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「置物」と思え。2人きりが多いうえに嫌味で苦手な同僚への対処法

会社で2人きりになることの多い同僚と気が合わない。人柄も信用できず、顔を合わすことを考えただけで日曜の夜は気持ちが落ち込む。それでも自分には特別なスキルもなく、転職は避けたい──40代女性の悩みに答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤かおるさん。「相手が変わることへの期待」だけはしてはいけないと語る永藤さんは、自身のメンタルを守るために、相手はただの「置物」だと割り切る方法もあるとアドバイスしています。

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ちょっと御相談がありまして:同僚とそりが合わない

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Q.
40代女性、小さな会社で働いています。私と、同僚の50代の男性が内勤で、それ以外の人たちは社長も含めて営業などで外出していることが多いのですが、この50代男性とそりが合いません。

私は、子育てを終えて2年半前に社会復帰したのですが、この男性はもう勤続20年以上です。ちなみにこの人は、先代の社長の甥っ子であり、現社長のいとこで、社長よりも10歳くらい年上です。

今の会社に勤め始めた頃、右も左もわからない状況で、頼りになりそうな人たちも皆外勤で、仕事について聞くのはこの人しかいなかったのですが、「自分で調べて」とか「俺もわかんねえよ」とつっけんどんに言われ、尋ねるたびに嫌な思いしかしませんでした。それでいて、私が自分で調べてやってみると、小声でブツブツと「違うし」「あーあ」などと言われます。

上司や社長にも相談したのですが、関係性などもあるせいか、「まあまあ、そう言わずにうまくやってもらえないかな?」とことを荒立てないようなだめられるばかり。挨拶しても返さないようなこの男性と一緒にいるだけで腹が立つというのに。

とはいえ、私には特別なスキルがあるわけではないし、仕事自体が嫌いなわけではないし、お給料もこのご時勢ながらきちんと出してもらえているので、転職はなるべくしたくないのですが、この人と顔を合わせることを考えただけで日曜の夜などはうんざりします。私はどういう気持ちでいればいいでしょうか?

【永藤より愛をこめて】

うわー、日曜の夜に、うんざり、どんよりするお気持ち、お察しします。こういう人、男女問わず一定数いるんですよね、不思議なことに。「この人、何が楽しいんだろうか?」と思ってしまいます。よく2年半耐えましたね。

さて、「どういう気持ちでいればいいでしょうか?」というご質問ですが、たぶんいくつかの選択肢をあなたがお持ちである、ということは、うすうすお分かりでしょう。ひとつだけ、「これだけはしない方がいいですよ」ということだけ触れておきます。

それは、「相手が変わることを期待する」こと。多分この男性は、これから先も愛想がよくなったり、親切になったり、快活になったりすることはありません。よっぽど彼の身に何か起こらない限り。

なぜなら、今のままで彼は何ら困っていないからです。あなたは、不快に思うし、嫌だし、困っているかもしれないけれど、彼は何も困っていない。ゆえに彼が変わることはまずないのです。それを前提に考えると、あとはあなたの気持ち次第です。

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本当に本当に彼と同じ空間にいるのも嫌だ、視界に入るのも不愉快だ、私の心身に支障をきたす、というレベルであれば、転職を考えたほうがいいかもしれません。

でも、もうあなたは2年半も勤務していて、おそらくご自身が担当している業務を一つひとつ彼に確認しなくてはならないような状況ではないでしょう。そうであれば、「たまに言葉を発する置物」だと思う、というのもひとつの手段です。

置物に怒ったり、ケンカを吹っかけたり、なにかをお願いしたりしても無駄ですよね。もちろん、「私は金輪際あなたのことを置物だと思うことにしました!」という宣言は不要です。

そして、置物に対しては、最低限の挨拶(おはようございます、お疲れさまです)と報・連・相のうちの「報」と「連」だけする。「相」は信頼できる人にすればいいのです。置物に相談したってなんにも返ってきませんから。あとは、机の配置でもなんでも構わないので、視界に彼が入らないようにするだけで、ずいぶん違いますよ。

そうやってご自身のメンタルを守ってあげてください。一番大事なのは、自分です。

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image by:Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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