞いてみたり、何とかして元気にさせたいと思ってしまいます。

確かに子供に元気が無かったり、すべてをボイコットしている様子を見ると「このままじゃまずい」と思うのですが、親のその心配や、元気にさせようとする、その行動が子供のいじけをさらにエスカレートさせてしまいます。

そして興味深いのは、こういう状態になるのは、一人っ子のお子さんや、兄弟がいても長子(一人目の子)に多いことです。

今日、ご相談を頂いたのはペーターさん。こんなメールを頂きました。

パピーさん、おはようございます!ペーターです。

悩みは、小学1年生の息子のいじけについてです。

コロナ禍であった幼稚園年長、卒園、小学校入学とコロナの事以外では穏やかに過ごしていました。夏休み明けくらいからのような気がしますが、気にいらない事があると、下を向き肩を落とした姿勢でどこかに行ってしまったり、時には自分の頭や太腿も叩いたりして自分を痛めつける行動をします。

ボードゲームやトランプ等一緒にやっていて、自分が負ける、負け続けると「もう、こんなのやらない」と足をドシドシ踏み鳴らし、別の部屋へ行ってしまいます。

最初は悔しいという気持ちを出して、落ち着いて、と自分でコントロールしているのかと思い、あまり気にしていなかったのですが、いじけの度合いや頻度もひどくなり、何か別の要因なのではと思うようになりました。

悔しい時だけではなく「〇〇を△△してくれない?」などお願いや注意をすると下を向き、肩を落とした姿でどこかへ行ったり、ゲームセンターのUFOキャッチャーで、1回で取れたチョコボールの味が好きな味ではなかったといじけて、一人でプンプン起こりながらどこかへ行きます。

先日は近くの住区センターでマルシェが出てたので、散歩がてら家族で歩いて行ったところ、野菜のお店で近くにいた知らない人に「ちょっとごめんね」(通りたいのでどいて)と言われたので、私が「少し端に寄ってくれる?」と言うと、また下を向きいじけ、「どうしていじけてしまったの?」等少しのやり取りの後、しまいにはシクシク泣きながら帰る事になり、後味の悪いおでかけになりました。

その度に家族は「今日はせっかく来たのに」とか、「せっかくUFOキャッチャーで1回で取れてラッキーだったのに」とか、楽しく出かけられないことに気分も落ち込み、の休日が続きます。いけないと思いながら、つい「またか…」と思って嫌な顔をしてしまったり、あまり口を聞きたくないと思い、口数が少なくなったりと、嫌な雰囲気を私が作ってしまいます(>_<)

最近感じたのが、どちらかというも主人より私に対して意識しているような感じがします。

私はパピーさんの講座で勉強を始めてから、強制するような会話や、否定するような会話などしないようにしてきたつもりです。「○○だから△△して!」「○○しなさい!」等は言わず、出来るだけ本人の気持ちを聞こうと「○○だけどどう?とか、どうしたい?」など。

私は息子にどんな感じで接していいのかわからなくなってしまいました。何か気付いた点、パピーさんが思う事などありましたら教えて頂きたいと思います。

という内容でした。

「いじけ」って、子供からすると「こんな態度をしてみたら僕の思い通りになるかも?」のような「親を動かそうとする実験」みたいなものです。頂いたメールにもありましたが「自分の頭や太腿も叩いたりして自分を痛めつける行動」も同じで、これをやったらどんな反応をするだろう?と試しているんですね。

そこでこうお返事しました。

ペーターさん、こんにちは。

メール拝見しました。

息子さん、自分の思い通りにならないといじけるようですね。

実はこの「いじけ」って、形を変えた癇癪と同じなんです。癇癪の場合は、それを外部に発散して、物を投げたり、暴れたり、泣きわめいたり…となるのですが、それが子供らしく自然な行為ではあるのですが、年齢が高くなって頭が回るようになると、「自分がこんな態度をしたら親はどうするかな?」という実験をするようになるんですね。

息子さんがいじけた時、親の姿勢がとても大事なのですが、もし子供がいじけた時、それを親がかばったり、「そんなに嫌なら…」のように親が折れたりすると、子供は「これは使える」と何度も同じようにいじけるようになるんですね。

「自分の頭や太腿も叩いたりして自分を痛めつける行動」も同じです。これって多分、親の見ている前でするのであって、親のいない時にはやらないと思うのですが、どうでしょう?

