テレビドラマや映画ではよくお目にかかる探偵という職業。決して身近な存在ではありませんが、その仕事ぶりはとても気になるもの。浮気調査などの依頼が多いといいますが、果たして実際の現場ではどのようなことが行われているのでしょうか。メルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんがリアルな探偵の世界の話を語っています。
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探偵はバレたらどうなるのか?
クライアントにとって「探偵はバレたらどうなるのか??」というのは気になるところです。(※今回は一般的な浮気調査の話です)
これを考える時に最初に整理が必要なのが「誰にバレるのか」という点です。
まず考えられるのは対象者(奥さんor旦那さん)ですよね。
ここでも「バレる」の定義が出てきます。
「探偵につけられている」と正体がバレるのと「不審者につけられている?」と存在がバレるのでは意味が全く違います。
こちらが探偵だとバレている場合は、調査は中断するしかありません。時には続行の選択をすることもありますが、セオリーは中断、仕切り直しです。
そして、バレた原因がどこにあるのかを探り、リカバリーを考えます。
逆に存在がバレているのみの場合は、人を変えるのと時間を置くことで調査は継続できます。
目的は浮気の証拠を取ることですから、必ずその時間に張り付かなければならない訳ではありません。
人を変え、時間を置き、継続すればリセットされるでしょう。
このように、「対象者にバレる」というのも正体がバレているのか存在がバレているのかではその後の方針が大きく変わります。
現状を把握し、目的の為にどう道筋を描いていくかも、探偵の大きな仕事ですね。
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探偵は依頼者以外の誰にもバレない!というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実際に調査をやっていると住宅街に10時間以上いなければならないこともしばしば。。
「見慣れない車が朝からずっといる」ーーそうなると近隣住民が気にしたりすることもあるのです。
時には声をかけられたりしますので、そこにいてもおかしくないストーリーを話して警戒されないようにするのも探偵のスキルです。
「話しかけられてもいいの!?」と思うかもしれませんが、もちろん対象者と同じ町内の人に話しかけられるのはNGなので話しかけられないようにします(基本は同じ町内での張り込みは避けます)が、少し離れたところであれば話しかけられたところで調査に影響を及ぼすことはほぼほぼないので、そこまで気にしなくとも大丈夫なのです。
判断基準は、「調査が上手くいくかどうか」話しかけられても調査が円滑に進むためならば良い、というところです。もちろん、住民に不快感を与えるレベルまでは良くないので撤退しますが。
そういった「警戒と円滑調査のバランス」をとる感覚が、張り込みのスキルの1つになります。
これが上手ければ上手いほど、総合的に良い調査ができるようになります。
結論、周囲の人に気づかれても、上手いストーリーを描き伝えられればオッケーということです。
この感覚は、一般の方からすると不思議な感覚かもしれませんね。
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