真っ暗な日本の先行き。国民が背負わされる「衰退国家で生きていく覚悟」

 

もう1つ、2022年は参議院選挙があり、そこで自民党が勝つと、金融所得課税の議論が出てくる。もし、下限資産額以下にも課税するとなると、株価は大きく落ちることになる。1億円以上の高所得者に限定しないと危ない。今の株価を支えているのは、個人投資家であり、その個人投資家を株式市場から離脱させてはいけない。

もう1つ、米国の中間選挙が11月に始まる。ここで民主党が負けると、レームダックになり、以後の経済対策はできなくなる。景気後退期に、対応策を打てないことになり、世界景気は下降することになる。

米中対立は継続する。中露対欧米日の対立も激しくなる。米中圏の経済分離も進むはず。このため、中国の経済も2021年にピークを打った可能性が高い。2022年は、米国経済が下降すると、中国経済も下降することになる。しかし、中国軍の装備・兵員は拡大して、軍事費の予算に占める割合が高くなる。

軍事費の割合が高まり、それを賄うために、増税が必要になる。土地切り売りで得た資金もなくなっているので、地方も国も資金がなくなってきている。このため、IT企業、富裕層の税金が高額になり、中国企業の価値は、その上にNY市場から締め出されてしまい下降してくる。

そして、コロナで庶民に金をバラまいていないために、中小企業の倒産が増えているはず。その上に不動産業界を締め上げたことで、関連業界の業績も落ちている。この影響は大きいし、そのため、利下げもして、不動産業界を政府管理にして、工事を続けさすようである。

その資金も必要になり、益々、IT業界や富裕層からの税金を上げるしかないようだ。

ロシアは、将来、天然ガス・石油産業が再生可能エネルギーの電気に負けることを見越して、その代わりの産業として、欧米日の企業を誘致して、経済を維持しないといけないはず。

しかし、ウクライナ侵攻をすると、その芽がなくなる。北方領土返還交渉もできない憲法改正で、日本企業誘致もできなくなってしまった。このため、ロシアの未来も暗いものになっている。ロシアは交渉前に、交渉をつぶすことが好きである。経済的合理性がないような気がする。

このため、中露は、世界を脅して未来を作ろうとしているが、それはうまくいかない。特に中国というより、ロシアが主導して、世界を混乱に陥れて、戦争になる可能性もある。欧州との戦争では核戦争になりかねないし、SWIFTの利用禁止はロシア経済を破壊するので、ウクライナ侵攻は回避すると思われるが、この代わりとして、中東での戦争になるような気がする。

ロシアの石油と天然ガスのパイプラインが暗礁資産になる前に、最大限の利益を生もうとして、中東の石油・天然ガスをロシア経由にさせる必要があり、プーチンの焦りがある。

戦争になるのは2022年ではないが、近い将来に起きると見える。

世界の景気が下降すると、碌なことはない。その景気後退が起きるのが2022年のような気がする。

さあ、どうなりますか?

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