もし親がいる前でやっているとしたら、それって全くのパフォーマンスで「僕はこんなに辛いんだよ」と見せようとしているのです。又、やめさせようとして、注意したり「やめなさい」のように反応するだけでも「あ、何かしらの効果はあるな」と本人としては思うので、「どうぞ、好きなだけいじけてください。あなたが不機嫌でも親の態度は変わりません」と、子供の態度に対して関与しないでいると、いじけは無くなってきます。

頂いたメールにも「先日は近くの住区センターでマルシェが出てたので、散歩がてら家族で歩いて行ったところ…」というくだりがありましたね。そして「少し端に寄ってくれる?」で下を向いていじけて「どうしていじけてしまったの?」の優しい言葉に「しまいにはシクシク泣きながら帰る…」と書かれていましたが、子供からすると「こんな風にしてみたら、心配するだろう。もっと心配させたい」という気持ちなんですね。

いじけは親がそこに同情したり、困ったり、不安がったりすると、もっともっとエスカレートします。「最近感じたのが、どちらかというも主人より私に対して意識しているような感じがします」ともありましたように、要は「甘え」なんですね。「いじけても何も変わりません」「いじけるんなら一人でどうぞ」と放っておくのが一番の解決法です。本人にも「いじけても良いことはない」という事が分かれば、改善に向かうと私は思います。ちなみに出かけた先でいじけるようなら「つまらなそうだから帰りましょう」と帰っても良いと思いますよ。

兄弟が多いとそういう訳にも行かないので、ずっと子どものいじけに付き合わなければなりませんが、一人っ子でしたら「いじければ帰る」事になれば、子供としては楽しみも奪われてしまうので「帰るよりも遊んでいた方がまし」と、切り替えが早くなったりもするかもしれません。

どちらにしても「子供のいじけには応じない」が鉄則です(^^)。

このお返事に対してのペーターさんはこんな風にご連絡を下さいました。

お忙しい中、お返事をありがとうございます。

今回の件、形を変えた癇癪だとは全く気付いていませんでした。自分を痛めつける行動は、パピーさんのおっしゃる通り、家でしか見ていません。

「どうしていじけてるの?」「いじけないで欲しい」等、息子の思うまま反応していました。その度に「これは使える」と思っていたのですね。どうりで続くわけですね。納得しました。「どうぞ好きなだけいじけて下さい、こちらは何とも思いません」という態度を貫くことですね。

講座の勉強を始めたばかりの頃、息子の癇癪に手を焼いていたことがあり、メルマガで知った「NOの徹底」を参考に接していたところ、いつの間にか癇癪を起こさなくなった事がありました。行動の裏にある気持ちや原因や仕組みを理解して接することで、こんなにも変化があるのだと驚きました!今回も同じような感じになっていたのですね。

癇癪って年齢の低い子供に多い行動だと思っていたのですが、年齢が高くなっても形を変えて起こるものなんですね。

この癇癪やいじけですが、家庭環境に関係なく、子供の成長過程としてどの家庭にもあるものでしょうか。それとも、メルマガによく登場する子のように、子供自身が何らかの不満や不安などを抱えていて、満たされていない、安心できていない場合に出てくるものなのでしょうか。

いじけって、どうせ僕は弱いから(トランプ等で負ける)とか、僕はいつも同じ事で注意ばかりされるとか僕はダメな子だとかやけになっている、自分を低くみている感じもするのですが、それとは関係がないのでしょうか。

いじける子を見た時に、どの親も感じるのは「子供自身が何らかの不満や不安などを抱えていて、満たされていない、安心できていないのではないか?」という疑問です。

でもこれって全く逆で、「いじけ」は大事に育てられた子に多いのです。

なのでペーターさんにはこうお返事しました。

メール拝見しました。

「この癇癪やいじけですが、家庭環境に関係なく、子供の成長過程としてどの 家庭にもあるものでしょうか。それとも、メルマガによく登場する子のように、子供自身が何らかの不満や 不安などを抱えていて、満たされていない、安心できていない場合に出てくるものなのでしょうか」とのご質問がありましたが、実はその逆で、大事に育てられた子。愛情いっぱいに育った子に多いのです。

一人っ子や、初めての子(長子)の「いじけ」は、ほぼ誰もが通る道です。逆を言えば、厳しい家庭環境で育った子にはいじけは起きにくいです(いじけても何も良いことが起きない事はすぐに分かるからです)。

一人っ子や長子など、大事に育てられた子に起きやすいのは根本に「甘えられる」という安心感があるからです。「甘えさせてもらえる」ってとても大事な事なのですが、だれだって楽をしたい、大事にされたいと思いますので、「もっともっと」や「僕の思い通りにしたい」気持ちが癇癪やいじけになるのですね。

そして癇癪やいじけを起して、自分の思い通りになれば、そのやり方を続ける(癇癪やいじけがなおらない)事になります。だからそんな状態の時に「それは違う」という事を教えなければならないのです。形は違っても癇癪が起きるのも同じ理由です。

そして「どうせ僕は弱いから(トランプ等で負ける)とか、僕はいつも同じ事で注意ばかりされる(端に寄って、走らないで、足をドシドシしないで等)とか僕はダメな子だとかやけになっている、自分を低くみている感じもするのですが、それとは関係がないのでしょうか」とも書かれていましたが、それは後付けの理由であり、それが原因ではないと思います。

でもトランプでいつも負けるのなら、2回に1回や、3回に2回ぐらいは勝たせてあげたら?と思いますよ。負けっぱなしですと、当然やる気は失いますから。

いじける姿勢が、とても卑屈になっているように見えますが、自分をがダメな奴と思っていたり、やけになっているわけではありません。もちろん、心配させるために口では「どうせ僕なんて…」と言う事もありますが、それで親が心配したりかばったり、又、子供の言いなりになっていると、いつまでたっても直ることはありません。いじけても知らんぷり。子供の術中にはまらない、でも良いところはちゃんと見て、きちんと褒める事をなされば、いじけは治まっていくと思います。

「いじけ」って、それを見ている親を不安にさせますし、その態度から雰囲気もすごく悪くなります。でも最も心配なのが、「いじけ」が恒常化してしまい、学校などでもみんなから相手にされなくなったり、ただふてくされているばっかりで、時間がドンドン過ぎて行って、結局何の努力も行動もしない子になってしまうことです。

ペーターさんのお子さんの場合、まだまだ始まったばかりの「いじけ」です。恒常化する前に「いじけても何も変わらない」という態度をしてくだされば、きっと乗り越えてくれると思います。

頂いたメールに

「どうしていじけてるの?」「いじけないで欲しい」等、息子の思うまま反応していました。その度に「これは使える」と思っていたのですね。どうりで続くわけですね。納得しました。

とありましたから、「親の姿勢を変えるだけで『いじけ』は卒業できると思います(^^) 頑張ってくださいね♪」そのようにお返事した後、次のお出かけでは「いじけてに応じない姿勢で」を心がけたそうです。

その時の様子です。

昨日、家族でショッピングモールへ出かけました。案の定、何度かいじけたり、下を向いたり、わざと歩くスピードを遅くしてついてこないとか、色々やってましたけど、全部相手にせず、何事もなかったかのように私たちも気分を左右されることなく接したところ、息子も相手にされないので切り替えが早く、なんだか穏やかに気分よく過ごせて、久しぶりにお出かけが楽しかったと思えたんです。嬉しかったです♪

まだ始まったばかりですので、これからも何度も色々な形で試して来るだろうと思います。完全にやらなくなるまで、同じ姿勢を保ち、過ごしていきます。

…はい。子供の気持ちや「親の動きを見ているな」と冷静になれると姿勢をブラさずにできますね。親の姿勢で子供の態度って大きく変わります。是非、「いじけへの対処」お続けくださいね♪

image by: Shutterstock.com

石神明生この著者の記事一覧

子育て・育児の悩みを解決された生の声をお届けしています。あなたの子育ての悩みの解決になるようなヒントや、あなたの気もちを楽にしてくれるお話など、きっと参考になりますよ。まぐまぐ大賞、生活情報部門、第1位を頂いたメルマガです♪

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 幸せなお母さんになる為の子育て 』

【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け